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JIROの独断的日記
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2009年11月09日(月) 【音楽】本来、「ルロイ・アンダーソン」はこれほど、楽しい。

◆ボストン・ポップス・オーケストラとアンダーソン

ルロイ・アンダーソンが作曲した、セミ・クラシックと呼ばれる、演奏時間が短い、楽しい曲の数々は、

ボストン・ポップスの為に書かれています。といっても、「ボストン・ポップス・オーケストラ」という固有のオーケストラが

存在するのではなく、あの小澤征爾さんが長い間(1973-2002) 音楽監督を務めていたボストン交響楽団が、夏の

コンサートのオフ・シーズンに(欧米のコンサートシーズンは毎年9月に始まり翌年の6月頃までです。夏はバカンスのシーズンです)、

オーケストラの音楽を広く一般の人にも普及しようというので、名前を変えて、ファミリー・コンサートを行うのです。

ボストン・ポップスは1885年から活動を始めたということですから、今年で124年も続いているのです。

その最盛期の指揮者が、アーサー・フィードラーという人で、何と1930年〜1979年、約50年も毎年、

夏のボストン・ポップスを振り続けたのでした。

そして、アーサー・フィードラーに才能を見出されたのが、ルロイ・アンダーソンです。

以前、アンダーソンの経歴を調べて驚いたのですが、この人は高度な音楽教育を受けているだけでなく、

本格的に作曲活動をするまでは、ハーバード大学の言語学の研究者で、博士号まで持っています。

詳しい説明はウィキペディアをご覧下さい。


◆なかなか、名演が無いのです。

ルロイ・アンダーソンの曲は大抵、演奏時間が3分程度。長くても5分以内のものが殆どです。

一般の、オーケストラ、とか、クラシック、になじみが無い人にも、オーケストラの素晴らしさを知って貰う為に、

敢えて、このような形式を取ったものと思われます。

その所為か、アンダーソンには失礼ですが、軽く見られがちです(日本でも「トランペット吹きの休日」は、

多くの人が「ああ、あの『運動会の曲』ね」などと言います)。

このため、超一流オーケストラ(ボストン・ポップスも十分一流なのですが)と指揮者が、「アンダーソン名曲集」を

演奏したり録音したりすることが無い。このため、私の主観ですが、「名演」は意外に少ない。


◆トランペット吹きの子守歌は、多くの場合、正しくない。

分かっています。ある曲の演奏に関して唯一「これが正しい演奏だ」と断言するものではない。

色々な解釈があって然るべきだ。
はいはい。そういうことは、私は知ってますー、だ。

ただね。一番多く耳にするのが、アーサー・フィードラーボストンポップスが、

ディキシーランドのトランペット奏者、アル・ハートという人をゲストに招いた時の録音なんです。

これをまず、お聴き下さい。


トランペット・ソロ、アル・ハートによる「トランペット吹きの子守歌」



Trumpeter's Lullaby Al Hirt



ちょっとクセのある演奏ですが、それはディキシーランドの人だから目をつむるとして、楽譜を見て下さい。最初だけ。



一番大事なのは、最初の8分音符と16分音符の「タッタタカ・タ・タ」というリズムでして、「タッタカ」の「タカ」を

名前出してわるいけど、このアル・ハートさんみたいに吹くのは、違うんです。専門用語になるけど、シングル・タンギングで

吹くと、それは楽譜にはあっているのですが、この曲の雰囲気が出ないのです。


◆色々探し回って、結局アンダーソンによる50年前(1959年録音)の自作自演盤を見つけました。

前述したとおり、こんな易しい曲、なかなかプロは演奏してくれないし、録音もしてくれないので、なかなか

私が、理想とする演奏に出遭いませんでしたが、作曲者、ルロイ・アンダーソンが自作を指揮したCDThe Leroy Anderson Collection を見つけました。

試聴できるので聴いたら、私の理想にかなり近い。

マーケットプレイスなら1000円以下で売りにでてます(送料別)。これを入手しました。

アンダーソンが指揮しているのですから、作曲者がどのように演奏して欲しいかよく分かります。


アンダーソン自作自演盤による、「トランペット吹きの子守歌」



Trumpeter's Lullaby Leroy Anderson



ね?この方が気持ちいいでしょ?

多分、曲名の「子守歌」のイメージを抱き過ぎだと思うのですよ。

「子守歌」っていったって、こんなの本当に赤ん坊の枕元でラッパ吹いたら、子守歌どころじゃないですよ。

寝るわけ無いですよ。下手すりゃひきつけ起こしちゃうよ?「子守歌」はイメージだけで、ある程度歯切れ良く吹かなければ

いけません。


◆楽しい曲が続きます。全てアンダーソンの自演(指揮)です。

ウンチクはもう止めにしますが、非常に大雑把にいうと現在のルロイ・アンダーソン作品の演奏は、

テンポが遅すぎて、彼の作品の溌剌とした生命力が伝わってきません。

以下の自作自演を聴いて頂くと、ご同意頂けるかと思います。


トランペット吹きの休日



Buglar's Holiday



このテンポだと「スカッ」とするでしょ?


フィドル・ファドルヴァイオリン・セクション、見事です。



Fiddle Faddle



弦楽器のピチカートだけの曲。途中の「キュッ」という音は楽器の胴体を手で擦って出すそうです。

コンサートで見ると、ここでコントラバスなどをクルッと一回転させるという演出が加わり、お子さんは

大変歓びます。


プリンク・プランク・プランク(Plink Plank Plunk)



Plink Plank Plunk



シンコーペーテッド・クロック最後までユーモアがある。



The Syncopated Clock



そり滑り途中、スウィング・ジャズ風になるところ、溜まりません。



Sleigh Ride



舞踏会の美女舞踏会の華やかな光景が瞼に映るかのようです。



Belle of the Ball



クラリネット・キャンディクラリネット奏者の腕が鳴ります。



Clarinet Candy



こういうのは、ゴチャゴチャ言うことはありませんね。



音楽は、楽しいのです。

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