2005年05月31日(火)  G-up presents vol.3『Deep Forest』

川上徹也さんに紹介された赤沼かがみさんの演劇プロデュース会社G-upのプロデュース公演vol.3『Deep Forest』を観る。

『金魚鉢の中で』(2004年10月9日)のほさかよう脚本、『お父さんの恋』(2005年3月26日)の板垣恭一演出の顔合わせ。童話『ヘンデルとグレーテル』を下敷きにした物語がどこへ向かっていくのか、観客も深い森に投げ込まれ、結末という出口を探っていく。

お菓子の家。魔女。迷子の兄妹。出てくるモチーフは覚えのあるものなのに、登場人物に背負わせるものを加えたら、まったく新たな物語が生まれる。「キャラクターづけが脚本の命」のお手本のよう。27才のほさか氏、前作よりさらに力をつけているようで、ますます楽しみ。

役者さんは女性の三人がとくに光っていた。魔女役の楠見薫さん、抜群にうまい。見得を切ったりすごみをきかせたりのメリハリ芝居の末に見せたラストでの微笑みは本当に美しく神々しかった。川上さん脚本の『隣のベッド』(2002年10月12日)で外国語ペラペーラの一発芸演技が強烈だった人だ、と途中で気づく。グレーテルとエデンの2役はナイロン100℃の新谷真弓さん。とにかくキュートでずっと見ていたいキャラクター。一緒に観た女優・鈴木薫いわく「あの役は一歩間違えたらイヤミになるから、相当の力ですよー」。ナイロン、ますます観たくなる。チラシの束の中にあった劇団健康(ナイロンの前身)の12年ぶりにして第15回公演『トーキョーあたり』も気になる。魔女の友人役・劇団扉座の伴美奈子さんも、いい人と悪い人のぎりぎりのところをうまく演じていて、目が離せなかった。

謎の男に演劇集団キャラメルボックスの細見大輔さん。この顔には見覚えが……テレビかな。上杉祥三さんプロデュースの『BROKEN ロミオとジュリエット』で露見央、『クレオパトラの鼻』(2004年1月28日)で大黒天だった井之上チャルさんは、エデンのやんちゃな友人役。最初は少年に見えなかったのに、だんだん少年にしか見えなくなってきたヘンデルはChintao Record山中崇さん。山中さんと村人の小橋川健治さん(絶対王様)は『やわらかい脚立』(2005年3月11日)で拝見。

村人の松嶋亮太(tsumazuki no ishi)、川渕良和さんのお芝居は多分初めて。差別化が難しい村人役だけれど、三人の台詞のたたみかけで村の世論が暴走していく怖さを表現していた。全員がはまり役。

上演は新宿スペース107にて6月5日まで。チケットまだ余裕あるようなので、ぜひ。

2002年05月31日(金)  ワールドカップ
2001年05月31日(木)  2001年5月のおきらくレシピ
1979年05月31日(木)  4年2組日記 先生ずるい


2005年05月30日(月)  脱力系映画『イン・ザ・プール』

■渋谷シネセゾンにて『イン・ザ・プール』を観る。『ジェニファ 涙石の恋』でご一緒したプロデューサーの橋本直樹さん、佐々木亜希子さんが手がけた作品。奥田英朗さんの原作は読んでいないが、月刊シナリオに掲載された脚本が軽妙で楽しめたので興味をそそられた。平日の昼間にしては客席はほどよく埋まっていて、観客のボリューム以上の笑い声が起こる。百人しか入っていないのに二百人入っていると錯覚させるような反応の良さ。松尾スズキ扮する伊良部医師のとぼけ具合が脱力感を誘い、観客はつい肩の力を抜いてしまう。その結果、劇中に仕掛けられた笑いがことごとくツボにはまる図式。病んでるオダギリジョー、田辺誠一、市川実和子らもいい味で、真面目にやるほど笑いを誘う。脚本も手がけた三木聡監督の次回作は、『亀は意外と早く泳ぐ』。予告編は、どこかずれてる空気が漂っていた。こちらもプロデューサーは佐々木亜希子さん。

