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2012年06月29日(金)
『温室』

『温室』@新国立劇場 小劇場

前日迄『室温』だと思ってました(どげざ)。

ピンターと言えば『ダム・ウェイター』が有名で、こと早稲田劇研周辺を好んで観ていたひとには馴染みがあるのではと思います。近年ではシス・カンパニーが上演していましたね。翻案ものが上演されることも多く、ウェイターを掛け言葉にした『ダム・ウェイトレス』と言う作品もありました。これ今は亡きジァン・ジァンで上演されたんですが面白くて、今でもよく憶えています。思えばこれも早稲田劇研絡み。渡辺育子さんと柳岡香里さんのユニット(St. Scrap Shelley。検索してみたらまねきねこさんのサイトがヒット。これ全部観てるわ私)でした。雰囲気のある劇場の選び方も独特でよかったんだよねー、ジァン・ジァンもル・ピリエも今はありません。思わず昔話(としよりは話が長い)。

と言う訳で一作しか観たことがなく、自分にはすっかり不条理劇作家としてインプットされているピンターです。今作はミステリ的(『羅生門』のよう)な構成。とある国(独裁国家のように感じる)の国営収容施設で起こる連続殺人、父親不明の妊婦、不倫、官僚の腹の探り合い、と言った要素から、謎に迫っていく…いきたい……ところがそうは問屋が卸さない。ストーリーとしては筋が通っているようだけど、ちょっと油断するとあっと言う間に自分が薮の中。謎解きよりも、不可解な人間の心理と言うものに頭を突っ込む感じです。登場人物の物事の受け取り方の違いを追っていくスリルもありました。

先日観た『南部高速道路』に続いて舞台は四方が客席で囲まれたつくり。通常の正面と反対側は傾斜のある客席で、両側面は所謂二階席になります。側面の一階席にあたる部分には鏡面の板が張られている。舞台は盆状で、殆どの時間回り続けている。終始落ち着かず、どこを見ればいいか迷う環境です。て言うか真剣に見てると酔う(笑)。これは役者さんは大変だろうなあ、どこに向けて言葉を飛ばし、どこに身体の意識を向ければいいか……精神的にも肉体的にも、演者にはかなりの負荷がかかっていたように思います。セットは赤色で統一。これは戯曲指定なのだろうか……デイヴィッド・リンチ、『ツイン・ピークス』を思わず連想してしまった。登場人物たちとともに、観る側も精神的に不安定さを味わうことになります。

面白かったのは、側面二階席のお客さんが、自分たちのほぼ真下で演者が何かをやっているとき、それを見下ろそうとはせず向かいの鏡を見ていたこと。視線の向け方からして混乱しています。直接は見えないからあたりまえと言えばあたりまえなのですが、そういうフックが作品の不穏さをより膨らませていたように感じました。

作品に即してのことではあるのでしょうが、このクセのある演出と美術は気になります。深津篤史さんの演出、池田ともゆきさんの美術作品を観たのは確か初めて…同じコンビでの新国立『象』はチケットとれなかったんだ。『象』は来年再演されるとのことなので、今度こそ観に行きたいです。

さてそんな厳しい舞台環境の中で弾む演技を見せてくれたのが山中崇さん。ベビーフェイスも相まって天使/悪魔的な役柄両方出来る方ですが、今回はその両面の魅力が堪能出来ました。しかも身体がキレる!四方を囲まれた舞台だからこそそれがより際立って見えました。そうだー山中さんて野田さんの演出作品にも出ていたわ……舞台でもっともっと観たいひとだなあと思いました。また飴屋さんともやってほしいな。段田さんは流石の声の力で立場の入れ替わりを見せ(あと格好が『国民の映画』を思い出させたもんだから怖い怖い)、高橋くんは笑顔の薄皮一枚下では……?と言うキーとなる役柄を繊細な声色、表情の変化で見せてくれました。

いや〜〜〜〜〜な後味ですが、妙〜〜〜〜〜に記憶に残る作品でした。なんか、じわじわまた観たくなる……。あと国営施設が舞台の作品を国立の劇場で上演してるってところにゾワーとしつつニヤニヤしました。



2012年06月28日(木)
LÄ-PPISCH 25th Anniversary『Tag of war』Vol.4

LÄ-PPISCH 25th Anniversary『Tag of war』Vol.4@SHIBUYA-AX

マグミがこう言っている。もうその通りで、秘密も何も言葉に変換出来ない思いみたいなもので頭がパンパンですわ。だからもー何をどう延々書こうとも結局は内緒です。あの日あの場にいたひとたち全員が、一生の秘密を抱えて帰っていったんだ。マグミうまいこと言うわ。

具体的な内容についてはきっとこれから忘れていく。でも、あのとき感じた手触りのようなものは憶えておきたい。この前観た舞台作品で、長塚くんが書いた台詞を思い出す。「そういうのは、憶えておけば、いいんですよ」。映像が残っていなくても、音源がなくても、その思いを憶えておけばいいのだ。でもせめて、その手触りすらも忘れそうになるようなことに直面したとき(それは人生が続く限り絶対にあるものだ)のために、メモ的なものを残させてください。この日のことを思い出すだけでちょっとの間笑顔になる、ちょっとの時間辛いことを横に置いておける、それってすごく大きなことで、そういう思い出を持てたのはとても幸福なことなのだ。音楽が好きでよかった、このバンドが好きでよかった、同時代にこの音楽を聴くことが出来てよかった、そういうようなこと。

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・ARCHIVE | LÄ-PPISCH OFFICIAL WEB SITE
セットリストといい画像

(追加)・The Breathless: Thank You!the telephones、奥田民生!
マグミもドキドキしてたんだなあ

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・LÄ-PPISCH+奥田民生 25周年記念対バン企画「Tug of war Vol.4」に行った人! - Togetter
セットリスト詳細もこちら。このまとめ作った方も“内緒”のニュアンスを大事にされていて、なんだかジーンときてしまった

・佐々木美夏さんが観た『Tug of war Vol.4 / LÄ-PPISCH & 奥田民生』- Togetter
上のまとめと被っているところもありますが、僭越乍ら佐々木さんのツイートのみのまとめを作成させて頂きました

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・奥田民生 × 阿部義晴 × MAGUMI " I'm only sleeping " ~ " Bluebird "



アニキが3月3日のライヴ後FBに張っていてくれたもの。グッジョブ過ぎる。そうだービートルズと言う共通点があったんだわ。何せTag of warですし

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・レピッシュと奥田民生、一夜限りの新バンド結成で名曲連発! | NEXUS NEWS
「変幻自在なサウンドとやりたい放題のパフォーマンス」、そうそう(笑)。このシリーズのNEXUSライヴレポート、ずっと柴那典さんが書かれてますね。クラブミュージックに強い方と言う印象があったのでへええと思っています。
そしてのわー!となったのはカメラマンが緒車寿一さんだったこと。長年レピッシュの撮影をされてる方です

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以下おぼえがき。

・一応書いておくとアンコールの「ありがとう」はレピッシュのではなく井上陽水奥田民生の方です

・対バンVSではなく「LÄ-PPISCH & 奥田民生」と言うクレジットはこういうことだったのか。後日恭一が日記にこう書いていたけど、その“苦肉の策”がこんな形で結実すると言うところが、“流石我々!!”ですね、いやもうホントに

・twitterにも書いたけど、2008年の自分に四年後民生の「プレゼント」がライヴで聴けるどころか演奏がレピッシュで、それどころかレピッシュの演奏で「大迷惑」とか聴けるぞと言ってやりたい、十年前の自分に一ヶ月で四回レピッシュのライヴが観られるぞと言ってやりたい。そして二十年前の自分に、おまえが今夢中のバンドにはこれからいろんなことが起こり、悲しいことや辛いことが幾度となく降り掛かるけれど、それを通過した強さと笑顔を見せてくれるぞ、25年の時を過ごしたからこその音を聴かせてくれるぞと言ってやりたい

・とにかくいろいろあったのですが、ステージ上のこと以外で印象に残ったことと言えば観客の様子。レピッシュの演奏が始まったとき、民生が登場したとき、それぞれにいろんな反応があったけれど、それらが明らかにカオスに陥ったのは「プレゼント」からだった。ここからのフロアの雰囲気…歓声、どよめき、悲鳴、笑い声が凄まじい速度で入れ替わる、沢山の、それはもう夥しい程のさまざまな感情が入り交じった空気。これはちょっと忘れ難いものだった。今でも思い出すと鳥肌がたつ

・思い込みかもしれない。でも、直前の恭一のギターノイズから「きた、『プレゼント』だ!」と言う空気でフロアがピンと張りつめたように感じた。レピッシュのライヴに民生を迎えるとなれば、この曲をやらない訳がないと思っていたひとは多かっただろう。イントロが始まったときのわっ、と言う歓声には、「とうとうこれをライヴで聴けるときがきた」「しかもバックを務めるのがレピッシュのメンバーだ」「そしてこれは、上田現の曲だ」と言う、願いが叶ったこと、それが予想を上回る編成だったことへの繊細なニュアンスが含まれていたようだった

・あの高音を地声で唄い切った民生(まさに渾身、だった)、それを迎え入れ、共に歩を進めるかのような恭一、tatsu、矢野さん、奥野さんの演奏。それを舞台袖で聴いていたであろうマグミ。恭一言うところの“戦友”だ。そしてそれに聴き入る観客たち。現ちゃんへの悼み、曲を残してくれたことへの感謝。そしてその曲と言うものは、演奏されること、聴かれることで何度でも甦る。あの場には音楽への敬意があった

