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JIROの独断的日記
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2010年11月02日(火) ナクソス・ミュージック・ライブラリー(NML)の薦め。

◆過去にも書きましたが、新しい読者もおられますので。

百聞は一見にしかず。これが、ナクソス・ミュージック・ライブラリー(以下、「NML」と記す)。

月額1,890円で、CD48,000枚分、曲数(数え方によるが)は、693,167曲が聴ける(サイトに書いてあるとおり。)

このサービスが始まった頃は、「最初の1ヶ月無料」サービスがあったような気がする(うろ覚えである)が、

今は、どうやらそれは無さそうなので、入会するなら月にはじめの方がいい。

ダウンロードは出来ない。ストリーミングだけ。逆に言うと、ファイルをダウンロードしないということは、

バックアップを取る必要もない。レコード、CDを買うときにような「所有感」は得られないが、

とにかく色々な音楽を聴くことが出来る。


◆今の人が羨ましいですよ。

昔は色々な演奏を聴きたくてもレコードを買うか、学生はカネがないから、

いつ、なにが放送されるか分からないFM番組を事前にチェックし、

聴きたい曲の放送をカセットテープに録音する(これを「エア・チェック」と言ったしかなかった)。

今はインターネットの普及、発達により、1,890円で聴きたい放題とは夢のようである。

今まで聴いた事がない作曲家とか、苦手な作曲家(私だったらブルックナー)、

のCDを買うのはなかなか決心が付かないし、レコード店での試聴も限度がある。

珍しい音楽ではなくても、ハイドンの全ての交響曲や、バッハの全てのカンタータ

を買って揃えようとしたら、今は随分安くなったが、昔の学生にはとてもじゃないが、無理な相談だった。


NMLならば、何しろ定額だから、片っ端から聴いて見たらいい。

ナクソスの会社設立趣旨が、無名だが、才能ある演奏家を見出して、廉価のCDを製造販売する

ということだから、グラモフォンとかEMIなどが売るような、所謂「一流」演奏家の録音はあまりない

(それでも、例外的に少しは、ある)。

しかし、私は逆に、はNMLによって、ベルリン・フィル、ウィーン・フィル、コンセルトヘボウ、クリーブランド、ロンドン響

だけがオーケストラではないこと、

アルゲリッチやパールマンやヨー・ヨー・マだけが、「聴くに値する演奏家」

なのではないことが、よく分かった。


実際、全然見たことも聴いたこともないオーケストラや指揮者、ソリストの名演が驚くほど多い。

例えば、私が最も好むヴァイオリニストの1人は、カナダのジェームズ・エーネス(James Ehnes)という人だが、

恥ずかしながら、NMLに入会するまで、全く知らなかった。


私の「聴くレパートリー」は「泰西名曲」が中心だし、大レーベルに録音出来る音楽家の得能が中心となっている。

それは、悪いことでも恥ずかしいことでもないが、もしも、もう少し感受性が柔軟な若い頃に、

インターネットとNMLがあったら、

もっと色々な曲を片っ端から聴いていただろうし、「聴くレパートリー」が広がったかもしれない。

そう考えると残念だが、そんなことを嘆いてもどうしようもない。

兎にも角にも、生きている間にこういう便利なシステムとサービスが存在することは幸福である。


◆NMLで知った演奏。

上段に書いた、ジェームズ・エーネス氏の演奏から、まずバッハ。

無伴奏のなかから、パルティータ1番のTempo di Borea。

これは、J.S. バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ BWV 1001 - 1006 (エーネス)で

