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JIROの独断的日記
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2013年02月27日(水) 「火に包まれ飛び降りているのを見た…熱気球事故」←記事にデリカシーが無い。

◆記事:火に包まれ飛び降りているのを見た…熱気球事故(読売新聞 2月27日(水)12時8分配信)

【ルクソール(エジプト南部)=溝田拓士】普段は観光客を乗せた多数の気球が上がるルクソールの熱気球事故現場では

 27日早朝、前日朝には空に上がっていた気球の姿はなく、パトロール中の警察官を除き、人気はほとんどなかった。

ナイル川西岸にあたる現場一帯はサトウキビ畑が広がっており、半径約5メートルの範囲で、黒く焦げた跡が残っていた。

事故の気球のものとみられる焼け焦げたビニールの一部も残っていたが、バスケットやガスボンベの残骸は残っていなかった。

一方、事故の目撃者による海外メディアへの証言で、熱気球の中で引火した状況や

乗客が飛び降りるなどした当時の様子が明らかになってきた。

AP通信によると、事故を目撃した現場近くの農家は「旅行者が火に包まれ気球から飛び降りているのを見た。

火から逃れようとしていたが、体が炎に包まれていた」と語った。


◆コメント:記者の神経を疑う。遺族が読んだらどのような気持ちになるか想像しろ。

マスコミの人々はしばしば伝家の宝刀のごとく「真実の報道」などといいます。

この記事を書いた記者も、多分「真実だから、書いたまで」というのでしょうが、

亡くなった4人の日本人は、60代のご夫婦二組です。


詳しい事情はしりませんが、定年後、忙しい現役時代には行けなかった海外旅行。しかも、

日本から簡単には行けない、エジプト旅行を楽しみにしていた方々でしょう。

これまで、普通に生きてきた(と思います)方々が、遠い異国でよりによって熱気球で火だるまになってなくなった

という、酷い事実を、恐らく遺族の方々は、遅かれ早かれ知ることになるでしょうが、このような他人様(ひとさま)の

身に起きた、残酷な事実の詳細を文章にして、紙に刷って日本中に配る必要なない、と思います。


大衆の無責任で不謹慎な好奇心を煽り、新聞の売上げ部数が増えたら読売新聞は嬉しいのでしょうか?

このような記事を書く記者や、これを問題視しなかったデスクの神経、デリカシーを疑います。


私がこのような観点から新聞の「品格」を判断するようになったのは、亡父の影響です。

私が確か中学生か高校生の頃です。

日本国内だったか、或いは海外だったか忘れました。詳しい状況は覚えていないのですが、

非常に危険な冬山を登っていた、登山のベテランの集団が遭難しかけました。グループの1人は若い女性で、

足を滑らせて滑落したのですが、命綱を仲間が懸命に支えて、女性が谷底に転落するのを食い止めていました。

女性は殆ど、そのロープに宙づりの状態。

そのままでは、自分の重みで仲間まで滑り落ちる、と悟ったその若い登山女性は、

手を離して下さい。私はここで死にます

と、言い切りました。仲間とてそんなことは、もちろん本意ではないけど、そうしないと、

全員が谷底に引き釣り込まれそうだったらしい。しかし、とても仲間を見捨てて助かる気にはならない。

ついに、女性が、自らナイフでロープを切り、自らの命を犠牲にして

仲間を救った、と言う話でしたが、この記事を読んだ父が激怒しました。
馬鹿野郎、なんてことを書くんだ。(女性の)遺族が読んだら、どんな気持ちがするか・・・

というのです。子供心に、そこまで思いが至らなかった私は自分の無神経が恥ずかしいと思いました。

確かにその通りです。そんなことを、全国の人々が「知ることによるメリット」

或いは、「知らないことによるデメリット」、いずれも存在しません。下司(げす)な好奇心を充足させるだけです。

真実であっても書かなくてよいことは、この世に沢山、あります。

書かなければならない真実を書かず、書かなくても良いことを書く新聞は、要りません。

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