・続いて「マシマロ」、乗ってるバンドにしか出せないドライヴ感で一気に後半戦へと走り出す。ここからレピッシュと民生(カヴァー含む)のナンバーを交互にやっていく訳ですが、まあまさかここ迄ガッツリ組むとは。リハを二日やったと言っていたのでこれは結構共演曲があるのだな、「プレゼント」と何だろう…と思ってはいたが……イントロが鳴る度ものすごい歓声が上がったのだけど、やはりそれが最大になったのは恭一が「大迷惑」のあのリフを弾き始めたとき。あのときの会場の混乱っぷりは筆舌に尽くし難い。驚きと歓喜が入り交じったどよめき、悲鳴、叫び、それらが波状で爆発した

・恭一は得意満面な笑顔。後ろの段差があるエリアで観ていたのですが、そこからでも恭一が満面の笑みだったのが判ったよ。自分視力はかなりいい方なのですがそれだけではないな、恭一の口が大きいからだな(笑)そしてきっと、笑顔の伝達力みたいなものがすごく大きかったんだと思う

・で、この辺り後日落ち着いてくる毎に思い返していたんですが、今のレピッシュの演奏、すごくいいんです。いや前から演奏力のあったバンドだけど、そしてそれがバカ度のせい(おかげ)で伝わりづらいところも魅力なんですけど、今の編成、演奏力とはまた別のアンサンブルと言うか…プレイヤーの呼吸が合っている感じ。矢野さんのドラミング、奥野さんのピアノ、オルガン(ときどき巧過ぎて我に返るが(笑)いやほら現ちゃんの演奏はそりゃもう独特のものだったから)と、恭一、tatsuの演奏のバランスがしっくりきている

・雪好が辞めて、矢野さんを迎えて、現ちゃんが辞めて、増井くんがPercやKeyを兼任して、現ちゃんの追悼ライヴでは松本大英がマニピュレーションを担当して、と言った紆余曲折を経た上での今だ。しかも唯一埋められていなかったパート、Saxを今では奥野さんが吹いている(笑)

・こうなると今年出すと明言された新譜も楽しみで仕方がない!

・レピッシュの面々による民生の曲の演奏がまたよかった。「演奏すげー巧いバンドだな!」と改めて思った。勿論巧いだけじゃない。「イージュー★ライダー」での民生、マグミ、恭一のハモりや「MATSURI・365」での民生と恭一のギターバトル。これを巧いだけで片付けられるか。技術、プレイヤーの華、阿吽の呼吸、そして必ずある毒とユーモア。マジックが必然的に起きるかのようなこのメンツ

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セットリスト(秘密です)

01. miracle
02. COMPLEX
03. HARD LIFE
04. サイクリング
05. ハーメルン
06. ANIMAL BEAT
07. LAULA
08. ガンジー
09. パーティ
10. I'm only sleeping
11. The STANDARD
12. 息子
13. さすらい
14. プレゼント
15. マシマロ
16. スモーキンブギ
17. リックサック
18. イージュー★ライダー
19. MATSURI・365
20. 大迷惑
21. MAGIC BLUE CASE

encore
22. ありがとう
23. パヤパヤ

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数日経ってもまだ引きずっていて、気付けば頭の中で曲が鳴り、ステージとフロアの光景が浮かんでくる。

そうそう、オープニングが素敵だったんです。照明が徐々に落とされ、蝉の声が聴こえてくる。遠くからはお囃子。お祭りがやってくる。やがて雨が降りだし、夕立になり、夜へと向かう(追記:マグミによるとこんな意味合いがあったんですって)。長めのSEに聴き入る観客。そしてメンバーが現れ、大歓声で迎えられる。まるで初夏の一夜の夢のよう。

でもその後のことは、確かに本当に起こったこと。この夜に立ち会えたことに感謝します。



2012年06月26日(火)
LÄ-PPISCH 25th Anniversary『Tag of war』Vol.3

LÄ-PPISCH 25th Anniversary『Tag of war』Vol.3@LIQUIDROOM ebisu

都合がついたのでいてもたってもいられずリキッドへ。ちょっと遅刻したのでthe telephonesは何曲目だったんだろう…でも序盤だった筈、なのにテンションマックスでのわー!となる。初見で、知ってる曲はピカルの定理のop曲「sick rocks」(やってくれた)のみだったのですがいいですねー!keyの子の挙動がすごく変で、ああレピッシュと対バンするならでは…と思ったり(笑)。しかもなんかいい子たちで……「レピッシュ25周年おめでとうございます!25年前、僕3歳でした(客ざわざわ笑)25歳と言えば本田圭佑、結成7年の僕たちテレフォンズは鈴木福くんとか芦田愛菜ちゃん……かな。あと3倍の時間、僕たちもバンドを続けて、25周年になったら歳下のバンドを呼んでこういったイヴェントやりたいです!」やだもーなんていい子たち!(おばちゃん目線)「リアルにディスコ行ってた方々には何がディスコじゃと思うかもしれませんが……」いやそれでいいです大丈夫です気にしないで、ディスコーーー!!!うわーよかったよー。

セッティング間のDJはお馴染みタイガーホールの、と言えばああ!となるひとも多かろう。石川さんでした!

と言う訳で若手をぶつけるとこんなになるか。この負けず嫌い……火事場の馬鹿力つーかバカにしか出せない力つーかもともとのバカの地力つーか、バカの底力見せたる!なステージでした。自分でも何を言っているのか判らない。ああ、私バカでよかった…バカなレピッシュを好きでよかった……!その中にtatsuがいることの不思議をふと思う。

序盤はちょっとあらら、と言う感じではあった。真面目な話をすると高音でトガッた音が多かったテレフォンズの後だったため、PAもこちらの耳も追いつかなかったか、音がこもると言うか低音がぼやける。それにつられてか演奏が若干もたっとなる。そしてマグミの声があまり出てない。声以外は元気と言うか、動きはいつものごとくだったんですが、ちょっと悪循環と言うか…声が出ない分動いて盛り上げて、そうなると速い曲に歌が追いつかなくなる……と言う箇所がところどころありました。この辺りはベテラン(と言う言葉を彼らに使うようになったもので)の技量で乗り切った印象。しかし大丈夫かな…この流れが続くと厳しいな、とは思いました。

そしたら恭一が珍しく感情を前面に出し、なおかつ一音一音丁寧に演奏。「胡蝶の夢」のソロとかはかなり暴れてましたが。このひと基本は冷静に弾いてるけど気分が結構目に見えるじゃないですか。それがもう、この日はすごい気合いが見えてて。この辺り今更言うのもなんだが、クマモト組のつきあいの長さかなと思った。お互い口には出さないだろうけど、どっちかが不調だったらするっとカバーする阿吽の呼吸。増井くんもそれに乗った感じで、このふたりが前半はすごく盛り上げてた感じでした。こういうとこ見るとああ恭一ってリーダーだなあと思う。

それにしても杉本恭一(思わずフルネーム)の格好いいこと。いや知ってた、知ってましたけど、この日は何度も目を見張ったわ…あまりの格好よさに。いい歳のとり方してるなあ、見習いたい!あんな大人になりたい!と思ったり。マグミの声が出ない分恭一の歌部分がスコーンと抜けよく聴こえたりする場面もあり、このひとの声も大好きだなあと改めて思ったりしました。マグミと恭一のハモり、コンビネーションは唯一無二。

そうするうちに段々持ち直してきた。PAの精度も上がってきた。そしておおっと思ったのが、マグミの声、ライヴが進むにつれ出るようになる。本番でコンディショニングしていくと言う……これもベテランの力か?それとも序盤はMCでマグミが言った通りテレフォンズに触発されて「空回り」していたのだろうか(苦笑)。そう言えばマグミ「腰も完治しつつあるけん」と言ってたなー。まだ全快…ではないんですね。でも「若いとき運動してると歳とったときも楽しめるぞ」とも言ってた。やはりここらへん、底力だなあ。「回送電車」「ワダツミの木」のスローで唄い上げた2曲の流れは圧巻でした。いーやーこれはすごかったです、喉が開いた!チャクラが開いた!(え)と言う感じでした。この2曲はもう、マグミに釘付けでしたよー!と言いつつ「ワダツミの木」の恭一のコーラスの伸びも素晴らしかった。

そしてその後の「LOVE SONGS」が見ものでした。この日は客の入りが結構緩かったのです。火曜日だし、レピッシュは翌々日に民生との対バンが控えているし、と言うこともあったのではないかな。フロアに隙間が多いので今日はクラウドサーフはやらないだろうな…と思っていると「LOVE SONGS」のイントロ。えーどうすんの、と思っていたら飛び込みましたよ。もうフロア大慌て(笑)あわわわわ!マグミを落としちゃならん!と中央にわあっと走っていくひと多数。で、ひとが中央に密集すると後ろが空くんです。柵迄足りない!(笑)ど、どうする!慌てて前にいたひとたちが後ろに回り込んだり、上段にいたひとたちがフロアに駆け下りたりの大わらわ。最後の方は送ると言うより皆で柵迄マグミを担いで運ぶ、と言う……文字通りマグミ神輿。もう爆笑。