1979年05月30日(水)  4年2組日記 男子べんじょ


2005年05月29日(日)  『昭和八十年のラヂオ少年』を祝う会

「『昭和八十年のラヂオ少年』完成のお祝いをしましょう」と昭和三年生まれのお医者様、余語先生が会を設けてくださる。先生には時代考証からフーちゃんの病気のことからずいぶん相談に乗ってもらったので、こちらがお礼すべき立場なのだが、いつものように甘えてしまった。

先生の同級生のT氏、K氏とともに銀座ハゲ天本店へ。ハゲ天は余語先生と同じ昭和三生まれの創業七十五年。当初は『たから』の屋号だったが、初代がハゲ頭だったことから、いつとはなしに『ハゲ天』の名が定着したとか。「ハゲの天ぷら屋」と親しまれるうちに縮まったのだろうか。

T氏の奥様が留守のときにT邸で集まる「洗濯の会」(「鬼の居ぬ間に洗濯」にちなみ今夜命名)で何度かご一緒しているK氏は、元NHK記者。音だけの取材時代、自分で8ミリを回して編集した時代など、この方の経験自体が生きる放送史だったりする。ちなみにラヂオ少年の感想は「前半があわただしくて入り込むまでが大変でした」とのことだが、後半はお楽しみいただけた様子。

知的好奇心旺盛、それでいて三者三様の視点を持った三人と話していると、わたしの知らない引き出しが次々と開き、次は何が飛び出すのかと楽しくてしょうがない。わたし自身の備忘録も兼ねて、今宵の話題を書き記しておこう。
【女流画家・三岸節子の生きる力】
19才で画家の三岸好太郎と結婚。彼も才能に溢れていたが31才で病死。夫の女性関係に悩んでいた節子は「これで生きていかれる」と言った。今よりも女流画家にとって逆風の時代に絵で身を立て、60代後半で渡仏、20年のパリ暮らしを経て帰国。93才で亡くなるまで絵筆を握る。絶筆となった『さいた さいた さくらが さいた』にも生命力がみなぎっている。先日の展覧会を見たT氏は「さくらさくらの絵を見る人々を見ていたんですよ。そしたら、皆さん、ふっと微笑まれるんですね。よく最後まで描ききった、生ききったなって顔で絵を見るんです」。

【植草一秀元教授の手鏡覗き事件は冤罪か否か】
手鏡で女子高生のスカートの中を覗いたとして逮捕され、早大大学院の教授の職を失った植草一秀氏の経済講演会に出席したT氏の目的は、「彼が本当にあんなことをしたのか見極めるために、彼の話を聞きたかった」。逮捕激は、植草氏の反対派が彼を貶めるために仕組んだものとする主張について、T氏が持ち帰った講演会の資料をもとに「植草氏の唱える経済論がそれほど危険なものかどうか」を議論するが、資料の内容は別段過激とは思えない。冤罪であれば怖いが、真実は本人にしかわからない。

【信濃デッサン館と無言館】
余語先生と出会った直後に館長である窪島誠一郎氏の本を借り、深い感銘を受けた『信濃デッサン館』が資金難のため閉鎖されるというニュースを聞いたのですが……とわたしが振ると、「まだご覧になっていないですか。日帰りでもすぐ行けますよ」と余語先生。先生に言われて行ったというT氏は、デッサン館はもちろんのこと、無言館の作品の力に圧倒されたとか。「これから出征する者が生きた証を残そうとする気迫がこもっていて、あれを見た後に銀座の画廊に行っても何も感じませんでした」。

【陪審員と裁判員と調停員】
翻訳劇を観に行って途中で出てきた余語先生とT氏が「アメリカの村々をめぐる話をそのまま訳したって、日本人にはどこがどこだかさっぱりわからない」。「翻訳したものを日本を舞台にした形に脚色すれば面白かったかもしれません。でも、『十二人の怒れる男』は半世紀も昔のアメリカが舞台なのに、陪審員たちの心理劇の面白さで楽しめましたね」とわたし。そこから裁判員の話になり、自分に回ったらどうしようと議論。そういや家庭裁判所などでは裁判官とペアになって示談交渉などを進める調停員という職業があって、元同僚がやっていますよとK氏。もしかしたらネタになる話が聞けるかもしれませんよということで、ネタになるかどうかはともかく、今度皆でその調停員氏を囲みましょうと話す。

