2007年01月02日(火)  新年の掘り出し物『クリスマスの笑顔』

去年のクリスマスの頃、「あれはどこにしまったっけ」と古いファイルの掘り出し大会をやった。あれというのはずいぶん前に見つけた「クリスマスの笑顔」について書かれた英語の詩。コピーライター時代に「Smile」に関する言葉を集める作業の中で見つけたもので、とても気に入ったので出典を調べたところ、何十年も前にニューヨークの老舗デパートが出したクリスマス広告のコピーらしいことがわかった。原文をファイルにしまっておいたはずなのだが見つからず、そのままクリスマスは終わり、年を越した。

昨日いまいまさこカフェに「2002年6月25日の日記に書かれているSnuggleという詩をホームページで紹介したい」と書き込みがあった。自分でも忘れていたのだけれど、留学時代のホストマザーから送られた詩に訳をつけて紹介していたのだった。

日記を掘り返してみると、他にもFriends(何日かに分けて紹介)、HEAVEN'S VERY SPECIAL CHILD(天国の特別な子ども)、If I had my child to raise over again(もしも、もう一度子育てができるなら)といった英語詩に再会する。

それで、懸案のSmileの詩を思い出し、発掘作業を再開。無事、"The Value of a Smile at Christmas "を掘り出すことができた。出典はDale Carnegieの本"How To Win Friends Influence People"となっているが、カーネギーさんはこの詩を掲載した本の著者で、コピーライターは別だろうか。広告といえば「うちの店員は笑顔が自慢」という直球アプローチになりがちだが、普遍的な笑顔のすばらしさ(わが子の笑顔に癒される今、とくに共感)を説いた上でお客様の笑顔を持ち上げるコピーワークが秀逸。

2006年から持ち越した宿題を仕上げるきっかけをくれた大阪の英語教師・小沢先生に感謝。偶然わたしの日記にたどり着かれたようだが、わたしの弟の勤務する高校の先生という面白いめぐりあわせに、思わずスマイル。

The Value of a Smile at Christmas

It costs nothing, but creates much.
It enriches those who receive, without impoverishing those who give.
It happens in a flash and the memory of it sometimes lasts forever.

None are so rich they can get along without it,
and none are so poor but are richer for its benefits.
It creates happiness in the home, fosters good will in a business,
and is the countersign of friends.
It is rest to the weary, daylight to the discouraged, sunshine to the sad, and Nature's best antidote for trouble.

Yet it cannot be bought, begged, borrowed, or stolen,
for it is something that is no earthly good to anybody till it is given away.
And if in the last-minute rush of Christmas buying some of our salespeople should be too tired to give you a smile,
may we ask you to leave one of yours?
For nobody needs a smile so much as those who have none left to give!

価値あるクリスマスの笑顔

元手はかからないけれど、もたらすものは大きい。
受け取った者は豊かになるけれど、与えた者は損をしない。
一瞬の出来事だけれど、いつまでも記憶に残ることもある。

どんなに金持ちでも、これがなければ生きていけない。
どんなに貧しくても、これがあれば豊かになれる。
家庭には幸福をもたらし、ビジネスでは善意を育み、
友達同士の合言葉になる。
疲れた者には安らぎとなり、落ち込んだ者には光となり、
悲しむ者には太陽に、悩める者には何より効く天然の解毒剤になる。
けれど、お金では買えない、無理強いもできない、
借りることも盗むこともできない。
それは、差し出されてこそ価値があるものだから。

クリスマスセールの追い込みで疲れきった店員のなかに
笑顔を忘れた者がおりましたら、
恐れ入りますが、お客様の笑顔を頂戴したく思います。
笑顔を使い果たした者ほど、笑顔を求めているのですから。

From Dale Carnegie's book: "How To Win Friends Influence People"
訳:今井雅子

2005年01月02日(日)  英国旅行7日目 生家と古城とリモニー・スニケット
2004年01月02日(金)  金持ちよりも人持ち
2002年01月02日(水)  パワーの源

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