往復中間点のすぐそばにいたんだけど、復路のとき両手を拡げてそのまますうっと倒れたマグミを見て、あまりの美しい光景に涙ぐんだ。何度か見てはいるものだけど、やっぱり感動するなあ…この日はひとがそんなに密集していなかったから尚更。フロアを信用してないと出来ないことだよね…美しい共同作業ですよ!素敵な関係だよ!そんなだったのでこの日の往復はすごい速かったです。恭一 「速い!今日は速い!」とまた言ってた。そしてマグミが帰ってきたら今度は奥野さんがショルキー持ったままフロアに跳ぼうとして(と言うか乗り込もうってな態)やはり慌てて下から支えられていた。その奥野さんのお尻を支えていたひとのなかに知人がいたと後で知ってまた笑った。

奥野さん、ここで暴れたから「Poor Boy」のソロまわしのとこで音が出なかったんじゃないの……あんな大事なところで。一瞬皆ポカーンとなりました。そうそれはまるで上田現…そんなとこ迄引き継がんでいい!て言うか現ちゃんのイタズラだと思ってもいいや(笑)。

こうなるとあとはバカ力(ばかぢからと言うよりばかりょく)全開。とにかくメンバーが楽しそう、これがいちばん嬉しいことだった。マグミはテレフォンズに倣ってディスコーーーーー!!!!!連発、そのうちメンバー自己紹介にディスコーーーーー!!!!!がつく。ディスコーーーーー!!!!!マグミです。ディスコーーーーー!!!!!奥野です。ディスコーーーーー!!!!!増井です。あんまりやるので「おまえテレフォンズバカにしとるやろ!」と言った恭一もディスコーーーーー!!!!!恭一です。こうなるとtatsuへの期待が高まる…tatsuもディスコーーーーー!!!!!て言おうよ!て雰囲気になる……そしたらtatsu、帰ってしまいました(爆笑)「ほらあtatsu怒っちゃったじゃなーい、そうだtatsuの分おまえらがやれ、ターツー!!!ディスコーーーーー!!!!!オーディエンスですって言おう」……これを素直に笑顔全開でやってしまう、このバンドにしてこのファンですよ。ドリフか。やったらマグミに「おまえらバカじゃねえの」って言われたよ。そりゃそうだよレピッシュのファンですからね。あーバカでよかったー!

アンコールは「美代ちゃんの×××」のあとフロアから「パヤパヤー!」の声が飛び、「実はそうなんです、パヤパヤなんですよ」とマグミ。Sax持って出てきた奥野さんを指して「ほらね」「お客さんのリクエストにも応えないとね」。何、こんなマグミ気持ち悪い……と思っていると吹き始めたイントロは出ました「KU・MA・MO・TO」!!!いーやー最高だわ、こういうとこがレピッシュだわ(笑)てか奥野さん、「KU・MA・MO・TO」も吹けるようになったんかね…どんだけ。テレフォンズファンの子たちがこの曲を「パヤパヤ」だと憶えて帰ってたらどうしよう。いやもうすごくよかった、行ってよかった!

その他。

・どの曲だったか、ハンドマイクで唄ってる間にマイクスタンドをスタッフに片付けられて、Tp吹く段になって「スタンドどこ?」と一瞬ぼんやりしたマグミにウケた。そうだったこのひと手のかからないひとで、ステージ上のこまごましたもの自分で片付けるんだよね…

・以前脱いだ服を律儀にたたんでドラム前に置いてたらそれはやめろって言われたって話あったなあ(笑)

・そんなマグミ、この日は白シャツ+ハーフパンツでちょー格好よかったです。「LOVE SONGS」前に脱いだけど、たたんでたか迄は見えなかった(笑)

・いやー久々に「ストリッパーズ」聴きたくなりました。これ随分やってないよね

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セットリスト

01. MAGIC BLUE CASE
02. Control
03. Yeah! Yeah! Yeah! 〜Beat Up And Down〜
04. プライベートビーチ
05. 胡蝶の夢
06. water
07. F5
08. VIRUS PANIC
09. 回送電車
10. ワダツミの木
11. OUR LIFE
12. LOVE SONGS
13. Poor Boy

encore
14. 美代ちゃんの×××
15. KU・MA・MO・TO

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NEXUSのライヴレポートはこちら→・『レピッシュ×the telephones、世代を超えた狂騒が実現!』



2012年06月23日(土)
『猫背シュージ vol.4』

『猫背シュージ vol.4』@下北沢SHELTER

猫背椿×オクイシュージのミニトークライブ&猫背椿の美味しい料理をいただく会=『猫背シュージ』第四回、ゲストは峯村リエさん。vol.3は五月に開催されたのですが、ナイロンの観劇日と被っちゃって行けなかったのね…皆勤してたのにー(泣)。今回は行けてよかった。しかし二ヶ月弱のスパン、なんでそんな間を詰めて……と思っていたら、成程猫背さんが産休+育休に入るからですな。と言う訳で次回vol.5はいつになるか不明、早くても一年後になるだろうとのことでした。猫背さん元気で元気な赤ちゃん生んでね!

現在妊娠八ヶ月、予定日は九月との猫背さんはツナギで登場。格好いいー。ツナギだとそんなにお腹目立ちませんね、座ると判るくらい。胎教も考慮してか、あまりこどもに悪影響のない内容に……との気配りもあったようななかったような。面白動画を観るコーナー、いつもは気味悪いものを選んでくるオクイさんがそうじゃないもの出してきたり。しかしオクイさんが先日迄やっていた国産第1号の公演を猫背さんが観たと言う話題になり、あれは胎教には悪いわなと猫背さんもオクイさんも思ったそうです。確かに……(笑)。オクイさんもそこんとこ心配したそうですが、それを受けて猫背さん「でも私、大人計画育ちだから」。オクイさん「そうだよね!」。確かに(再)。でもオクイさん「でもお腹の中にいる子は大人計画育ちじゃないから!大人未計画だから!」とこんなとこにも気配りしてましたよ…A型……。

そうそうこの日は血液型ネタで随分いじられてましたオクイさん。いや血液型に限らず全体的にいじられてました、隙だらけで。自分とこの公演が終わってホッとしてたのかも知れないね。言動がおかしくて猫背さんにもリエさんにも「かわいい」連発されてました(笑)。『ふくすけ』の稽古に来週から入るとのことで、松尾さんがやってきた役を今回自分が演じると言う緊張でもうどうにもこうにもって話をしてましたよ。で、オクイさんその『ふくすけ』公演期間中に誕生日を迎えるそうで、祝ってもらえると照れちゃうしでも祝われなかったらどうしよう、と今からその心配をしていました。

峯村さんとオクイさんが初めてちゃんと共演したのはサモ・アリナンズの公演で…と言う話になってはっとする。オクイさんが急遽出ることになって、稽古が一週間くらいしかなくて、切羽詰まっていて、そんななかオクイさんがすごく明るく積極的にコミュニケーションをとって…リエさん曰く「全然ひとみしりなんてしなくて、出演者の輪の中にすっと入ってきて。それが今では……数年の間に何があったの?って……」「稽古場で、後ろから急に抱きつかれたのよ!『なに!?』ってビックリして振り向いたら笑顔で『ビックリするんだ〜』って言われたの!」。対してオクイさん「…全然憶えてない……」。ははは(苦笑)。

楽しいトークライヴなので詳細は話していなかったけど、『AB男』のときだ。初日直前に倉森さんが入院、代役としてオクイさんが出演…と言うことだったが、実はそのとき既に倉森さんは亡くなっていた。サモアリはとにかく笑えて楽しい作品を提供する劇団なので、公演が終わる迄このことは伏せようと言うことになり、全てが終わった後に訃報が伝えられた。あのときの小松さんのこと、峯村さんの言葉、赤堀さんが書いたこと。あの状況で幕を開ける決断をした出演者、スタッフ。出演を引き受けたオクイさん。胸が潰れるような出来事に直面しても舞台に立ち続けなければならない役者と言う仕事、舞台に関わる者の覚悟について。いろいろ思い出した。

峯村さんが健康に入団する前の話が聞けたのは貴重だったなー。素で話してる様子もちょー素敵でした。大好きー!

今回のひとくちお惣菜は人参のポン酢和え。毎回そうだけどおいしかったよー。レシピはこちら。猫背さんこういう「名前のないおかず」みたいな副菜いろいろ知ってていいー。またウチでもやってみよう。そして猫背さん、Wikiに徳島生まれ杉並育ちと書かれているけど「徳島行ったこともないし杉並に住んだこともない」そうで、「あれ誰が書いてんのかなあ?でも直せないし、直し方も判らないし…なので香川へ讃岐うどん食べ歩き旅行に行った際徳島にも行ってきました。すんごく時間ない中無理矢理行ったんだよ!」。そういう心意気が大人計画育ち(笑)。徳島で撮影した写真を皆で見てゲラゲラ笑ったりしました。先だけど、次回も楽しみにしてますね。



2012年06月22日(金)
『南部高速道路』2回目

『南部高速道路』@シアタートラム

と言う訳でリピートしてきました。原作も読んだ。今回は南ブロックE列、入退場しやすいかと通路側をとったのだが、その通路に補助席が入っていた(笑)みしっとな。

誰がどうなる、と言うのを知った上で改めて観ると、ああ、あのときの彼(彼女)の言動が彼(彼女)に影響を与えていて、ここに繋がるんだ、と言うのがより見えてくる。勿論一回観ただけでもそれが伝わるように作られているが、舞台では結果が出たとき「ああ、あのときの」と思い返して確認したくても絶対に巻き戻しは出来ない。それが醍醐味でもあるのだが。