【ハンセン氏病の誤解】
穏やかな余語先生、ハンセン氏病の話になると熱い。先日も熊本の隔離施設を見学した際、案内の人が施設の歴史についてあまりに不勉強なことを叱責したとか。「そういえば、ハワイの隔離施設に住み込みで働いていた神父が感染し、死亡したという実話に基づいた芝居が以前上演されましたね」とわたしが言うと、もちろんご存知で、「あれはけしからん芝居です!」と一喝。「大人が感染する確率は極めて低く、本当にハンセン氏病だったのかも疑わしい。そのことを台詞で断らなかったあの舞台は誤った認識を植え付けてしまった」と劇場側に抗議したところ、応対した担当者は「そのような事実は知りませんでした」と回答したそう。余語先生、シネスイッチで観た『愛の神エロス』についても「あの劇場があんなものをかけるとは!」とご立腹だった。

【岩波ホールの『山中絵巻』】
岩波ホールというのは面白い映画をかけますねーという話になり、余語先生は先日観た『山中絵巻』を紹介。牛若丸と常盤御前の母と子の物語を描いた絵巻にストーリーをつけ、映画で絵巻を鑑賞するという試みが面白そう。今かかっている『ベアテの贈りもの』は、日本国憲法の草案作成の際に「男女平等」の文言を加えたベアテ・シロタ・ゴードンの生涯をドキュメンタリー映像を交えて描いたもの。「あれは観てみたいですね」と皆興味津々。

【高層マンションと生活のにおい】
高層マンションの16階に引っ越したK氏。窓を開けると東京湾が一望できる。「でも、生活のにおいが上がってこないんです」。子どもたちの声、物売りの音などが聞こえて来ず、日々の営みははるか下にあって不思議な感覚なのだとか。俗世間と切り離された21世紀の仙人とでも言おうか、この台詞、何かドラマのにおいを感じる。

【超高齢と東京都シルバーパス】
「われわれはチョー高齢なんですよ」と誇らしげなお三方。「え、そんな言葉あるんですか?」。チョーと言えば若者の言葉だと思っていたが、「超高齢」は役所などでも普通に使われているのだとか。なんだか超高速みたいでカッコいいですねと話す(家に帰ってネットで調べると、超高齢の定義はあいまいで、85才以上、90才以上と様々。75才は超がつくにはまだ若いのでは)。東京都では70才を超えると、都営バス・地下鉄・都電に乗り放題のシルバーパスの交付を受けられるが、非課税者は年間1000円で購入できるのに対し、富める課税者は「年間2万ン千円も取られるんです」と余語先生。ほとんど毎日外出し、十分元は取っていると思われる。

他にも「除細動器」「乗馬」とあっちの引き出し、こっちの引き出しが次々と開き、食事を終えても話は止まない。わたしはよく覚えていないが、余語先生にはじめて会ったとき、「わたしに刺激をください」と口走ったらしい。その一言を強烈に覚えている余語先生は、いつも「いい刺激になりましたか」と聞いてくれる。今宵もたっぷりいただきました。

2004年05月29日(土)  幸せのおすそわけ
2002年05月29日(水)  SESSION9
1979年05月29日(火)  4年2組日記 お母さんのおてつだい


2005年05月28日(土)  このごろの通販ショッピング

■去年、西武百貨店の子ども服売場で一目惚れしたスペインのアガタルイス(ルイーズ?)デラプラダのお店がなくなって嘆いていたら、先日せらママが「通販で買えるとこ見つけたわよー」と教えてくれた。ヨーロッパの子供服を集めたオンラインショップVIOLETTAを早速のぞいてみると、わたし好みのハートと色があふれた服があるある!7色ハートのトップスにハート鷲づかみ。去年買ったワンピースが12才サイズだったので大丈夫かなと思いつつ、サイズについて問い合わせたところ、「14才サイズなら余裕だと思います」と親切な返事が来て即決。包装もシンプルだけど可愛くて、「感じのいいお店」。6月には新作入荷とのことで、また誘惑されそう。


■同じくせらママに「今井さんが日記で紹介してたバッグ可愛いよねー」と言われて、ひさびさにBG SHOPをのぞいたら、60〜70年代のオランダのデッドストック生地で作った花柄トートに釘付け。ヴィヴィッドでいてどこか懐かしさを覚えるデザイン。雑誌も楽々入るサイズで、シナリオやら資料やらを持ち運ぶのにうってつけ。BG SHOPの別館、FREE BG SHOPは無料のWEB素材集。雑貨同様、センスのいい壁紙やボタンが充実。いまいまさこカフェは大変お世話になってます。

