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JIROの独断的日記
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2006年07月20日(木) 「九州大雨、宮崎・えびの市などで1200ミリ超える」 豪雨が続く原因

◆記事:九州大雨、宮崎・えびの市などで1200ミリ超える

活発な梅雨前線の影響で記録的な大雨に見舞われた九州南部は、23日も鹿児島、熊本県などで激しい雨が降り続き、

土砂や濁流にさらされた街では懸命な捜索や復旧作業が続いた。

23日午後9時現在、建物の全半壊は九州各地で69棟、避難指示・勧告は鹿児島、熊本両県で1万6500世帯3万8699人に出されている。



福岡管区気象台によると、18日午前0時の降り始めから23日午後3時までの総雨量は、宮崎県えびの市で1264ミリを記録して、

平年の7月ひと月分(827ミリ)を上回ったほか、鹿児島県さつま町で1237ミリ、熊本県球磨村で900ミリに達した。

4人が死亡した鹿児島県では、さつま町の川内(せんだい)川に流され行方不明になっている同町柏原の会社員鉢迫義治さん(76)の捜索が続けられたが、依然、見つかっていない。

(読売新聞) - 7月23日23時44分更新


◆コメント:「活発な梅雨前線の影響で」とだけ云われても、分からない。

天気予報というのは、皆、結論だけ聴いていて、「前線の影響でとか」いう前説は殆ど誰も聞いていない。

無論気象学の専門家や学生、素人でも気象学に興味がある人は分かるだろうが、たいていの人はそんなことは知らないのだから、

天気予報に割く時間を長くするなりして、いくら何でも基本的なことから説明した方が良いと思う。

「理屈なんかどうでも良い」という人の方が多いだろうが、

「長雨の原因を科学的に説明して欲しい。状況が分かった方が安心だ」、という人もいるのだ。


◆前線とはなにか。

前線とは冷たい空気と暖かい空気の境目である。

空気は云うまでもなく気体だから、接している部分は実際には上空で面を成している。これが前線面である。

前線面が地上に接するところが「前線」である。



冷たい空気と暖かい空気がぶつかった場合、暖かい空気が冷たい空気よりも比重が軽く上昇気流を生ずるので上空で雲となり、雨を降らせるわけである。

南から北上する暖かい空気の勢いの方が強いと、次第に前線は北上してゆく。これが温暖前線。

逆に北から南下してくる冷たい空気の勢いが強い場合、暖かい空気が冷たい空気の上に乗り上げる格好となり、

したの冷たい空気に冷やされた、上の暖かい空気は、水蒸気が飽和状態となり、雨が降る。

これが寒冷前線だが、比較的短時間で雨は上がる。



そして、今、大雨を降らせている前線はここ1週間ほど殆ど動かず、東西にのびている。

これは暖かい空気と冷たい空気が接してはいるものの、どちらの勢いもほぼ同じで動けない状態である。

一般的にはこれを「停滞前線」と呼ぶが、梅雨明け間際にはこのような停滞前線が出来ることは普通である。

それでこの季節の停滞前線を「梅雨前線」という。繰り返すが梅雨前線は停滞前線の一種である。


◆梅雨期には、寒気の南下に伴い、前線で対流が激化し、次から次へ雲を形成し雨を降らせる。

この時期は、下層(地面に近い低い空)に高温多湿の空気があり、一方、上層にはオホーツク海で冷やされた空気が降りてくる。

下に暖かい空気があり、上に冷たい空気が乗っかるので、自然、前線面では対流

(暖かい流体が上昇し、したに冷たい流体が流れ込む。昔風の風呂を沸かして、上が暖かいからといって入ったら、下はまだ水だった、という奴ですよ)が起きる。

即ち、湿った生暖かい空気が上空で冷やされ、雲となり雨を降らせる。



今、日本上空の寒気はマイナス12℃ぐらいだが、東経120度、北緯50度付近にはマイナス21度の猛烈に冷たい寒気団がある。

これが南下してくると、前線面で対流性の雲が更に次から次へと発生するおそれがある。

天気予報や気象情報で、依然として警戒が必要だと注意を促しているのは、このためであると考えられる。


◆どうして異常なのか。

今年ばかりではなく、ここ4,5年、世界的に異常気象が多見される。

今もヨーロッパは凄い熱波に襲われ、すでに30人以上が死亡している。

ニューヨークも暑さのあまり電力の使いすぎで停電して、一時地獄のような暑さに耐えねばならなかったという。



全てが地球温暖化が原因というわけではないだろうが、地球温暖化がなにがしかの影響を気候に与えていることはほぼ明らかである、

と気象庁の専門家が異常気象レポート 2005 で公式に述べているのは事実である。



また、この日記では、過去、100回ぐらい(大げさですね)紹介したが、

毎日、この日記を初めて読んで下さる方がおられるので、今一度書いておく。

国連環境計画という気象学などの専門家が1999年に発表した、地球環境概況2000は、次のように警告している。

温室効果ガスの排出量増加により、地球温暖化を防止するのはおそらく手遅れであり、更に、京都議定書において合意された多くの目標は達成されないかもしれない。



2005年07月20日(水) 公務員の数若しくは給料を減らすべきだ。
2004年07月20日(火) 「世論調査:内閣の不支持率44%に 支持率40%を上回る」そりゃ、そうなるでしょう。
2003年07月20日(日) 人間を類型的に判断するべきではない。「素直な良い子」が、必ずしもキレる訳ではない。

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