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JIROの独断的日記
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2011年03月16日(水) 「原発危機」の深刻さを示す「状況証拠」

◆全く原子力の知識はないが、状況から推定します。

私は、骨の髄から文科系です。

本来、人間を「理科系」「文科系」というような「二分法」で

分類すべきでは無いのですけど、この件に関し、私に関しては完全に

二分法の適用が可能であり、私は「文科系」です。

学生の頃は数学が大嫌いで、「何々を求めよ」とか「○○を照明せよ」とか

いう文字を見ると、

それが、どうだっていうんだ?

という、どの科目でも「それをいっちゃあ、おしめえよ」なのですが、

私は理科系に関してはどうしてもそうなってしまいます。

だから、「原子力とは何か」「核燃料とはなにか」「放射線とは何か」

を、説明出来ません。

しかし、分からないからといって黙って見ていられないですね。

かといって、福島原発事故の重大性を理論的に説明することは不可能。


しかし、自分が分からない、知らない分野での事故・事件に関して、

専門家達がどのような行動を取るか、どのような反応を示すか、

を、仔細に観察することによって、事の重大性を「推定」できます。

今日私が1日追った記事を並べる事によってそれを示します。


◆福島原発事故関連ニュース(2011年3月16日)

朝一番で、日本テレビ系列のウェブと日本経済新聞(以下「日経」)電子版が

フランスとアメリカの専門家が、福島原発は、危険度スケールで

最悪(チェルノブイリのみ)の「7」に次ぐ、レベル「6」と

判断している、と報じているのを見て、一遍に目が覚めました。

まず日経ですが。

以下、いずれの記事も色太文字は引用者である私によるものです。

◆記事:福島原発「レベル6接近、7の可能性も」 米研究所(日経電子版)(2011/3/16 9:04)

【ワシントン=弟子丸幸子】

米シンクタンクの科学国際安全保障研究所(ISIS)は15日の声明で、

福島第1原発の事故に関し、国際原子力事象評価尺度(INES)で

2番目に深刻な「レベル6に近づきつつある」との見解を示した。

最も深刻な「レベル7に到達する可能性も残念ながらある」とも指摘した。

ISISは、2号機での爆発や4号機建屋からの出火を受け「状況は大幅に悪化している」と説明。

「国際社会は緊急事態を阻止するため、日本への支援を強化する必要がある」と、

解決策を見いだすため各国の協力を呼び掛けた。

日本テレビは、
◆記事:チェルノブイリに次ぐ深刻な事故〜仏機関(2011年3月16日 6:19)

福島第一原発の事故について、フランスの政府機関が15日、チェルノブイリ原発事故に次ぐ深刻なレベルに当たるとの見解を示した。

原発事故の深刻さを示す国際的な事故評価尺度では、最も深刻なものがチェルノブイリ原発の「レベル7」で、アメリカ・スリーマイル島の原発事故は「レベル5」に位置づけられている。

日本政府は福島の原発事故を「レベル4」と見ているが、フランス原子力安全規制当局・ラコスト局長はこれを否定。「レベル6なのは明らかだ。スリーマイル島の事故とチェルノブイリの事故の中間だ」と述べた。

また、アメリカの著名なシンクタンク「ISIS」も「レベル6に近づいている」との見解を発表した。

一方、福島の原発事故を受けて、ドイツ・メルケル首相は15日、国内の原子炉17基のうち、古い7基を3か月間停止し、安全性を確認すると発表した。

両方の記事にISIS(Institute for Science and International Security:科学国際安全保障研究所)

の見解が載っていますので、原文を確かめます。
◆ISIS Statement on Events at Fukushima Daiichi Nuclear Site in Japan(March 15, 2011)

ISIS assesses that the situation at the Fukushima Daiichi nuclear plant has worsened considerably. The explosion in the Unit 2 reactor, the third so far, and the fire in the spent fuel pond in the reactor building for Unit 41 means that this accident can no longer be viewed as a level 4 on the International Nuclear and Radiological Events (INES) scale that ranks events from 1 to 7. A level 4 incident involves only local radiological consequences. This event is now closer to a level 6, and it may unfortunately reach a level 7.

A level 6 event means that consequences are broader and countermeasures are needed to deal with the radioactive contamination. A level 7 event would constitute a larger release of radioactive material, and would require further extended countermeasures. The international community should increase assistance to Japan to both contain the emergency at the reactors and to address the wider contamination. We need to find a solution together.