イマージュは学生時代から愛用している通販ブランド。神戸発らしい元気な色使いと遊び心のあるデザインが魅力。インナー中心だった昔に比べると、アウターは帽子から靴まで取り揃え、雑貨ラインナップもぐぐっと充実。季節ごとに届くカタログを眺めていると、欲しい物だらけで困るので、気になる商品のページの耳を折って、時間を置いて再検討して、やっぱり「欲しい!」ものをネットから申し込む。今回は金平糖柄のワンピース(7900円)とストライプスカート(5900円)とスリッポンタイプのらくちんシューズ(1900円)を購入。デザインだけでなく、お値段も可愛め。

■通販ショッピングではないけど、プレゼントで当選したジュスカのジャケットも到着。成宮会長のブログ目当てにサイトを訪ねた際、途中にあったプレゼントコーナーに寄り道して応募。サイトに掲載されていた写真もステキだったけど、届いた実物を見て、「こんなジャケットが欲しかったのよー」と万々歳。花の刺繍、ハートのスティッチ、花柄生地のパイピングとかなり凝ったつくり。お世辞抜きで、ここの服はフォルムといい小ワザ使いといい、わたしの理想を形にしてくれてます。ジュスカのお求めはこちらのショップにて。

2004年05月28日(金)  日本映画エンジェル大賞授賞式
1979年05月28日(月)  4年2組日記 がっけんのふろく


2005年05月27日(金)  『シンデレラストーリー』@ル テアトル銀座

元同僚で、コンクール応募時代のご意見番で、お芝居大好き友達のアサミちゃんとひさびさに舞台鑑賞。ル テアトル銀座にて、ミュージカル『シンデレラストーリー』。演出は、昔むかしアサミちゃんとパルコ劇場の客席から転げ落ちそうになるほど笑った三谷幸喜脚本『君となら』を手がけた山田和也。

脚本は鴻上尚史、音楽監督は武部聡志。『君となら』ではコメディエンヌぶりが光っていた斉藤由貴が作詞。さらに『君となら』での演技が今でも強烈な印象を残している宮地雅子が意地悪な姉役で出演と期待の高まるスタッフ、キャスト。開演時間前から客席を登場人物たちが走り回り、「チャールズ王子様ぁー」と大捜索大会。いつの間にか明かりが落ち、物語に引き込まれる。

ストーリーはわかりやすく、随所にギャグがちりばめられ、脚本も演出も出演者も笑わせよう楽しませよう精神を大いに発揮。素直に笑顔で楽しめるハッピーな作品だった。基本の流れは有名なあの童話をなぞりながら、「シンデレラと継母&姉たちとの関係は?」「シンデレラはなぜ上手に踊れたのか?」「12時の鐘が鳴り、魔法が解けても、ガラスの靴だけは消えなかったのはなぜ?」「魔法使いは何者?」などの素朴な疑問に鴻上流解釈で答え、原作を上手に膨らませている。

シンデレラの大塚ちひろ、チャールズ王子の浦井健治は、お姫様王子様がぴったりな初々しい二人。『お父さんの恋』で隣人の医者役だった池田成志が演じる継母ベラドンナはインパクト大。1番目の姉オードリーの宮地雅子、2番目の姉ジェシカの森若香織とともに、意地悪トリオの出番は歌もダンスもギャグもはじけていてパワーがあった。

一人三役(この三役を同じ役者が演じることにも意味がありそう)のデーモン小暮閣下はさすがの存在感。個人的には宮廷大臣ピエール役の橋本さとしがツボに来る。観客をしっかり引きつけ、確実に笑いを取っていた。プロフィールを見ると、1995年の『ロッキーホラーショー』でエディーとスコット博士の2役を演じている。わたしが見た1997年版で安岡力也が演じた役。橋本さとし版も観てみたかった。

休憩をはさんでカーテンコールまでたっぷり3時間。ラストの披露宴のシーンで観客がルミカライトを振るという情報を事前に仕入れていたのだが、家にたまたま赤と黄の2本が転がっていた。これ幸いと持参し、アサミちゃんと1本ずつ持ったのだが、ポキッと折っても光り出さない。どうやら使用済みだった様子。