最初に自分の持っている食べものをひとにあげよう、と行動したのはグロリアだった。いろんな申し出を断り続けていたバスの運転手が、それを初めて受け入れたのはグロリアからゼリーを貰ったときだった。ワーゲンの彼は無邪気に食べる。だからワーゲンの彼女は理不尽に高い食べものを買ってしまう。レガシィのふたりの親密度、デリカのふたりの気持ちの距離。トラブルが起きる前、デリカの彼女にミニカの女性は亡くなった自分の娘の姿を重ねる。マーチの彼は自由に時空を往来する。

実のところ、それが確認出来たから何か大きな謎が解けるとか、そんなことはない。でもリピートしたのは、あの登場人物たちにもう一度会いたかったからなんだ。毎日二時間(あるいは四時間)だけ世界に存在する登場人物たち。毎日生まれ、毎日崩壊する共同体。今では芝居がハネて(書いてるのは千秋楽の翌日)、もうどこにもいないひとたちだ。わーさびしい、あのひとたちはもうどこにもいない。でも、観客ひとりひとりの「この一歩、の中に、ぜーんぶ入ってる」と思えば、いつかまた会えたりすることもあるかも知れない。

とポエムっぽいことを書きつつ現実的なことを言うと、SePTのこのシリーズ…『エレファント・バニッシュ』にしても『春琴』にしても、ワークショップを重ねて小説を舞台に立ち上げた作品は再演されているので、この『南部高速道路』も再演があるのではないかな…と思っています。て言うか再演してほしーなー。また観たいよ、また会いたいよ。

ところでここで、千秋楽後に気付いてこの作品により愛着が生まれた話を。THE SHAMPOO HATの春の公演『一丁目ぞめき』で、赤堀さんがやった役は「今度バスの運転手になるよ」と言うのだ。日比さんのツイートを見た赤堀さんがブログに書いていた。そ、そうだった……!!!あのお兄ちゃんがようやく就いた定職、その仕事先で…そしてその様子を弟が見にきて……なんて妄想するとこれがまたうわーんてなるのよ!あああ、あのお兄ちゃん今頃何してんだろ。



2012年06月17日(日)
六月大歌舞伎 昼の部

初代 市川猿翁 三代目 市川段四郎 五十回忌追善
六月大歌舞伎 昼の部@新橋演舞場
二代目 市川猿翁 四代目 市川猿之助 九代目 市川中車 襲名披露
五代目 市川團子 初舞台

『小栗栖の長兵衛』『口上』三代猿之助 四十八撰の内『義経千本桜 川連法眼館の場』市川猿之助宙乗り狐六法相勤め申し候。先週夜の部での猿之助さんの口上によると「最初古典歌舞伎とスーパー歌舞伎を昼と夜でやりたい、と言ったら、無理です、と言われました」そうです。でもスタッフの実力と決断力で実現してとても嬉しいと仰ってました。

『小栗栖の長兵衛』にしても『ヤマトタケル』にしても、作品選びは猿翁さんと猿之助さんと松竹の意向をすりあわせるのでしょうが、なんとも役者陣の背景を感じさせるものが揃った。すごみを感じさせるもので気持ちが沸き立つ反面恐ろしくもあります。それを観られる機会を得られたことにも。息子との和解に時間がかかった『ヤマトタケル』の帝、はみ出し者があることをきっかけに受け入れられる長兵衛。思いを巡らせずにはいられませんでした。

それはともかく中車さん、愛嬌のある乱暴者キャラクターがとてもかわいらしい。しゃがれ声が長兵衛らしいなあとすら感じられるし、台詞の聴こえも全く問題ない。香川さんの舞台は2003年、蜷川さん演出の『桜の園』以来でしたが、このときも力の入った台詞回しで声はしゃがれ気味、でも言葉がかすれると言うことはなかった。なのでもともとこういう喉なのかな…と思ったりしたのですが、七月もみっちり舞台は続くので、千秋楽迄もつといいなあと思いました。話の筋も分かりやすいもので言葉も比較的現代のものだし、門出を祝うにぴったりの作品だと思いました。巫女小鈴役の春猿さんが相当おかしかったです、細かいところで笑えることを沢山やってた(笑)。

口上。藤十郎さんがまとめておりました。彌十郎さんの裃、マカロンカラーのような明るい橙色。すごい綺麗だったー。大和屋さんとこは彌十郎さんだけだったのですごく目立ってました。あーもー素敵ー!そんでまた彌十郎さんの口上がすごいよかったんですよ……「25歳で父を亡くし、お兄さん(猿翁丈)に指導を受け、演出やオペラについても教えてもらった、海外にも連れて行ってもらった、おいしいものも沢山教えてもらった。今の自分があるのはお兄さんのおかげ。猿之助さんの初お目見得は『義経千本桜』の安徳帝、私が抱っこして舞台に出た。手がしびれた。中車さん、團子さんとも、もう思い出もいくつか出来た。團子さんに楽屋や廊下で遊んでもらっている」。ううううう〜(笑泣)。寿猿さんの「先代の團子が猿之助襲名のとき口上に出たが、あれから50年経ち再び列座に……」には客席からどよめきと拍手がわきました。

猿之助さんの口上は、初日に出たニーチェの話はしませんでしたが、亡くなった方や目に見えない存在に対しての敬意と感謝を表したところがらしくてよかったな……。中車さんは決意の程がひしと伝わる口上。團子ちゃんは例の口上で(おじいさまより立派な歌舞伎役者に〜☆)かわいかった。

そして最後に猿翁丈が登場。その姿に客席が一様に息を呑む。声が殆ど聴き取れない…それでも舞台に現れる、その執念と役車魂に触れるひととき。客席各所ににらみをきかせ始めると、弾かれるように拍手がわきました。幕が下りた後の客席には、普段とは異質な空気が流れていました。

さて『義経千本桜 川連法眼館の場』!四代目の源九郎狐は利発でやんちゃな仔狐でした。ほろりほろり(涙)『渋谷亀博』で上映されていた四ノ切ドキュメントを思い出しつつ観ました。

それにしてもホント…声、言いまわし、似てる……三代目から受け継いだものをまずビシリと見せる、と言う思いもあるのかも知れません。しかし仔狐!ちょーぎゃわゆい!欄間から降りるところだけちょっともたっとなるのですが(これを六十代で軽々やってた三代目のすごさを改めて思い知る)あとはもー、こ・ぎ・つ・ね!!!ぎゃわういー!仕草となるとこちらが「声似てるう」と思わなくなるのですっかり四代目源九郎狐の虜です。いやもうたまらん。最後の天に昇っていくとこなんて、ワイヤー何それみたいなはしゃぎっぷりで(いや役が)こっちがビビる。吊られた状態でむちゃ暴れるのよ…コワい!けどちょー盛り上がる!静かで優雅な『ヤマトタケル』の宙乗り(穏やかに天に召されるところだからね)とはまた違う高揚感。そういえば昨年の『當世流小栗判官』がむっちゃヤッホーな宙乗りだったなと思い出した……いやあ昼夜で違うタイプの宙乗り、陰と陽両面の役柄が観られてよかったなー。キャッキャする亀chいや猿之助さん、観られるの嬉しいし楽しい。

藤十郎さんの源義経、秀太郎さんの静御前はともに初役だったとのことで、歌舞伎の奥深さにまた感じ入ったり。秀太郎さんのブログによると今回幕切れの演出を変えているそうです。変わり続け、そして変わらない歌舞伎の大きさ。表方裏方ともに激務だと思います、無事千秋楽を迎えられますように。

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帰りに歌舞伎座にいらした吉積サイモンさんのお店『菜紋』に行きました。おいしかった!演舞場からも歌舞伎座からも近く、昼の部の前にも来られるようにか?朝7時〜の営業です。今度モーニングでも行ってみたいなー。



2012年06月16日(土)
『南部高速道路』ポストパフォーマンストーク(6/14)

『南部高速道路』ポストパフォーマンストーク@シアタートラム

14日の上演後、ポストパフォーマンストークが行われました。出席者は長塚くん、赤堀さん、司会進行に大堀久美子さん。興味深い話が沢山聞けました。以下おぼえがき。記憶で起こしているのでそのままではありません。

大●今日は初のトリプルアンコールでしたね、観ていたこちらも嬉しくなりました
赤●今日のお客さんは優しかったんだ(と言いつつ嬉しそう。トリプルのとき最初に出てきた赤堀さんの困惑笑顔はよかったわー)

大●ワークショップ(以下WS)含め、どういう風に稽古を進めたのですか?
赤●もうねえ、演出家はどSで、我々はどMで。延々と…ストーリー上渋滞は解消する、と言うのは判っているんだけど、それがいつか、と言うことは設定しないで「何時間後」「何日後」「何ヶ月後」ってエチュードをずっと……
長●(ニヤニヤ)
大●ええ〜…それはまた……
長●去年の4月から何度かやって。エチュードでの反応を見ていって、僕がキャラクターの大枠を決めていきました
赤●いつ迄、どこ迄やるか判らないまま進んでいく。終わったときは新興宗教から脱会したときのような爽快さがありました。泣いちゃうひともいたり、それを見て俺も泣きそうになったり……気持ち悪いでしょ?(笑)
長●「じゃあ○時間巻き戻して」とか「今やったここからここ迄をもう一度再現して」とかもやったね。でもね、30〜40分くらいのものなら完璧に再現出来ちゃうんですよ。これって役者の生理と言うか、役者と言う生き物…の集中力……ですよね
赤●気持ち悪いでしょ?
大●(笑)