聴くことが出来る。

無伴奏ヴァイオリン パルティータ第1番 ロ短調 BWV 1002 より Tempo di Borea



Partita No. 1 in B minor, BWV 1002 VII. Tempo di Borea



これは、ヴァイオリンの演奏の中でも非常に上手い方に属すると断定していいと思います。


同じエーネス氏。クライスラー:作品選集から、



コレルリの主題による変奏曲



Variations on a theme by Corelli



上手いですね。実に素晴らしい音とテクニックを兼ね備えている。エーネスをもう一曲だけ。

自分もヴァイオリニストで非常に高度なテクニックをもっていたというヴィエニアフスキーの作品。

ヴィエニャフスキ/サラサーテ:ヴァイオリン・ショウピースから。


ヴィエニャフスキ:スケルツォ・タランテッラ ト短調 Op. 16



Scherzo-tarantelle in G minor, Op. 16



次は、ガラリとかわるのですが、滅多に聴けない。輸入盤を扱っているCD屋でも、Amazonを漠然と眺めていても、

決して発見できないであろうような演奏。チマローザ作曲(ではないことが最近分かったらしいが)ベンジャミン編曲による

オーボエ協奏曲を、ハープ伴奏のソプラノ・サックスで演奏したものです。これは綺麗。

このページ。

マスネ:タイスの瞑想曲/ラフマニノフ:ヴォカリーズ/ラヴェル:亡き女王のためのパヴァーヌ/グリーグ:ソルヴェイグの歌(ブローディ/E. グッドマン)



オーボエ協奏曲(ベンジャミン)第一楽章 ラルゲット



Oboe Concerto in C majorI. Introduzione: Larghetto



次はオーボエよりこちらの方が良いのではないか?と言うぐらいの切ないシチリアーノ。


オーボエ協奏曲(ベンジャミン)第三楽章 シチリアーノ。



Oboe Concerto in C majo �� Siciliana



古い録音もあります。パガニーニの「無窮動」という延々と16分音符が続く曲。

元々はソロ曲ですが、昔のトスカニーニという大指揮者が手兵、NBC交響楽団用に編曲したもの。

ワーグナー/シュトラウスII/パガニーニ/グルック:管弦楽作品集(トスカニーニ)

こんなの、普通目に止まって買うということは、CDではあり得ません。


ニコロ・パガニーニ 常動曲 ハ長調 Op. 11/MS 72 NBC交響楽団 アルトゥーロ・トスカニーニ



Nicolo Paganini Moto perpetuo NBC Symphony Orchestra



珍しい楽器の独奏もあります。テューバ。テューバそのものは吹奏楽にいた人、

今もやっている人は珍しくも何ともないでしょうが、一般には殆どの人が知りません。

ましてや、テューバのソロなんて殆どの人は一生聴かないで終わるでしょう。

オリジナルのテューバ・ソロ曲や、ヴォーン・ウィリアムズのテューバ協奏曲があり、NMLで聴けますが、

私の好みではないので、敢えて、編曲もので。「マルチェルロ」の「チェロ・ソナタ」を「テューバ」で演奏してます。

ヴィヴァルディ/ウェーバー/マルチェッロ:トロンボーンとテューバ



マルチェルロ チェロ・ソナタ ヘ長調(チューバ編)第一楽章



Cello Sonata in F major (arr. for tuba)1st Mov.



この包み込むような暖かさがすきなんですけどね。


マルチェルロ チェロ・ソナタ ヘ長調(チューバ編)第二楽章



Cello Sonata in F major (arr. for tuba)2ndt Mov



と、変わったのばかりを紹介しましたが、勿論ナクソス・ミュージック・ライブラリーでは、

バッハ、ヘンデル、ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェン、ブラームス、ショパン、マーラー、ブルックナーなど、

「普通の曲」が全部聴けることは、言うまでもありません。


私も若い頃は狂ったようにCDを買い漁った時期があり、それはそれで良かったのですが、

この年になると、子供の学費とか、色々、不自由なもので、昔のようには買えません。

NMLは、同じような状況の音楽好きの方々にお奨めです。尤も、再生の音質に関して、私はよほどひどくない限り

「どうでも良い」人間でして、その点に神経質な人には不向きかも知れません。いずれにせよ。

ご自分の自由意思でご決断下さい。私とナクソス・ミュージック・ライブラリーには何の利害関係もございません。

それでは。

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