1979年05月27日(日)  4年2組日記 みんないっしょに


2005年05月25日(水)  オペラに恋して〜愛ラブ3テノール

浜離宮朝日ホールにて『オペラに恋して』を鑑賞。『愛ラブ3テノール』のサブタイトルがついていて、案内役も務めるメゾ・ソプラノの郡愛子と若手テノールの藤川泰彰、経種廉彦(いだねやすひこ)、小貫岩夫が競演。テノールの3人を「オペラ界のアラン・ドロン(経種)、松平健(小貫)、ヨン様(藤川)」と紹介して笑いを取り、「若い男性に囲まれて、とっても幸せ。今夜は化粧も厚めです」とおどける郡さんの司会は相当面白い。3人に直撃インタビューするコーナーでは、「3大テノール」と持ち上げる郡さんに「3人テノール」と遠慮し、かと思うと、「テノールはモテます」と大きく出るテノールの3人の話も楽しかった。大柄なピアノの河原忠之さんも、「私がいちばん声楽家っぽいですね」「私がピアノだと歌い手が細く見えます」とお茶目。曲目は、オペラにはとんとなじみのないわたしが聴いても「ああ、聴いたことある」と思えるメジャーなものが中心で、とっつきやすい。イタリア語やフランス語の歌詞の内容がわかればもっと入り込めるのにとも思うが、歌詞がわからないのに声の音色だけで心を震わせてしまうのはすごい。メゾ・ソプラノやテノールの高音を浴びていると、しびれるようないい気持ちになる。
第1部 テノールの魅力
フェデリーコの嘆き チレア「アルルの女」より
春風よ、なぜ私を目覚めさせるのか マスネ「ウェルテル」より
誰も寝てはならぬ プッチーニ「トゥーランドット」より
苦しみの快楽 チレア「アドリアーナ・ルクヴルール」より
星は光りぬ プッチーニ「トスカ」より
昇れ太陽よ グノー「ロメオとジュリエット」より
花の歌 ビゼー「カルメン」より
ジプシー・ソング ビゼー「カルメン」より
第2部 オペレッタのように
ヴィリアの歌 レハール「メリー・ウィドウ」より
ウィーンわが夢の街 ジーツィンスキー
君はわが心のすべて レハール「微笑の国」より
マッティナータ レオンカヴァッロ
恋は永遠に バーンスタイン「ウエスト・サイド・ストーリー」より
グラナダ ララ
メリー・ウィドウ・ワルツ レハール「メリー・ウィドウ」より
■1部と2部の休憩時間は、またの名を「ワインタイム」。協賛企業各社より飲み物とお菓子のサービス。デメルさま、日本製粉さま、ネスレさま、ペルノ・リカールさま、ごちそうさま。お酒も入って眠気に襲われたら大変と思いきや、第2部は日本語の歌詞の歌もあり、アンコールの『オー・ソレ・ミオ』まで身を乗り出して聞き入ってしまった。なんだ、オペラってこんな風に肩の力を抜いて楽しめるものだったのね。一晩でオペラがぐぐっと身近になった感じ。■郡愛子さんとは先日、あるパーティーで同席した。何人かのテーブルで話しているときに、わたしのほうを見て、「そちらのかわいい方はどなた?」と声をかけてくださったので、いっぺんに好きになってしまった。お世辞を言われたからではなく、そのような言葉をさらっと使える人柄に惚れた。そのときも他のゲストにせがまれて歌を披露してくれたが、日本を代表するメゾ・ソプラノ(「オペラ界のゴッドマザー」の呼び声も)だったとは存じ上げなかった。そんなオペラど素人のわたしを今夜のコンサートに誘ってくれたのが、同じパーティーで知り合ったナルミヤインターナショナルの成宮俊雄会長。「エンジェルブルーのジーンズはいてますよー」と話しかけたら、陽気でノリのいいおじさまで、フランス映画が好きでフランス語を勉強していて、ナルミヤのお姉さんブランドにJusqu'a(ジュスカ)と名づけたとか、『ジェニファ』の三枝監督から話を聞いていた六本木男声合唱団にいて、『鉄人28号』の主題歌を歌って初日の舞台挨拶で歌ったとか、話がどんどんつながって意気投合。興味を持ったものにはどんどん首を突っ込む方と見えて、オペラ鑑賞も数ある趣味のひとつのよう。パーティーが取り持つ縁ということで、似た者同士の匂いを感じたわたしに声をかけてくださった様子。ありがたく、ぜいたくな時間を楽しませてもらった。