そして、外国が日本に住んでいる自国民を出国させる、或いは、本拠を

東京から別の街(大阪だったり、シンガポールだったり、色々ですが)に移す、

記事が見つかりました。
◆記事:各国に日本退避の動き=放射能漏れ恐れる(時事通信 3月16日(水)15時41分配信)

福島第1原発での放射能漏れ事故を受け16日、日本在住外国人に退避の動きが広がった。チェルノブイリ原発事故以来の衝撃を世界に与えている。

在日フランス大使館は16日、声明を出し、日本在住フランス人に対し、東京にとどまる必要のない場合「直ちに帰国あるいは日本の南部に避難するよう」勧告した。フィヨン首相が15日に国民議会(下院)で行った答弁を受けたもので、希望者の帰国の便を図るため、エール・フランス機2機が日本に向かった。

トルコ外務省も16日、声明を出し「不要不急の日本渡航の延期を勧告する」と発表した。メキシコも帰国支援のためチャーター便を検討、帰国便の費用負担にも応じる方針だ。

一方、オーストラリアのラッド外相は16日、被災地や東京からの退避を国民に勧告したが、地震や津波に伴う電力や水の供給に不安があるためで、原発事故は無関係と強調している。

また、フィリピンのロザリオ外相代行は16日、日本滞在中の自国民は30万人以上いるが、帰国させる計画はないと言明。外務省は声明で「日本政府が必要と判断すれば措置は取る」と表明した。

来日公演中だった、チェコ・フィルハーモニー管弦楽団という一流のオーケストラまで、

まだ、公演予定があるのに、キャンセルして、帰国してしまいました。
◆記事:各国の自国民避難誘導 相次ぐ(NHK 3月16日 12時23分)

東北関東大震災と福島第一原子力発電所で爆発や火災が相次いでいることを受けて、日本に滞在する自国民に避難を呼びかける各国の動きが続いています。

このうちメキシコ政府は、今回の地震の被災地などに住んでいるメキシコ人が本国への帰国を希望する場合、日本からメキシコへの片道の航空代を負担する措置をとりました。また、日本国内での一時的な避難を希望する人に対しては、大阪までのバスや大阪でのホテルを手配するとともに、3泊までの宿泊代を負担するとしています。これを受けて、これまでにおよそ80人が大阪に向けて出発したということです。また、チェコの国営通信によりますと、チェコ政府は軍所属の航空機2機を東京に派遣し、日本での演奏旅行の切り上げを決めたチェコ・フィルハーモニー管弦楽団の106人を帰国させることになりました。楽団員以外のチェコ国民も乗れるようにしているということです。一方、東京にあるオーストリア大使館は、大使館員の安全を確保するためとして、16日、一時閉鎖し、当面、業務を大阪にある名誉総領事館に移すことを決めました。これに伴い、大使やほとんどの大使館員はすでに大阪に移動したということです。

海外から日本へ来るはずだった旅客機にも、日本回避の動きがありました。
◆記事:外国航空会社が東京便の運航見合わせ、放射能漏れを懸念(ロイター 3月16日(水)11時59分配信)

[フランクフルト/シカゴ 15日 ロイター] 先週11日の大地震で被災した福島第1原発で放射能漏れが起きたことを受け、15日には外国航空会社の東京行きの便の多くが運航見合わせになったり、う回するルートに切り替えられたりした。また、東京を避ける旅客も増えている。

ドイツのルフトハンザ航空は15日、東京行きの便の運航を少なくとも週末まで見合わせることを明らかにした。東京発着便は、大阪と名古屋に振り替えられるという。同航空はまた、14日に東京を発った便は放射能に汚染されていないと発表した。

中国国際航空は北京と上海発の東京行きの便の運航を取り止めた。

台湾2位の航空会社のエバー航空<2618.TW>も、東京と札幌行きのフライトの運航を3月末まで見合わせる方針を明らかにした。

米主要航空会社は日本行きのフライトスケジュールを大きく変更していないものの、米航空当局は、原発をめぐる危機が深刻化した場合、日本便のルート変更などを行う用意ができていると発表している。

昨年ユナイテッド航空とコンチネンタル航空が合併して誕生したユナイテッド・コンチネンタル・ホールディングス<UAL.N>は、日本便をスケジュール通りに運航しており、政府機関と協力して状況を注視していると発表した。

また、旅行会社によると、旅行をキャンセルしたり、東京での乗り継ぎを避けるため予約を変更する旅客も増えている。

英国、イタリア、オランダなどの政府は日本への渡航自粛を呼び掛けている。

日本国内では、枝野官房長官がしきりに、検出された放射線の数値は、

人体への影響を及ぼすほどではない、

と強調するのですが、それならどうして、

次の記事に書かれているようなことをするのかな?
◆記事:全国の放射線技師 福島に派遣(NHK 3月16日 14時42分)

福島第一原子力発電所の事故を受けて、日本放射線技師会は、全国の放射線技師を福島県内に派遣して、原子力発電所の周辺から避難してきた人たちの被ばくの有無を調べる検査に当たらせることになり、第1陣として派遣される技師たちの結団式が東京・港区で行われました。

