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JIROの独断的日記
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2010年11月01日(月) 「耳かき店員ら殺害で無期懲役判決 裁判員、死刑を回避」←これを死刑にしなくてどうする。

◆記事:耳かき店員ら殺害 無期懲役の判決(NHK 11月1日 18時19分)

東京・港区で、耳かき店の従業員だった女性と祖母を殺害した罪に問われた男の裁判員裁判で、

東京地方裁判所は「何の落ち度もない2人を殺害した刑事責任はきわめて重大だが、

極刑にするほど悪質とは言えず、自分のどこに問題があったのか、人生の最後の瞬間まで苦しみながら考え抜くべきだ」と指摘し、

無期懲役を言い渡しました。この裁判で、検察は裁判員裁判では初めて死刑を求刑していました。



裁判員たちが審理したのは、去年8月、耳かき店の従業員だった江尻美保さん(当時21歳)と祖母の鈴木芳江さん

(当時78歳)が、東京・港区の自宅で刃物で刺されて殺害された事件で、店の客だった千葉市の元会社員、林貢二被告(42)が

殺人などの罪に問われました。林被告は起訴された内容を全面的に認め、検察は裁判員裁判では初めて死刑を求刑していました。

1日の判決で、東京地方裁判所の若園敦雄裁判長は

「何の落ち度もない2人を身勝手な動機から連続して惨殺した被告の刑事責任はきわめて重大だ。

自分の母親と娘を同時に亡くした美保さんの母親が精神的なショックで今も家の外に出ることができず、

遺族たちが極刑を望んでいるのは当然で、その思いには深く動かされた。

事件の最大の原因は、相手の立場に立って物事を見ようとしない被告の人格や考え方にあるのに

裁判の最後までそのことに気づかない被告の言動には許しがたいものがある」と指摘しました。

その一方で「この事件で、死刑を選択する余地がないのか徹底的に議論したが、

結局、極刑がやむをえないという結論には至らなかった」と述べました。



理由として、裁判長は「被告は美保さんに恋愛に近い感情を持ち、拒絶されると絶望感を抱いて抑うつ状態になり、

怒りや憎しみから殺害を決意したもので、犯行の動機が極刑に値するほど悪質なものとまではいえない。

祖母の芳江さんの殺害は偶発的なもので、計画性は認められない。被告なりに反省の態度を示しており、

自分のどこに問題があったのか、人生の最後の瞬間まで苦しみながら考え抜くべきだ」などと述べ、林被告に無期懲役を言い渡しました。

判決のあと林被告の弁護士は「被告はこの判決をしんしに受け止め、これからも自分の犯した罪に向き合い、

被害者とご遺族のことを考え続けていくものと思います」というコメントを出しました。



東京地方検察庁の大鶴基成次席検事は

「死刑が選択されなかったことについては判決内容を十分検討し、適切に対応したい」というコメントを出しました。

一方、亡くなった江尻美保さんの父親は「判決を聞いて、悔しくて涙も出ませんでした。

『自分なりに』反省を示せばよいのか、人間を2人殺してこんな判決でいいのかと思います。

この事件で無期懲役になるのであれば、いったい何人殺せば死刑になるというのでしょうか。

検察官には、ぜひ控訴していただきたいと思います」というコメントを代理人を通じて出しました。


◆コメント:訳の分からない判決理由。

私は、裁判員制度が話題になり始めた頃から、この制度には反対でした。2004年のことです。

2004年03月02日(火)国民が刑事裁判に参加へ、裁判員法案を閣議決定」←止めた方がいいと思います。

今日の判決で無期懲役になったのは、要するに裁判員がビビッたのでしょうね。

「自分達の判断で、殺人犯とは言え、人が1人、国家によって殺されるかも知れない。」と、素人がその場にいたら、

やはり、怖くなるのですよ。だから裁判員制度なんてダメなのです。裁判によって事実認定がなされ、

適切な量刑が下されるためには、多くの犯罪者を見てきて、判例も十分に知っている法律の専門家が判断を下す、

ということが、近代的裁判の基本ですよ。職業裁判官とて、死刑判決を下した後は、顔色が悪いそうです。

それだけのプレッシャーとストレスがかかるけど、死刑にすべき時は「エイッ」と死刑に出来るのはプロだけです。


無期懲役になったのは、素人が混ざっているからです。自分が人を死刑にすることに関与することをおそれたのです。

そうは言えないから、裁判長は、判決理由で訳の分からん事を言っています。

  • 何の落ち度もない2人を身勝手な動機から連続して惨殺した被告の刑事責任はきわめて重大

  • 自分の母親と娘を同時に亡くした美保さんの母親が精神的なショックで今も家の外に出ることができず、遺族たちが極刑を望んでいるのは当然

  • 事件の最大の原因は、相手の立場に立って物事を見ようとしない被告の人格や考え方にあるのに裁判の最後までそのことに気づかない被告の言動には許しがたいものがある

これほど、被告人の落ち度、を指摘しておいて、
結局、極刑がやむをえないという結論には至らなかった

って、誰が読んでも納得出来ません。犯人は、江尻美保さん(当時21歳)のクビを刺したばかりではなく、

祖母の鈴木芳江さん(当時78歳)のクビを、刃物で16回も刺しているのですよ?


近代刑法の原則に「自力救済の禁止」という概念があります。

要するに、被害者の遺族らが、「敵討ち」をしては、いけない。それをやったら社会が混乱する。

専門家に任せなさい。貴方達(遺族)の無念は、代わりに司法が晴らしてあげます、ということです。

しかし、こんな判決では、被害者の関係者、そして社会全体の犯人に対する「応報感情」が充足されません。


物騒な事を言うようですが、仮に私が江尻美保さんの父親ならば、

今日、傍聴するときに何とかして鋭利な刃物を法廷に持ち込み、死刑ではないことが分かった瞬間、

法廷に飛び出して、その場で犯人を滅多刺しにして、殺さなければ気が済まない、と思います。

その場で殺せなくても、無期懲役の途中で弊の外に出て来た瞬間に何としてもこの手で娘の敵を討とう

とするでしょう。その結果、自分は当然殺人の罪に問われるても、そんなことは問題ではない。

後がどうなろうが知ったことではない。警察に捕まる前に自殺するかも知れない---

あくまでも仮定上の話ですが、つまり、応報感情が満たされなくては、刑事裁判として、

機能していないと思います。

判決後記者会見に応じた裁判員のひとりは、
「人(この場合、犯人のこと)の生命の重さを考えた」

と、述べたそうです。

私はその「重い生命」を二つも自分勝手な理由で永遠に奪った林被告人の生命の重さなど、ない。

ヘリウムガスよりも軽い、と思います。

無期懲役になれば、毎日刑務所で食事がでます。何十年も、この人殺しを

我々が額に汗して働いて納めた税金で、食わせてやり、雨風をしのげる刑務所という

立派な建物の中で生き続けさせるのでしょうか?

また、本件については検察側が控訴し、さらに死刑が出なければ最高裁に上告すると

思われます。そうなったら、専門家だけによる判断で死刑判決が下る可能性が高いです。

結局、「無期懲役」を選択した裁判員の判断は無駄となります。

裁判員制度を導入し、続ける事に、意味があるのでしょうか?

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