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Sail ho!
Tohko HAYAMA
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Sail ho!:映画「マスター&コマンダー」と海洋冒険小説の海外情報日記
ミステリマガジンで帆船小説特集

発売日から大分たってしまいましたが、
今月号の早川書房「ミステリマガジン12月号」の特集は「出版せよ!英国帆船小説」
多数の方からメールでお知らせをいただきました。
ありがとうございました。
情報ブログをやってるモノとしてこれに気づかなかったのは失格ですね。すみません。

内容は、
トマス・キッド シリーズの作者ジュリアン・ストックウィンから日本の読者への特別メッセージ。
キッド シリーズの翻訳者である大森洋子氏の「帆船小説の舞台をたずねて」

特選短編が2編。
ピーター・トレメインの「砲が復讐した」と、ナイジェル・ブラウン「トラファルガル沖海戦にて」
トレメインってどこかで…と思ったら、創元から出ているアイルランドを舞台にした歴史推理小説フィデルマ・シリーズの作者じゃありませんか!
確かこの方、歴史書も多数書いていて、フィデルマ・シリーズはその歴史考証の確かさが魅力だと思うのですが。
ブラウンは長編作家としてはSFを書いている作家だそうです。

このほかに
「邦訳帆船小説シリーズ案内」
「年表で見る海戦 帆船小説の背景としての海戦史」
「帆船用語の基礎知識」
など。

私も土曜日の夜に入手したばかりで、まだ全部読めていないのですが、思わず苦笑してしまったのは大森氏の英国紀行のファルマスのところ。
ここは言うまでもなくアレクサンダー・ケントのボライソー・シリーズの主人公の故郷ですが、ケント作品を読んだ人ならやはり、ボライソー家はファルマスのどこら辺にあったのか?と考えるでしょう。
私もむかしファルマスに行った時に、同じことを考え、原作を読み込んで、同じように推理し、同じ結論にたどりついて、岬の付け根の坂を上った先にある住宅地にたどりつきました。
うーん、大森氏と推理が一致したということは、やはりこの高台の住宅地がボライソー家屋敷跡地の第一候補だと言うことですね。


ちょっと古い写真ですが、これがその住宅地。
昔と違って領主の屋敷(邸宅)があるわけではありませんが、現代基準でも高級住宅地と言えるでしょう。


大森氏の旅行記にもある、ペンデニス城から緑の斜面と美しい弧を描く水平線。

今回の旅行記を読んで興味をそそられたのは、コーンウォールのチャールズタウンという港町。
ここは18世紀の港町をそのままに残した船溜まりがあり、ここはよく歴史映画のロケに使われるとのこと。
現役帆船を多数所有する民間企業が、航海のリクエストにも応じてくれるとか。
ここの帆船はTVドラマ「ホーンブロワー」のロケにも使われたそうですよ。
ちょっと行ってみたいですよね。皆でツァーを組んで、その会社にたのんで帆船を出してもらってここからイギリス海峡に1日航海など出来たら最高かもしれません。


2008年11月09日(日)