放射線技師の派遣は内閣府の要請を受けて行われ、結団式には北海道や香川県など全国各地から集まった11人が出席しました。はじめに、日本放射線技師会の中澤靖夫会長が「被ばくを心配している原子力発電所の周辺住民の方々の心配を一刻も早く取り除いてほしい」と激励しました。技師たちは、ふだんは医療機関でレントゲン検査などを行っていますが、人体の被ばくや空気中の放射線濃度を調べる専門の技術を持っています。技師たちは今月21日まで福島県内に滞在し、原子力発電所の周辺から避難してきた住民などが被ばくしていないかどうか調べる検査に当たるということです。放射線技師の市川重司さんは「被災者を助けるため、住民の検査だけではなく相談などにも乗っていきたい」と話していました。放射線技師会では、今後、被災地の自治体などからの要望に応じて、技師を追加派遣することにしています。

「原子力発電所の周辺から避難してきた人たちの被爆の有無を調べる検査」、

といっても、微弱な放射線ならば、何も全国の放射線技師を福島に集める必要は、

無いのではないでしょうか? これは一刻も早く被曝の有無を確かめたい、

即ち、それほど深刻な放射線が検出されているからではないのか、と

想像することは、それほど難しい事ではありません。


◆結論:実際はやはりかなりヤバいのでしょう。

余りにも長くなるので記事の転載は致しませんが、中国、韓国、ロシアは

いずれも日本からの帰国者や日本人の入国者、とにかく日本から来た人間や貨物に

放射線検査を実施しています。

また、福島原発1,2号機からの放射線流出が止まらないので、

何とか炉心を冷やそうと、ヘリコプターで空中から放水することを計画しましたが

放射線の濃度が高すぎて危険なので(放水している間、ヘリは低空でホバリングしなければ

なりません)、という理由で断念しています。


これらの「状況」から判断して、枝野官房長官の「身体に影響は無い」は建て前で、

実際には、ISISが述べているように、非常にヤバい事態になりつつある。

それは、認識しておいた方が良さそうです。

実は、今日、ここに載せたような情報をTwitterで流したのですが、

突然、若い女性が怒り出しまして、いわく、

私たちは発表された事を信用するしかないのですから!へんに疑いをもってあたりまえのように言うのはやめてほしい。

海外の人が日本から脱出するなんて当たり前だと思う、日本人だって海外にいてそういう目にあったら帰ってくるでしょ、そういう事言ってただ騒ぎを大きくしている気がする。

とのことですが、訳がわかりません。ここに載せている情報は

全て、インターネットで見つけた世界中の人が自由に読める情報です。

ひじょうに厳密に言えば、確かに私は個々の記事の真偽を検証出来ませんが、

いくつもの日本のメディアが、故意に日本が放射能に汚染されつつあって

危険な状態だと「ウソ」の報道をする必然性がありませんし、全体に同じ方向、

つまり、日本はかなり「危険な場所」になりつつある、という内容です。

虚偽の報道をするなら、むしろ国家に強制され、「日本は安全だ」と報じる筈です。


国家にも企業にも「リスク・コントロール」(危機管理)という仕事があります。

その原則は、「最悪の事態を想定して、それに対処する方法を常日頃から構築する」

ということです。

私が勝手に「そういう事言ってただ騒ぎを大きくしている気がする。」

と考えるのは、このTwitterの女性が、恐い現実から目を逸らしたいからでしょうが、

それは、何の解決にもつながりません。

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2010年03月16日(火) 急加速騒ぎのプリウス異常なし=米当局とトヨタの調査で」「米ABCトヨタ車・急加速のねつ造映像、背後に訴訟アドバイザーの影?」
2009年03月16日(月) 「景気判断、半年ぶり据え置き=厳しさ自体は変わらず−月例経済報告」←「据置き」って、これ以上悪くなりようが無いのですよ。
2008年03月16日(日) チベット問題の基礎知識(BBC)
2007年03月16日(金) 「堀江被告人に実刑」←検察にとって本当はホリエモンなんか「雑魚(ザコ)」なんですね。「悪い奴ほどよく眠る。」
2006年03月16日(木) 「スカイマークに厳重注意修理期限9カ月超過問題」間抜けなニュース2題。
2005年03月16日(水) 「飼料検査は不十分」米会計検査院が指摘 ←これで、日本政府が輸入再開したら、「犯罪」ですよ。
2004年03月16日(火) 「太陽系最遠の天体発見 地球から130億キロ」←地球に大接近する可能性がある天体も沢山あるのです。
2003年03月16日(日) アメリカは野蛮な国だ。それを支持する日本政府はバカだ。

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