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JIROの独断的日記
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2009年07月20日(月) 【演奏会評】東京音大付属音楽教室 発表会(続)演奏された曲目を、プロが演奏したもの。

◆一晩経ったが、まだ頭がボーッとしている。それほど衝撃的な上手さだった。

昨日の日記ココログ)に書いたとおり、

私は昨日、東京音楽大学付属音楽教室の夏の発表会(正式には「学外演奏会」)の全プログラムを聴いた。

同じ表現ばかりで恥ずかしいが、とにかく、あまりの上手さに驚嘆し、頭がボーッとなった。

一晩たったら、治るだろうと思ったが、あまりの衝撃に、今日になっても、頭が半分麻痺しているような感覚である。

もう一度掲げるが、これが昨日の演奏会のプログラムである。

全員、素晴らしく、ただの一人も少なくとも客に分かるようなミスタッチをしなかった。驚かずにいられようか?

特に、分かる人は曲名を見ただけで「ワッ!」と思うだろうが、第2部の後半、一番上手い中2と中3の6人の演奏は、

プロと比べても、遜色がないと言っていい。

極めて、おこがましい、傲慢な言い方をさせて頂くが、35年間音楽を聴いてきて私が「上手い」というのだから、

上手いのである。


本来、昨日の子供達の演奏そのものをお聴かせしたい。あの発表会は、生徒達の勉強の為、また記録のために、

プロが録音しているはずだ。出演した生徒や、他の東京音楽大学付属音楽教室の生徒には、多分CDが配られる筈だ。

私は、昨日の今日では流石に無理だが、家内(東京音大卒)のツテを辿って、何とかそれが入手できないか、いずれ、

頼んでみようと思っている(成功する確証は無いが)。


とにかく、子供たち自身の演奏はお聴かせできないので、実際に昨日の「学外演奏会」で弾かれた曲

(いずれも、歴としたプロが演奏会で取りあげるような曲ばかりだ)を、プロの録音で聴いて頂きたい。

全員分載せたら大変な数になるので、申し訳ないが一部のみである。

昨日書き忘れたが、プログラム第一部の3番目で、小4の女の子が

中田喜直氏作曲、「変奏的練習曲」を弾いた。こんなの初めて聞いたが、エラく難しい。

女の子は、天才的な上手さで弾いていた。

この曲と、プログラム第2部の後半、一番上手い六人が演奏した曲をプロの演奏で聴いて頂く。


◆冷静に比較して、子供達の演奏は、テクニックと音楽性において、プロの演奏に匹敵していた。

1曲目。前段で書いた、中田喜直「変奏的練習曲」。

日本よりも、海外での演奏が多く、また海外で高い評価を受けている小川典子もまた、東京音楽大学付属音楽教室の初期の生徒である

(東京音楽大学付属音楽教室は30年以上の歴史がある)。

彼女のCD、小川典子plays Japanese Piano Music から。


中田喜直「変奏的練習曲」



Variational Etude



中田喜直さんって、こんな難しいピアノ曲を書いていたとは、失礼ながら、存じ上げなかった。

この曲を弾いた小学校4年生の子に限らず、言うまでもないが、ただ、音符を音にしているというレベルではなく、

曲を理解して、能動的に表現しようとする「芸術性」を既に持っている。それで、私は余計に驚嘆したのである(当たり前だというなかれ)。


2曲目(これ以降は、第2部後半)。

ヴィエニャフスキ:ヴァイオリン協奏曲第2番 より第一楽章。あえて「神様」ハイフェッツの録音(古いが)を載せる。

中学2年の女の子だったが、素晴らしく楽器が鳴っていた。テクニック、音程、完璧。ハイフェッツの十八番、

あの「一弓スピッカート」(跳ばす弓)も難なくこなしていた。流石に「ハイフェッツより上手い」とは言えないが、

この子のヴァイオリンを聴いていて、思わずハイフェッツを連想したのである。

なお、この曲は楽章の切れ目が無く演奏される。

したがって、ハイフェッツの録音は、中途半端な終わり方となる。昨日の演奏会は勿論ピアノ伴奏で、

第一楽章で終えても、違和感がないように、適切な変更が加えられていた。

ヴィエニャフスキ:ヴァイオリン協奏曲第2番 より第一楽章



Wieniawski Violin Concerto No. 2 in D minor, Op. 22 1st Movement Allegro moderato