長●どこ迄細部を特定するか、も考えました。最初は東名…中央高速とか、具体的に決めていたんだよね
赤●そうするとどこかに嘘が出てくると言うか、それならここも考えておかなきゃ、何か訊かれたときに矛盾点が出るかも知れない、となって。やれることの可能性が狭まるので、その辺りは曖昧にしておこう、と
長●車をどう表現するかもいろいろ試したね
赤●車の形を、こうやって作ってもねえ(ジェスチャー。書き割り?)。最終的には傘になった。超リアリズムで生きてきた男なので、最初は恥ずかしかったですよ
長●THE SHAMPOO HAT(赤堀さんの劇団)はセットから徹底的に作り込むもんね。どれをどこ迄具象にするか、ってのは考えた
赤●食べ物とかね
長●客席も車のシートっぽくして。二人掛け、三人掛けって感じで色を変えて。お客さんも車に乗って渋滞にはまってるんだよって…でも、お客が入って座っちゃうとシートの色がどんどん見えなくなって、結局なんだか判らなくなっちゃうんですよね。あんまり効果がなかった(苦笑)

大●そうやってエチュードで作り上げたものを、ひとつの完結した作品として本番で上演し続けることに関しては。コンディション作りが難しそうですね
赤●勿論役の上で、ですけど、黒沢あすかに啖呵切られたり、安藤聖に半笑いで返されたりすると傷つくと言うか(笑)痛みを感じる自分がいる。その痛みをどう自分の中で解決していくかを考え乍ら、慣れないように。演劇は嘘ですし、お客さんも嘘だと解って観ているけど、そこには実際人間がいて、何かをしている…自身が投影されるのでキツい反面リアリティが出たんじゃないかと
長●そもそも渋滞が一年続くってことがもう嘘でしょう、って話ですしね。いつ渋滞が解消するか判らない中で、体力的にも精神的にも追い詰められる。そのリアリティを大切にしました
赤●起承転結もないような話ですし。いかに嘘を本当にするか、役者の力量ですね

大●観客に話し掛けることについては(観客を渋滞にいるひとに見立て、「大丈夫ですか?」「何か持ってませんか?」等と声を掛ける場面がある)。実際何かくれた方もいらっしゃったとか
長●今日は飴ちゃんくれたひとが…あれは何でした?(そのひとに話し掛ける)のど飴だったそうです。あちらの方も…すみませんねえ(笑)とりあえず、相手が反応する迄話し掛け続けると言うのは決めていました
赤●未來みたいに待ってたひともいたかもね(思い出し笑い)
長●あはは(笑)あの、森山未來が観に来て、彼は南ブロックの後ろの方にいたんですけど、「俺はバッグのなかに電池をふたつ持っている……!」「何故こっちに来てくれないんだ!」ってずっと思ってたんですって(全員笑)終わったあと楽屋で「なんで来てくれなかったんですか!」って言われて。まああんまりやるとノイズが増え過ぎる危険性もあったし、その場にいる皆に聴こえないと…あまり後ろのブロックだと声が行き渡らないだろうと判断したので。薬くれたひともいたよね(風邪をひいていた登場人物がいたので)、葛根湯
赤●もう効かないですけどね(全員笑)
大●葛根湯は初期段階用だから(笑)
赤●熱が出ちゃったらもう効かない

大●最後のシーン、赤堀さんが残ることについては。どうやって決めたのですか?
長●自然とそうなりました。稽古では全員しばらく歩き続けていて、それを見乍ら僕が「誰々さん抜けて、誰々さん抜けて」と声を掛けていっていろいろ試したんです。バスの運転手さんが残らないこともあった。でも、これ迄の流れでグロリアの彼女とバスの運転手さんの関係の変化を皆知っているから…やっぱり最後に残るのはバスだな、と

大●赤堀さんもご自分の劇団でも若いひとを集めてWSをやっていましたが、違い等はありましたか?
赤●自分のとこでやったときうまく行かなかった部分の対応が解ったりして。今後の参考になりました
大●赤堀さんの方に長塚さんが参加したり、ってのも今後あるかも知れない?どうですか?
赤●そうですねえ…でも高いんでしょ?(全員困惑笑)
長●そっ、そんなことない、そんなことないですよ(笑)
赤●え〜、そうかなあ、先輩〜
長●先輩って、そっちの方が…あ、でも、同期なんですよね。歳は違うけど阿佐ヶ谷スパイダースを立ち上げた年と、THE SHAMPOO HATの旗揚げって
赤●そうなんですよ。機会があれば是非、ね
大●赤堀さん、次の長塚さんの『浮標』にも参加されますしね
赤●ええ、俳優として(キリッ)
大●なにその口調(笑)
赤●いや、俳優だから
長●(笑)宜しくお願いします

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・赤堀さん、難しいわ〜(笑)

・赤堀さんがトーク中は長塚くんのことをずっと「演出家」と言っていたのが印象的。一回「長塚…」迄言いかけて「演出家」と言いなおしたくらい徹底していました

・そういえばそれでふと思いましたけど、登場人物は車種名で呼び合っても、バスのことはバスさんって言われてなかったような。基本バスの運転手さん、でしたね。バスさんって言いづらいからかな(笑)

・大堀さんの話の進め方がテンポよく面白かったー



2012年06月15日(金)
『ラブストーリー〜don't let me down〜』

国産第1号『ラブストーリー〜don't let me down〜』@下北沢OFF・OFFシアター

オクイさんの頭の中を覗いてみよう。一筋縄ではいきません、痛くて笑えて恐ろしくて安堵してぽーんと投げ出されて幕。爆笑と震撼を急転直下で行ったり来たり、演出は80〜90年代小劇場を彷彿させるテンポのよさ、音楽の使い方にも懐かしさを覚える。

んん?懐かしさ、とはまた違うかな。出自が見える、と言えばいいか。演劇にもいろいろあり、作る側がどこで育ったか、観る側がどこを観てきたか、による、共通認識みたいなものがある。と言う訳で身構えることなく観ることが出来たのですが、オクイさんのこれ迄の作品とは違うテイストだったとのこと。確かに自分がこれ迄に観たオクイさんの作品って、サモアリにしてもコント集的なものにしても笑えるものばかりだったので驚きましたし、その反面納得もしました。何事もとことん突き詰める、何事も振り切る迄やる。それは出演者全員がそうだった。そして皆すごく格好よかった。

謎解きもあり、人間の業の深さもあり。性別や性的嗜好に正解はなく、弱さがない人間はいない。そしてお互いに愛情を持っている。だいじな誰かのために何かをする。パズルのピースが全てはまったとき、生き残れるひとはいない。オクイさん「観たひとから優しくされる」と仰ってましたが、確かに心配になりますわ。それにしても文章で表すのが難しい。とても笑ったけど、とてもドン退きしたし、とてもせつなくなった。

しかしオクイさんのブリーフ一丁とわかまどかさんのボンデージ(いやしかしすごい似合ってた…ちゃんと身体鍛えてそう。劇中に出てきたグレイシー柔術ホントにやってるのかもと思った)は登場時すごいインパクトですごい笑ったんですが、その姿のまま舞台上にしばらくいると違和感なくなるんですよね(笑)。どんどん深刻な話になっていって、こちらもどよーんと落ち込んで、でも何かの拍子に「いやでもこれを話しているひとはブリーフ一丁…そんなこと言ってるけどSM嬢……」と我に返ってブルブルすると言う。慣れって恐ろしい。

そしてOFF・OFFで観るバイオレンス描写の恐ろしさを久々に体感出来たことも嬉しかったな。観ているこちらにも火の粉が飛んでくるかのような臨場感はあれくらいのキャパならでは。暗転したら本当に真っ暗になるし、ちょっとした音がその後の呼び水にもなる。開幕前にオクイさんが各所でお知らせしていましたが、確かに今回の作品は携帯がなったり液晶画面が光ったりしたら台無しになるシーンが沢山あった。開演直前迄舞台上に諸注意を書いたボードを置いておく、と言う提示の仕方もスマート。理想的な環境で観られてよかった。

あ、あとオールビーの『動物園物語』を思い出すモチーフがありました。ベンチ、ナイフ、そのナイフと抱き合う男。



2012年06月14日(木)
『テルマエ・ロマエ』『南部高速道路』

『テルマエ・ロマエ』@新宿ピカデリー スクリーン3

いやー笑った笑った。以下ネタバレあります。

別ものと思いつつも、原作を先に読んでいると…となりがちな映画化ですが、今回それが気にならなかった!原作のおかしみがしっかり活きていて、映画のオリジナル部分の構成にもニヤニヤさせられました。時空を超えるときオペラ歌手が唄い上げるとか、その時空を行き来する(もとの世界に帰る)要因とか。字幕や記号的なギャグ(「BILINGUAL」とか「ワニ」とか)を折り込むタイミングもいいー。

要因と言うのは涙を流すこと(ってところがまたキュンとなっていいわー)で、終盤それが明らかになったとき、ルシウスにその思い当たるシーンがフラッシュバックするんですが、そのいちいちが面白い!悔しくてとか殺虫剤を顔に吹きかけちゃったとかいろいろなことでルシウスは泣くんですが、そのなかにウォシュレットを使って悦楽お花畑、のシーンも含まれるのです。リアルタイムでは見落としちゃったんですが、ここがフラッシュバックしたってことはルシウスはウォシュレットの気持ちよさ+感動で涙を流したのね!な、泣く程だったのね…と二段で笑った……。

阿部さんは右目だけから涙をすーっと流すんですね。これがまた絵になりました。時空超えとは関係ないシーンですが、ハドリアヌスに「二度と私の前に現れるな」と言われたときの涙のシーンはせつなかったー。真顔にもいろんな表情があって素敵でした。ルシウスをヘルパーさんと勘違いしたおじいちゃんにシャンプーハットの使い方を教えてもらってるときの、ずーっと変わらない真顔がすごい笑えた。ここ編集のテンポも絶妙でした。

平たい顔族の面々もいいカオばかり!竹内力がこっちチームに入っているのが不思議でしたが、平たい顔族の血気盛んなとこ見せたれな後半の仕事っぷりに納得させられたり。あとねことかろばとかちょこちょこ出てくるどうぶつもかわいかったー。

平日昼間だったせいか、客席に平たい顔族のおじいちゃんが沢山いたことにもほっこりしました(笑)あー温泉行きたい。

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『南部高速道路』@シアタートラム

面白かった!面白かった!(二回言う)うわーリピートしたいよー!

