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| 2011年01月31日(月) |
【音楽】もう一回、シューベルト。ヴァイオリンとピアノの為のソナチネ。ウェルナー・ヒンク、遠山慶子 |
◆あまり知られていないかも知れませんが綺麗ですよ。
シューベルトが19歳の時に、「ヴァイオリンとピアノの為のソナチネ」を
3曲書いています。3曲まとめて作品137です。
1番が作品137-1で、3番が137-3です。
今日は3番、ト短調、作品137-3、D.408です。
忘れないうちに引用元を書きます。
シューベルト:ソナチネ全集
です。これは2004年にリマスターされたCDです。
シューベルトの作品としては、知っている人は知っているでしょうが
ヴァイオリンとピアノの為のソナチネ、という地味なジャンルなので
知らない方の方が多いと思います。
シューベルトの生涯はわずか31年でしたが、その分、最初から天才なのですね。
19歳の作品とは思えません。
◆演奏者について。
ヴァイオリンのウェルナー・ヒンク氏は、ウィーン・フィルの
コンサートマスターの一人です。
この録音当時は、ゲアハルト・ヘッツェル氏、ライナー・キュッヒル氏
と共に、ウィーン・フィルは盤石でした。
私はヒンク氏が率いるウィーン弦楽四重奏団とベルリン・フィルの
首席クラリネット奏者、カール・ライスター氏による、モーツァルトの
「クラリネット五重奏曲」を東京文化会館小ホールで聴いて、その後、CDサイン会で
直接、ヒンク氏にお会い(?)したことがあります。
ライスター氏ってのは、もうエネルギッシュで、一人で騒いでサインしてましたが、
ヒンク氏ら、ウィーン・フィルのメンバーは実に物静かな紳士で
(ライスター氏が紳士ではない、ということじゃないのですが)
横に5人並んでいて、ヒンク氏が最後だったのです。私が日本語で
「ありがとうございました」(何しろ、天下のウィーン・フィルのコンサートマスターの
サインを頂けたのですから)と感激して日本語で御礼を言ったら、
気持が通じたのでしょうか。ニコッと笑って会釈なさったヒンク氏でした。
遠山慶子さんは、もう大先生です。ウィキペディアに詳しく書いて有りますが、
細かい事はいいんです。アルフレッド・コルトーという大ピアニストに才能を認められて
弟子になったという一点だけで、才能のほどが分かります。
私は、前述の東京文化会館でお見かけしましたが、ものすごく穏やかで
品の良い方です(人品[じんぴん]というものは、一目瞭然なのです)。
私が聴いた日には、遠山さんの出番はありませんでしたが、客席で聴いておられました。
最後のベートーヴェンの(何番か忘れてしまいましたが)弦楽四重奏を弾き終えると
うっすら涙を浮かべて拍手しておられました。
それに気付いた、ウィーン弦楽四重奏団の面々(全員、ウィーン・フィルの
メンバーです)が、遠山さんを見つけてニコニコしていたのが、またとても感じが良く
とても心が和むコンサートでした。
遠山さんとウィーン弦楽四重奏団は数え切れないほど何度も協演し、
録音もありますが、ここでは、珍しくヒンクさんと二人での録音。
◆(ヴァイオリンとピアノのための)ソナチネ。ト短調 D.408, Op.137-3
ソナチネというのは、ピアノで言うとソナタの簡単なもの、という印象です。
このシューベルトの作品は「ソナタ」で良いのではないかと思いますが
専門家には、なにやら色々理屈があるようです。それはここでは省略。
3つあるソナチネのうち、3番ということになっているト短調を
全曲お聴き頂きます。私はこういうCDを紹介するときには、大抵、
「1番の第一楽章、2番の第三楽章、3番の第四楽章」のような
引用をしますが、今日は、珍しく一つのソナチネの全楽章をお聴き頂きます。
シューベルト:ソナチネ ト短調 D.408, Op.137-3 第一楽章 アレグロ・ジュスト
Franz Schubert Sonatina In G Minor Op.137, No.3 D.408 for Violin & Piano �� Allegro guisto
ヴァイオリン=主、ピアノ=従ではなくて、交互にお互いの伴奏に
回ります。その切り替わりのときの、バランスが絶妙だと思います。
ソナチネ ト短調 D.408, Op.137-3 第二楽章 アンダンテ
Sonatina In G Minor Op.137, No.3 D.408 for Violin & Piano ��Andante
ヴァイオリンの高い音域が全然出て来ませんが、非常に美しい。
長く伸ばす音をクレッシェンドしていくときのヒンク氏の弾き方が綺麗です。
ソナチネ ト短調 D.408, Op.137-3 第三楽章 メヌエット
Sonatina In G Minor Op.137, No.3 D.408 for Violin & Piano �� Menuetto
ヴィオリンがスタッカート気味になる音型が何度も出ますが、ピアノと完全に合っているんですね。
当たり前なんですけど、ヒンク氏も遠山さんも、流石に心得ているなあ。と思います。
ソナチネ ト短調 D.408, Op.137-3 第四楽章 アレグロ・モデラート
Sonatina In G Minor Op.137, No.3 D.408 for Violin & Piano �� Allegro Moderato
よく聴くと、フォルテの所はちゃんとフォルテなんですが、ヴァイオリンもピアノも絶対に
「粗く」なりません。ましてや音が濁ったり、割れることが絶対に無いのですね。
特別にものすごい大傑作ではないかも知れないけれど、
例えば、ベートヴェンのヴァイオリンソナタのような、激しいところが無い。
何気なく聴いて、ほんわかと美しい。
名曲の名演だと思います。
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