2015年02月20日(金)  つなげる・つながる三連発@舞鶴・日星高校

いつかいつかと言っているうちは実現しない。
先延ばしの呪いを解く方法は、「いつか」の「か」を後ろにずらすこと。
「いつか舞鶴講演をやりましょう」と数年言い続けた後に、
「いつ舞鶴講演をやりましょうか」と具体的に相談を始めて、2013年の秋に地元舞鶴の有志の方々がアイデアとてまひまを持ち寄った手作りの「いまいまさこカフェ in舞鶴」が実現した。

そこに聞きにいらしていた西舞鶴にある日星高校の水嶋純作校長が「次は、ぜひうちの学校で話してください」と言ってくださり、昨年秋のオープンスクール(オープンキャンパスの高校版)に呼んでいただいて、日星高校に興味を持つ中学生のみなさんを中心に講演とワークショップに参加していただいた。

このとき初めてお会いした竹内万里子教頭(教頭先生は男性と女性お一人ずつ)が「次は、うちの生徒向けに話してください。牡蠣シャワー降らせますから」と口説いてくださった。
その場の勢いの口約束ではなく、その後も熱心にご連絡くださり、年末には手作りのぽん酢やロースハムを贈ってくださり、胃袋まで勧誘していただいて、3年連続の舞鶴講演が実現することになった。

今回は、在校生向けに講演とワークショップ、先生向けにもワークショップという3コマ連続で。

講演では、高校1、2年生を前に「脚本家はつなげるのが仕事」で「今の仕事が次の仕事につながる」ことを作品とともに紹介。脚本作りは接点探しから始まる。講演もまた同じ。「かつて高校生だったわたし、と、いつか大人になるあなたたち」という接点を意識してお話しした。

終始熱心に聞き入る子。興味のある話とない話で背中の角度が変わる子。うとうとしている子。反応はさまざま。45分の講演の中から、たったひとつでもこれからにつながる何かを持ち帰ってもらえたら、と願うばかり。

続いてのワークショップは1年1組と2組の子たちが教室から机と椅子を持ち込んで。講堂に教室が引っ越ししたような面白い眺め。「鳥獣戯画からドラマを作ろう」と題して、「(カエルは)なんで倒れてる?」「(サルは)なんで走ってる?」というハテナを投げかけることで想像をめぐらせてもらうグループワーク。昨年秋に堺市立新浅香山小学校で行ったワークショップと内容は同じ。わたしの小学二年生の娘が考えたストーリーを先に紹介して、「小学生より面白いこと考えてね」と発奮をうながしてみた。

小学生のときは「サルがカエルをいじめて逃げた」と考えたグループが多かったのだけど、高校生では「サルが盗みを働いて逃げた」と考えたグループが続々。でも、その盗みの内容はそれぞれ違うし、カエルが倒れたのも「仲間割れ」だったり「バク転で失敗した」だったり。

逃げているサルに「ジョニー」と名前をつけた男の子がいて、彼の妄想のぶっ飛び具合は、抜群だった。「場所は大阪っぽい砂漠」という表現からして、そそられる。「大阪っぽい砂漠ってどういう感じ?」と質問すると「たこ焼き型のピラミッドがある」と即答した瞬発力もさすが。そんな世界を駆け抜けるジョニーが盗んだものは「たらこ」。普段の授業では先生方も気づいていないかもしれないカラフルでカーニバル脳内宇宙を垣間見られた。



続いては、同じワークショップを先生方向けに。トランプを引いて4人一組の7グループに。

学校の先生の発想の豊かさとノリの良さには前々から感心していたけれど、日星高校の先生方ものっけからノリノリで面白がって取り組んでくださった。

「カエルはなんで倒れてる?」と問えば、「デッドボールを受けた」「原発事故から避難中に転倒した」「貴重なヘソをもぎ取られた」「運動会で第四コーナーを回りきれなかった」「万能な黄金の苗を手に入れたのに猿に奪われ絶望している」「うさぎ引っ越しセンターの引越し中に脳梗塞で倒れた」「仲間外れの猿が人気者のカエルに嫉妬して、カエルのぶら下がっている枝を追った」「酒を飲まされて二日酔い。飲ませた兎が猿に濡れ衣を着せようとしている」と7グループ7色、虹色の個性が光る「!」が返ってきた。

それぞれの発想から台詞を膨らませた実演発表も、ぶっつけ本番とは思えない完成度。なにせ毎日生徒を前に舞台に立っているわけなので、学校の先生の舞台度胸というのは大したもので、発表慣れしているし、声も大きいし、そこらの役者のワークショップよりも役者がそろっている。先生方の熱演を生徒に見せたら、「同じお題でこんなにいろんなお話が作れるのか、ここまで飛べるのか」と驚いてもらえるのではないだろうか。

日頃の教員研修とは趣の異なるワークショップで先生方も普段使わない脳の筋トレができた様子。大切なのは、この体験をどう次につなげるか。「投げる『?』を工夫すれば、面白い『!』が返ってくるかもしれない」という発見を、生徒達との関わりにどう活かしていくか。

質疑応答では「グループの中で意見が分かれたとき、どうまとめるのか」という質問があった。異なる意見のぶつかりあいが化学変化を起こすことで、石ころは磨かれ宝石になるのだけど、交通整理がうまくいかないと衝突、分裂で終わってしまう。慣れるまでは先生が進行役をつとめてクラス全体でアイデア出しをするか、グループごとに先生がつく必要があるかもしれない。大事なのは、自分と違う意見を否定しないこと、自分の意見を押しつけないこと、異なる意見からの新発見を楽しむこと。

アイデアを上手に「拾う」「つなぐ」ことができるチカラは、自分と異なる人と互いを尊重しながら渡り合うチカラになる。「石ころだからつまらない」のではなく「どこをどう磨けば光るだろう」と考えるだけで、宝の持ち腐れは宝の山に変わり得る。アイデアも、人も、クラスも、学校も。そのことを実践で試すことができるのは現場にいる先生達。今日のワークショップの石ころがこれからの学校生活のさまざまな場面で磨かれますように。



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