『LAST SHOW』の頃だったか、長塚くんが「観客を巻き込むプロレス的な力」の話をしていましたが、今回その「プロレス的な力」とは違う形で、観客が舞台上の状況に引き込まれる、登場人物たちと共にいるかのような劇世界が提示されます。ある種の約束を、演者と観客が結ぶ。そこには風通しのよさがありました。長期に渡りワークショップを重ねて作り上げたもの、そして長塚くんがここ数年(殊に英国留学から帰還後)模索してきたことのひとつの成果としても興味深い作品です。面白かった!(三回目)

『エレファント・バニッシュ』『春琴』もそうでしたが、この辺りは公共機関の体制があるからこそ、だと思います。ああ、こういうのは大事にしたい…大阪の文楽じゃないけど、世知辛い昨今こういうとこの予算から減らそうって風潮にはもやもやする…悲しい……。

話が逸れた。以下ネタバレあります。

個人の好みもあるかと思いますが、今回の作品は観客の想像力を信用するバランスが絶妙でした。野田さんが『THE BEE』のパンフに書かれていた「小道具の“見立て”」の、観客への伝達方法がスマートで押し付けがましくなく、なおかつ視覚的にも鮮やかです。傘を持ち歩き回るひとびと、傘を拡げ、列に並び、傘と荷物を床に降ろす。渋滞が出来上がる。車扉の開閉を、傘を転がすことで表現する。このシーンの頃にはすっかり演者と観客の了解が出来ている。

渋滞解除の鍵となる腕時計は私の目の前(西ブロックA列)に落ちていたのだけど、それがいつどうやって置かれたのか全く気付きませんでした。最初はなかった、時計はミニの彼女の手元にあった。時間を気にする彼女をしっかりと見ていた。彼女が紛失に気付きバスの運転手とともに探し始める迄、時計のことは忘れていた。彼女の言葉から時計が失くなったことを知り、自分も舞台上(=真夜中の道路)に目を凝らした。勿論見付からなかった。しかし話が“そこ”に辿り着き、時計の存在が必要になったとき、それは目の前に落ちていた。冷静に考えれば、付近にいた役者さん(多分菅原さん)が寸前に持ち込んで置いたのでしょう。でも、目の前で行われた筈の仕掛けに、私は全く気付かなかったのです。

構成・演出の手腕によるところも大きい。エピソードの数々は、原作にある要素と、ワークショップで練られた要素の両方があると思われます。舞台のあちこちにコミュニケーションがある。同時多発の会話、各々の行動の変化。ステージは四方を客席に囲まれている。座る位置によって見えるもの、聴こえるものは微妙に異なる。しかしこのシーンのキモはここ、と言う誘導がしっかりしている。観客が至近距離にいる登場人物に興味を示していても、キーとなる部分を逃さないようにする態勢が舞台上に整っている。同時に、逃すようにするフックもあったように思う。

時計の紛失から発見迄、時間にして数十分。しかし(舞台上には)膨大な時間が過ぎ、(舞台上では)さまざまなことがらが起こった。「この一歩、の中に、ぜーんぶ入ってる」と言う台詞に象徴されるように、ミニの彼女が時計を失くしてから再び時計を見付ける迄、世界の全てが――時間も、空間も、ひとびとの存在も――舞台上にあったのだ。老人は行方不明になり、命の灯火が消え、新しい命が母胎に宿る。膠着した世界に共同体が生まれ、異常な状況は日常になり、変わらぬ日常は動き続ける時間の中にしかない。この状態が永遠に続くことは決してないと知っているから、彼らはお互いを車種名で呼び合う。いつか離ればなれになる、そうなったら二度と会えない。予感通りあっけなく共同体は崩壊し、そして皆お互いを忘れていく。忘れられない思いは個人の「この一歩」の中に埋もれていく。

現実にも白昼夢にも、瞬間にも永遠にもなる、個人の心の中にあった(かも知れない)約一年の出来事。現在性があり乍ら普遍性をも持つ。

見事な舞台でした。原作はフリオ・コルタサルの短篇小説。物販に文庫があったので早速読んでみようと思います。多分、いろんな意味で驚くのだろうな。

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その他。

・このひとのこれが見たかった!と言う面と、このひとにこんなところが!と思う役者の魅力を両面で感じられたところもよかった

・黒沢さんの仁王立ち、見たいじゃん!啖呵、聴きたいじゃん!そんな黒沢さんがぽろっと泣き出すと、ドキッとするじゃん!怒るとタチが悪いおっかねー赤堀さん、きたきた!女の子にふわりと寄り添う赤堀さん、えー!(おい)

・いやこの辺り、赤堀さんからするとちょーーーーー恥ずかしかったんじゃない…でしょうか……俺のこんな面、観客に見せたくない!みたいな

・あー嬉しかったー!(鬼)

・おにぎり、おやき、ハムサンド、ゼリー…ぐうぐう

・客席にも“見立て”がありました。座席は車のシートのようになっており、数脚毎に色が変わっている。観客は知らない誰かと同乗者になっている。その日たまたま隣になって、数時間を一緒に過ごし、またバラバラに帰っていく

・床面の美術もひとひねりあってよかった。ありあまる時間のなか、こどもが黒い道路に落書きを始める。アスファルトに色とりどりの世界が拡がっていく。しかしその子が手にしているのは何色もあるチョークではなく、銀色に光るコインひとつ。床が二層になっているのです。さまざまな色を敷き詰め、その上を黒く塗りつぶしたシートが床面に張り込んである

・入場したとき靴墨のような匂いがするなあと思っていたんだけどこれだったのか。ところどころに綺麗な色の点が浮き出てきたのを見たときは、靴や引きずった傘の塗装が剥がれたのかなと思っていた。それが何か判ったとき、図画工作の時間を思い出してニッコリしました

・ソフトバンクは繋がらない携帯の代名詞なのか(笑)以前『わが闇』や『アンドゥ家の一夜』でもケラさんにぼろくそ言われてたわー。大倉くんの「ソフトバンク…やわらかい銀行……」て台詞、今でも思い出すと笑える

・あそこで山下達郎を使うところがニクいー!せつないー!

・車種で呼び合うの、伊坂幸太郎が朝日新聞で連載中の『ガソリン生活』を思い出してニヤニヤしたり。いやこれは車の本体同士が呼び合ってるんですけどね

・フェスに参加するひとのイメージをよくしたいと思いました(苦笑)ちくしょー

・真木さん、顔ちっちゃい……!

・黒沢さん、脚長い……!

・菅原さん、間近で見るとお綺麗でスレンダーでおろおろしました

・と言えば菅原さんが近くにきたときいい匂いがしました。いや嗅ぐ気満々だった訳ではなくとても間近に来たので(1m切ってるくらい。ヒー)

・それはともかく菅原さん、場を陽性にする空気を持ってるなー。笑いの要素も勿論だけど、疲弊した集団に安堵を与える役割を担っていました

・赤堀さんがよりむくむくしててほっこりしました

・いやそれはともかく、あのー赤堀さんの難しいところをチャームとして掘り起こしてくれた長塚くんありがとー!と思いました(笑)あののらねことかのらいぬの感じがね!最初あんまりひとと関わりたくない、ひとの世話になりたくないってコートをばふばふに重ね着してたようなバスの運転手さんがちょーチャーミングで!

・だからこそあのラストシーンにはもー涙が出たわ…どこー!?どこー!?ておろおろ探しまわるさまがもー!かわいそうでかわいくて=かわいいそうで!正直萌えました(鬼)

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また長い……。アフタートークのおぼえがきは別日に改めて。



2012年06月09日(土)
六月大歌舞伎 夜の部『ヤマトタケル』

初代 市川猿翁 三代目 市川段四郎 五十回忌追善
六月大歌舞伎 夜の部 スーパー歌舞伎 三代目猿之助 四十八撰の内『ヤマトタケル』@新橋演舞場
二代目 市川猿翁 四代目 市川猿之助 九代目 市川中車 襲名披露
五代目 市川團子 初舞台

お初のスーパー歌舞伎です。お、お、おもしろかった……。3S(スピード、スペクタクル、ストーリー)とはこれか、と。現代語の台詞、展開のはやさ、たっぷりとしたエンタテイメント性。生演奏に限らない音楽、スピーカーを通す効果音、ストロボ等も使った派手な照明。思わず新感線のいのうえ歌舞伎を思い出してしまったのですが、奇しくもスーパー歌舞伎といのうえ歌舞伎が始まったのは同じ1986年なのですね。初演時イロモノ扱いされただろうことは想像に難くない。どちらがより、と言う訳ではないのですが、殊に歌舞伎の世界では、相当の逆風もあったかと思います。