2003年05月25日(日)  レトルトカレーの底なし沼
2002年05月25日(土)  イージーオーダー
1979年05月25日(金)  4年2組日記 おかあさんが帰ってこれるか


2005年05月23日(月)  ミヤケマイ/ミヤマケイ展『花よりだんご』

先日、ミヤケマイ展『花よりだんご』を見た。屏風に覗き穴(目の部分)があったり、おみくじ引く箱が作品になっていたり、いつもながら旺盛な遊び心とサービス精神。会場の銀座・版画廊からは初のミヤケマイ画集も出る。いつも絵葉書や便箋止まりで、いまだ壁に飾る絵は買えないでいるけれど、画集は予約。先月は上海での個展を成功させ、冬には大阪(12月7日〜13日 梅田阪急美術画廊)、ニューヨーク進出話もあるとか。そんな折、「今井さんのお友達のミヤケマイさんは、ミヤマケイさんと同一人物ですか」といまいまさこカフェのお客様より質問が来る。え、どういうこと?と「ミヤマケイ」で検索すると、出るわ出るわ。「ミヤマケイ展」と堂々と出ている。中には同じページに混在しているものも。ミヤケマイとミヤマケイ。確かによく似ている。ベン・ジョンソンとジョン・ベンソン、どっちが正解だかわかんなくなってしまった感じにも似ている。本人に聞いてみたところ、「40%ぐらいの人がミヤマケイっていう男性だと勘違いしているみたい」とのこと。二つの名前が流通して混乱を起こすのも有名になった証拠だなあと妙なところで感心。「今井雅子さんといまいまさこさんは同一人物?」と聞かれる日が来るよう、セブンイレブンの新茶予約でもらったミヤケマイ開運湯呑みに願をかけよう。

1979年05月23日(水)  4年2組日記 とみさわくん


2005年05月21日(土)  『サッシペレレ』でサンバナイト


サンバミュージシャンでもある同僚のミチコ&ヘナート夫妻に誘われ、ブラジルの料理と音楽を楽しめる四谷の『サッシペレレ』へ。数か月前、大学のチア時代の後輩・ユキ嬢が「サンバカーニバルの女王やってます」とメールをくれたので、「G.R.E.S. Imperio do Sambaってチーム知ってる?」とミチコに聞いてみたら、サンバの世界が狭いのか、ミチコの顔が広いのか、「友達のダミオンのとこだ」とあっさりつながった。「じゃあ今度、ダミオンのバンドがライブやるとき誘うよ」というわけで今夜のサッシペレレとなった。ユキ嬢も誘おうとしたら産休とのこと。産んでますますパワフルに踊ってくれそう。

ミチコ夫妻、ミチコの妹夫妻、わたしとダンナ、うちの会社の英会話教師Davidの7人でテーブルを囲む。料理もお酒もブラジル。ライムをすりつぶし、砂糖を足して飲む粗いブランデーも本場な気分。聞こえてくるのは本場仕込みのサンバ。音は熱いのに、ずっと聴いていても疲れない心地よさがある。ダミオンによる打楽器ソロは「達人!」と呼びたい境地。竹ひごを布でこすって音を出すクイーカで音階から人の声(NHKの教育番組「できるかな」のゴン太君の声はこの楽器の音だとか)まで表現したり、フライパンを楽器にしたり。座席でペットボトルマラカスを振っているうち、ノリの良いリズムとサンバ嬢(土曜の夜に登場するのは珍しいとか)に誘われ、一緒に踊る。ぎっくり背中爆弾を抱えるわたしは、おそるおそるステップ。昔は周囲が呆れるほど激しく踊ったものだけど、隔世の感。