ハイフェッツの演奏は、ヴァイオリン協奏曲第4番、第5番、他 ハイフェッツ(vn)サージェント&LSO、他で聴くことができる(2番も収録されている)。



3曲目。モーリス・ラヴェル、 ツィガーヌ。難しいのはこの後全部難しいから、もう、いちいち書かない。

中学3年の男の子だったが、この超絶技巧てんこ盛りを余裕で弾いていた。もっと良い楽器(所謂、名器)を入手できたら、

さらに素晴らしいだろうと思う。が、演奏そのものは完璧。この曲は約10分だが、最初の4分20秒ぐらいは、

完全なヴァイオリンの独奏である。一番低い弦、G線を高いポジションで鳴らすのは困難を極めるが、いい音をしていた。


さて、演奏は、私のお気に入りのカナダのヴァイオリニスト、ジェームズ・エーネス氏である。

Violin Works: Ehnes(Vn)chen(P)に収録されている。


モーリス・ラヴェル: ツィガーヌ



Maurice Ravel Tzigane James Ehnes



4曲目。シューマン:アベッグ変奏曲。あまり知られていないのではないか、と思われるが、隠れた名曲(かつ難曲)。

演奏は、Abegg Variations, Papillons, Davidsbundlertanze: Grutzmann



ロベルト・シューマン:アベッグ変奏曲 Op. 1



Robert Schumann Abegg Variations, Op. 1



中学2年の女の子が弾いちゃうんですよ。この演奏より上手かったかも知れない。


5曲目。何と、これも中学2年の女の子なのですが、プロコフィエフのソナタを弾くのですねえ・・・。

譜読みだけでもものすごく大変だと思います(そういうレベルの子供達じゃないのだけど)。

演奏は、超絶技巧専門職みたいな、ベルマンというピアニスト。「プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ全集」ボリス・ベルマン(p)



セルゲイ・プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ 第1番 ヘ短調 Op. 1



Prokofiev Piano Sonata No. 1 in F minor, Op. 1



録音と生を比べてはいけないのだが、昨日の中学生の女の子の方が迫力があったように思える(冷静に書いている)。


6曲目。ショパン:スケルツォ 第3番。ショパンのスケルツォが難しいなんてのは、言うまでも無い。

中学3年の女の子が弾いていた。家内(毎年聴いている)によると、毎年出る子だそうだ。余程上手いのであろうと、想像したら、

やはり、上手かった。この演奏は、ショパン:スケルツォ/即興曲(ビレット)



ショパン:スケルツォ 第3番嬰ハ短調 Op. 39



Chopin Scherzo No. 3 in C sharp minor, Op. 39



大トリ。リストの「リゴレット・パラフレーズ」。最後は大抵リストにするらしい。

ピアニストとしての技術の仕上げのようなものなのだろう。それを中学3年の女の子が弾いた。

こちらの気が遠くなるほど上手かった。

この演奏は、The Transcriber: Moss



フランツ・リスト:リゴレット・パラフレーズ



Liszt Rigoletto: Paraphrase



やはり、録音と生の差もあろうが、これを昨日弾いた子のピアニッシモの透明さ。フォルティッシモのものすごい迫力が優る。

どんな早いパッセージでも余裕で弾くテクニック。私は暫く、口が利けなかった。


昨日の東京音楽大学付属音楽教室「学外演奏会」を聴いて、人間って捨てたものではないな、と思った。

何度も弊日記で引用するが、指揮者の故・カール・ベームは、

人間の存在を少しでも明るく照らすことが芸術家に与えられた使命だと思います。

といった。その意味では、この子供達は既に「芸術家」であると言っても、過言ではない。

くどい上に、僭越かつ傲慢だが、敢えて書く。

35年、音楽を聴き続けている私が、そう思うのである。

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