それが今では多数の支持を得、再演が待ち望まれる数々の作品を生み出している。スーパー歌舞伎をジャンルとして確立させた三代目市川猿之助丈と、彼が倒れた後留守を守り続けた右近さんをはじめとする猿之助一門の方々の結束と献身に、心から敬服した次第です。右近さん演じるタケヒコが登場したとき、万雷の拍手が鳴り響いたのにはジーンときました。そして四代目猿之助丈!三代目の『ヤマトタケル』の映像をちらちら観てから行ったのですが、もうそっくりで……声、言い回し。「(猿翁丈には)自分の身体を使って好きなことをやってもらいたい」と言ってたけど、こういうことかと……いろんな意味で鳥肌が立ちました。口上で「歌舞伎のために命を捨てる覚悟」と仰っていましたが、その言葉の重みにひしと感じ入りました。「先代を超えるのは無理。新しい猿之助のファンを獲得していく」との言葉も思い出し、自分は四代目のこれからを観ていくのだなあと思いました。

そして今回の襲名披露に際してこの作品が選ばれたことに、宿命と言うものの意味を考えずにはいられませんでした。父に認められたい、愛されたい一心で戦い続ける息子の物語。そしてその父=帝を中車さんが、父子和解の象徴、ときを受け継ぐワカタケルを團子くんが演じていると言うこと。中車さん、グッとくる熱演でした。團子くんも堂々としたもの。大歓声を受けていました。

と言う訳でいやはやすごかった、ストレートプレイ、ミュージカル、バレエ、京劇、殺陣…どんだけの要素が詰め込まれているかって言う。あの、のんびり観てられません。その分なんてえの、客席が集中してると言うか、観る以外のことが出来ないと言うか、歌舞伎の客席にありがちな、喋ったり動いたり袋ガサガサ言わせたり、てのがない!(笑)ハラハラドキドキほろりの連続のストーリーな上、見せ場の派手さが半端ない。熊襲の戦いの場面なんてどんだけ樽投げるのって言う。伊吹山で雹に打たれる場面も、どんだけ雹飛ばすのって言う…この辺り一歩間違えば大ケガなので(樽も雹もそこらじゅうに転がっているので、うっかり踏んだりしそうで)どうするのかなと思ったりし乍ら観てて、その処理の絶妙さに感心したりする面白さもありました(笑)。一転、タケルが山神の化身である猪(この猪がちょー格好いい。白毛に蒼い斑紋)と戦う場面ではほぼ裸舞台、奥行きをフルに使ってタケルと猪の躍動を見せる。猿之助さんの華奢な身体つきが身の軽さとして映り、若者タケルの俊敏さ、しなやかさが際立つ場面の数々。炎の場面も迫力、京劇役者さんたちの身のこなしにどよめきと大歓声。

毛利臣男氏による衣裳も豪奢、そしてかなり重そう。特に印象に残ったのは熊襲兄弟の衣裳。兄は大蛸、弟は大蟹を背負っています。この蛸と蟹がもうね、それはそれはの大物。普通のひとが背負ったら立ち上がれないのではないかと思ってしまう程の大きさです。動くときにたっぷりとした裾を後見が数人で持ち上げるのですが、それが羽根を拡げた孔雀か威嚇するエリマキトカゲかと言うヴィジュアル(笑)。もーーーむっちゃ舞台映えする。それを身に付けた熊襲兄タケルを演じた彌十郎さん、熊襲弟タケルを演じた猿弥さんの格好いいことと言ったら!!!大柄な彌十郎さんの存在感、猿弥さんの力強い動き。熊襲の場面はむちゃくちゃ楽しかったしドキドキハラハラしたしもう釘付けだった!

彌十郎さん、芝居もシビれた…むちゃ格好よかった……(ぽわ〜)熊襲兄と伊吹山の山神、二役を演じて二役ともタケルに退治されるんですけど(涙)その死にっぷりも素晴らしいんですヨ!頭領としての誇り!敗れ乍らも相手を無傷では帰さない神の威厳!もう持ってかれましたよ!熊襲兄は死んでから突っ伏してるシーンが長くて(笑・途中で衣裳から抜け出てるようなのですが)大蛸が床にべらーとなって延々死体が舞台に放置されているので、ヴィジュアル的にも面白いやら悲しいやら長く見られて嬉しいやら。伊吹山の山神の最期、山から後ろ向きに飛び降りるところには涙が出たよ!あーもう格好よかった…そして実は彌十郎さんに大向こうが飛ぶのを観たのも初めてで感激した……。

歌舞伎では珍しいカーテンコールにも、ストーリーに繋がる演出がありました。帝は二幕目以降登場せず、タケルは故郷に帰ることなく死んでいきます。使いの者から帝の許しを聴けたことはひとつの幸せでしたが、和解した父子は命あるときに顔を合わせることが出来なかった。カーテンコールでふたりは出会い、タケルが帝の手をとり跪き寄り添う、と言う場面がありました。そして二度目のカーテンコールには猿翁丈も登場!大歓声とスタンディングオベーション。涙ぐんでいるひとも沢山いました。手を振り、猿之助さんと中車さんと手を繋ぎ、一言も発せず客席を見渡しわずかにうんうんと頷いたその姿の大きさに圧倒された幕切れでした。

ストーリーに関しては、初日前に猿之助さんが言っていたとおり「二股交際の話」だった、と言うか二股どころではなかった(笑)タケルモテモテ、そして走水の場面の淡白さがすごい…弟橘姫を手放す経緯迄スピーディですよ!個人的には熊襲や蝦夷、伊吹山の面々に肩入れしてしまいます。九州出身者としてひいきもするよ!熊襲も蝦夷も楽しく暮らしてたのにー!ホント侵略だよあれはー!ヒドいよー!あーもう熊襲ちょーかわいそう…蝦夷も……。蝦夷と言えば弘太郎くんが演じた蝦夷っ子のヘタルベが愛嬌あってかわいかった。髪型もツインテールだしね(笑)。以前の脚本ではヘタルベが蝦夷に帰るシーンがあったそうで、それも観てみたいなあと思いました。弘太郎くん、カーテンコールでは女性から大向こうがいくつも飛んでいましたよ。

解りやすいものをバカにしたり見下したりすることの傲慢と危険性を改めて考えました。自戒も込めて。解りやすいからこそ、その奥にある登場人物の心情やストーリーの背景に思いを馳せることが出来る。そしてそれを豊かに、より深く想像することが出来るのではないか…と思いました。

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よだん。

・ヤマトタケル=みすず学苑の呪縛から解放されたぞー!これからはヤマトタケルと言えばスーパー歌舞伎!

・襲名披露記念グッズがいろいろあって目移りしまくりです。檜箱入りの信玄餅買おうか迷っている…な、中身食べたら箱はおべんと箱として使えるよね……

・あーあと蝦夷の衣裳、頭にどうぶつの尾っぽみたいなのがついてたのがかわいかったー。いやもう衣裳も見どころありまくりで大変…と言えば、これの初演時衣裳制作のバイトに入ったひとから話を聞く機会があったのですが、
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作り直したのか補修したのか、気になるところ。初演のだと、昔のだから、すごい重いんだよね。
衣装パレードで、ガヤの人がゴロゴロ〜って転がって、「大丈夫!転がれます!」って言ってて、バイク起こせないと中免取れない!みたいな?って言ってたんだよね。
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だって、シェー。今回のも相当重そうでしたよ……



2012年06月02日(土)
『マイ クレイジー サンダーロード』

入江雅人グレート一人芝居『マイ クレイジー サンダーロード』@CBGKシブゲキ!!

ゲスト作家も迎えてのオール新作。オープニングのヴァーヴ、グッとくるー。エンディングのスマパンもジーンとくるー。入江さんの好きな曲、好きな映画、好きな俳優。入江さんの好きなもので囲まれた、ロマンティストで頑固な九州男児、入江さんの世界。構成等のスタイルはずっと昔から変わらない。てことは最初から完成されたスタイルだった訳で、しかし今と言うとき、場所は必ず滲み出る。思想も説教も世の中へのもの申すも笑いへ転化し、嫌味なく見せ、ちゃんと心に残して考えさせる。そして毒がピリリと効く。

最後に必ず大作が一本あり、それが笑いつつもじんわりくるもので毎回いいんです。今回はミッションもの(おお、いいタイミング)。所謂疎開の描写があるんだけど、その経緯や心情がより丁寧に感じられました。実家の年老いた親、将来があるこども、だいじな家族。迷い乍らも主人公は行動にうつる。この辺りはかなりシリアスで、それ迄のアホかー!なショートストーリーに笑っていた観客がしんと静まり返り、ステージ上の人物をじっと見詰める。それが、海パン一丁のおっちゃんの描写が出てきた辺りからじわじわと崩れ始める(笑)この移行っぷりが入江さんならでは。真摯な演技がしっかり出来るからこそ、その落差も激しい。端から見るとバカバカしい行為、端から見るとヘンなひと。彼らがひと知れず地球を救っている。そんな誰にも気付かれないようなひと、事柄を掬いとる目線、入江さんの魅力だなあと思います。

あの山は筑豊の山かな。頂上で飲むUCCの甘い缶コーヒー、ウチの実家でも常備されているものだった。昔は缶コーヒーの種類ってそんなになかったし、本社が神戸だから、西のご家庭には馴染みがあるものなのかも。こういう郷愁的な要素も毎回あって好き。

ゲスト陣はブルースカイが出色…と言っていいのか(笑)ひとはナースに夢を見るものですね……。強烈だったせいか、帰りに思わずメンチカツ買って帰りました(笑・渋谷東急フードショーには水泳の北島選手のご実家、肉のきたじまのメンチカツが売られています。おいしいよー!)。赤堀さんの作品は『沼袋十人斬り』のエピソードを再構成したものでした。500円玉入りのペットボトルの行方と、その後展開される物語を思い出してほろり。古田さんのは…ふるたさんのは……ははははは。

当分ラーメン食べたくなくなったり松田優作のフランダースの犬にヒーヒー笑ったりtwitterネタにニヤニヤしたり、渡部篤郎のカーナビに爆笑したり武井咲と薬師丸ひろ子の「私、おじいさまを殺してしまったー!」「私もおじいさまを殺してしまったー!」に大ウケしたり。「私も」って言うなや!しかも薬師丸さんが先だ!それにしても渡部篤郎似てた…『外事警察』のプロモーションかここ数週間渡部さんを目にする機会が多くて、前日もA-Studioで見たばかりだったからウケたウケた。

あとこの日は客席にいた清水宏さんがカーテンコールで無理矢理ひっぱりだされ、その後放置されると言う辱めを受けていました、酷い(笑)罵り辱め乍ら清水さんの舞台の告知をしたりハグしたりする入江さんのねじれた照れ隠しが素敵だったわよ!