2005年2月26日 ブラジル物産展

1979年05月21日(月)  4年2組日記 水やり


2005年05月20日(金)  『シェ・ルネ』→『ラ・ボエム』8時間の宴

先日、宮崎美保子さんちに行ったときに銀座のフレンチ『シェ・ルネ』の話題になり、ひさしぶりに行きたいなーと思ってたら、願いは通じるもので、会社の女子部飲み会が「ルネでやります」ということになった。しゃべり出したら止まらないクリエイティブ部署のツワモノどもが十数名。同時多発的に話題を提供し、爆笑と悲鳴が交互に起こり、「静かにしてくださいます?」と他のテーブルから注意が入る。騒ぐお店じゃないのはわかりつつも、お酒がおいしくて、女子部会はますます陽気な集団に。ちょうど銀座で飲んでいた美保子さんのグループも来店。美保子さんと飲んでいた男性が、わたしの隣に座っていた後輩コピーライターが元いた会社の上司とは、世の中狭い狭い。美保子さんが家族のようにおつきあいしているというルネのママとちいママのお嬢さんともお話しできた。

ラ・ボエムに全員移動した女子部集団は、さらにパワーアップ。店内でダントツにかしましい一角を形成する。どこぞの偉いさんを自称する男性が近づいてきて、「君たち、華やかだけど、日本人?」。何ジンに見えたのだろうか。「六本木で飲むときは俺の名前出していいよ」と、背がすらりと高くて目立つ美人のM子に名刺を差し出したが、その名刺が「こーゆー人だってさ」と集団を回遊しはじめたのを見て、「返せ!」とあわてて取り返しにかかった。あの名刺、六本木でどれぐらい威力を発揮するのか、興味はある。ここ数年、いつも締め切りに追われていて、会社の女の子たちと飲みに行く機会も減る一方だったのだけど、ひさしぶりの本音ガールズトークは大失恋話あり、シモネタありで、一晩でいくつもの物語が書けそうなネタの宝庫。わたしに足りない悪女系ネタは、とくに勉強になった。「自分を振った男のことを恨み続ける」悪魔キャラと「自分を振った男の幸せを願う」天使キャラのやりとりは、そのまま台詞に使えそう。天使VS悪魔を書くときは彼女たちをモデルにしよう。8時から4時までしゃべり続けて、声が出なくなった。

2002年05月20日(月)  ともだちの写真集デビュー
1979年05月20日(日)  4年2組日記 はちがみねキャンプ場


2005年05月19日(木)  鬼界浩己事務所公演『グレートエスケープ』

■鉄カフェ第1回公演ぶりの銀座小劇場で、友人・鈴木薫が出演する『グレートエスケープ』を観る。彼女とはちょくちょく芝居を観に行く仲だけど、彼女が舞台に立っているのを見るのは、はじめて。堂々たるコメディエンヌっぷりだったが、もともと面白いキャラなので、あまり素顔とのギャップはない。むしろ、舞台メイクがよく映え、ドレスもよく似合う姿に、「やっぱり美人なんだー」と思ったりする。目当ての鈴木薫はもちろん他のキャストも個性派ぞろいでストーリーもよく出来ていて、掘り出し物に出会えた気分。登場人物は5人の男と4人の女。9人の立ち位置がぐるぐる入れ替わり、何がどうなっているのかわからないのだが、冒頭の「戦争もの映画しりとり」から台詞のテンポがいいので引き込まれて見ているうちに、だんだん9人の中にヒガシヤマ(鬼界浩巳)とクニコ(鈴木薫)、ニシグチ(坪井一広)とモモコ(山口千晴)、ミナミノ(下山栄)とナナエ(海野真里子)という3組の夫婦がいて、どうやら欠陥を抱えた夫たちを矯正する役割をハシラ(大滝明利)とアタリ(古郡雅浩)が担っていることが見えてくる。そこに加わるミサキ(橋本きよみ)は、矯正する側なのかされる側なのかあいまいな存在であり、物語は観客を裏切ったりはぐらかしたりしながら次々と新たな展開を見せていくのだが、やはり台詞の面白さで脱落者を出さずに引っ張っていく。これを書いた山下まさるさんは気まぐれ倶楽部という劇団の脚本・演出の人のよう。鬼界浩巳(きかいひろき)事務所ともども、他の作品も気になる存在。演劇の世界は、ほんとに広くて深い。

1979年05月19日(土)  4年2組日記 大きなこぶ

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