2012年06月01日(金)
『LYNX Live Dub』Vol.1、『Tag of war』Vol.2

『LYNX Live Dub』Vol.1『LYNX』@SARAVAH Tokyo

スズカツさんのオガワシリーズ、『LYNX』『MYTH』『HYMNS』をリーディングで連続上演するプラン。最新作である『CLOUD』も含め、いずれ舞台で連続再演する目標…願いが込められてのプレゼンテーションとも言えるかな。

事前にweb上で上演台本が公開され「それをダウンロードして(中略)会場内でお手持ちのスマートフォン、タブレットなどで、ご自分も目で追いながら舞台を想像するのがお勧めです。」とスズカツさんからのツイートがあり、スマフォ、タブレットどころか携帯も持っていない自分は暗澹たる気持ちになりましたよ。いずれ携帯端末持ってないと手に入らない情報ばかりになって、公演やってたことを後で知るような情報弱者になるんだろうなーあっはっは(笑泣)。

とは言うものの、まあ頭に入ってるからいいか…と言う傲慢な気持ちもありました。やなファンだわー。せっかく目の前に役者と照明と音響が在るんだから、字面追うよりはそっちを観る、聴くことに集中したいと言う思いも正直あったし、敬意としてもそうしたいです。あと個人的には、近くで液晶画面光らされたりするのが苦手です。スタンディングのライヴ会場だと自分がそこから離れればいいけど、演劇や映画の会場ではそうはいかないですからね。極端な話、字面を追って想像するのは家で出来る…て言うかそれ楽しそう(笑)何時から読むよーて告知して、各自好きな場所で読んで、終わった順に感想ツイートしてくの。で、ひとによって読む速度が違うから、上演時間も違うの(笑)。

とは言え、実際今回のリーディングが『LYNX』初見のひともいる筈。そして上演台本はリーディングのために書き直されたものではない。そうなると所謂沈黙になっているト書き部分で何が行われているかを知るガイドとして、その場でテキストを目にすることが必要な場合もあるのでしょう。それを考慮してのことだったのかも知れません。

登場人物5人に対して、アナウンスされていた出演者は4人。これは当日会場で残るひとりが発表になるのか、それともスズカツさんが出るのか?誰が誰をやるんだろう、と想像する楽しさもありました。入場すると聴こえてくるのはいつものジョン・レノン『Rock 'n' Roll』。フロア中央に椅子が一脚、それを取り囲む形で観客席が設置。かなりの至近距離、最前列と演者は1mも離れていないくらい。これは演者も相当緊張するだろうなあ。

清水靖晃「Washing Brain Machine」が流れ照明が落ちる。現れたのはオレノくん…ん、てことはエンドウがオレノくん?あのopの数分は本当に長い。初演のエンドウ、松重豊さんが「あれ、本当に緊張する。何もしないで数分立っているだけってすごく怖い」と話していたことを思い出す。そのうえこの距離…手とか震えた日にゃあまるみえだよね。しかしオレノくんは静かにそこに在り続けた。ぽーんと自意識捨ててる感じ、見事。そして暗転。

ライヴダブと銘打っていたので『ウェアハウス』のような実験的な要素を前面に出すのかな、と思っていたのですが、今回は上演台本を忠実に再現する、と言うのが狙いだったようです。選曲も三演と同じ、音響も鳴らしどころは同じだったかな。こういう作品があります、と言うプレゼン的な押し出しを強く感じました。配役はオガワ=オレノグラフィティ、エンドウ=田口トモロヲ、ウサミ=山岸門人、イタバシ/アマリ=伊藤ヨタロウ。

興味深かったのは、テキストから逸脱しない、動きに制限がある、イタバシとアマリをひとりが担う、前述のとおりopのエンドウのみオレノくんが体現したところ。そしてこれは事前にルールとして設けられていたことなのか、自然とこうなったのかは判りませんが、会話のシーンで演者は決して目を合わせることがありませんでした。中央に座ってテキストを読むオガワ=オレノくんに、他の登場人物がフロアのあちこちから現れては語りかける。全員、手にしたテキストから目を離さない。しかし数ヶ所だけ、オガワがエンドウを、エンドウがオガワを見るシーンがありました。目と目が合うことはなく、片方が片方を見詰めるといった形です。オレノくんを見るトモロヲさん、トモロヲさんを見るオレノくんの目は、非常に印象に残りました。

スズカツさんの舞台でよく設けられるフリーな部分はありませんでしたが、テキストから逸脱しないならではのインプロはトモロヲさん、ヨタロウさんがのびのびなさっておられました。声色を変えたり、フロアを動き回ったり。このひとたち目の前に赤いボタンがあったらそれが何のボタンかわからなくても絶対押すタイプだよ(笑)。しかしこれのおかげでガチガチなフロアがリラックスしましたし、見える風景がより拡がりました。門人くんはあの身体能力を封じてい乍ら存在感をしっかり残す。あの声を持っている、と言うのは大きいけれど、それは相手の言葉を受けとめて返すと言う、しっかり磨かれたスキルがあるからこそより光るのだと思います。あ、それでふと思ったけど、彼の声のトーンは初演でウサミを演じた大石継太さんに通じるものがありますね。

金髪のオレノくんがエンドウとして現れたとき、再演で田中哲司さんが演じたエンドウのベビーブロンドを思い出してはっとしました。哲司さんのエンドウは、歴代エンドウのなかで最もLYNX=オオヤマネコなヴィジュアルだった――静かな獣の美しさをまとわせていたと個人的には思っています。同様に再演のアマリ=藤本浩二さんのアプローチも、鮮やかなものとして印象に残ったものでした。オガワシリーズ三部作の一作目としての『LYNX』の完成度は素晴らしいものでしたが、その前、初演や再演の『LYNX』もずっと大事に憶えていたい作品です。50歳のオガワを演じたトモロヲさんが、まだ20代のオガワ=オレノくんと言葉を交わす、と言う構図にもいろいろなことを思いました。いいもの観たな。

上演後スズカツさんのご挨拶、本音がぽろりか。その後『LYNX-CLOUD連続上演推進会議』と言う名の呑み会が行われるとのことでしたが、会場をあとにしました。

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LÄ-PPISCH 25th Anniversary『Tag of war』Vol.2@LIQUIDROOM ebisu

そんな訳で結局サラヴァとリキッドをハシゴ。もともとはこちらのチケットを先にとっていて、うーんVol.1も行く訳だし…と思いつつ『LYNX』を予約した。しかしどうしてもチケットを手放せなかった。渋谷と恵比寿だし、『LYNX』の上演時間は90分くらいなので、30分くらいは聴けるんじゃないか……?走った走った。

結果的には無理して行ってよかった。防音扉を開けた途端耳に飛び込んでくる「旭タクシー」!リキッドフロアへの入口はステージ側なので、観客の表情がまず目に入る。笑顔、笑顔。

「MATSURI・365」で本編終了、アンコールはきた、「プレゼント」!!!そして「ANIMAL BEAT」。聴けた4曲全てが一昨日に演奏していない曲だった。後で聴けば、Vol.1とVol.2は一曲も被りのないセットリストだったそうだ……すごいな。奥野さんのがんばりデカイわ。いや、しばらくやってない曲はコードも思い出せないと言っていた上田現同様、メンバーもきっと忘れてるから相当練習した筈だわ(笑)。コレクターズを観られなかったのは残念。

思えばサラヴァでジョン・レノン、リキッドでポール・マッカートニーと言う(『Tug of war』はポールのアルバムタイトルだよ)繋がりもあったな。そして数時間の間にトモロヲさんとマグミを続けて観られたのは感慨深く不思議な気分だった。このふたり、自分のなかでは通じるものがある。ノンシャラン、狂気、殺気、パンク、と言うキーワード。ぼろぞうきんのようになって帰宅。

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セットリスト

01. Yeah! Yeah! Yeah! 〜Beat Up And Down〜
02. F5
03. Toys
04. バッタ
05. water
06. 楽園
07. miracle
08. 東京ドッカーン
09. サイクリング
10. 回送電車
11. HARD LIFE
12. 旭タクシー
13. MATSURI・365

encore
14. プレゼント
15. ANIMAL BEAT

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NEXUSのライヴレポートはこちら→・『レピッシュ×コレクターズ、25周年の二組による「今が最高!」な共演』