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2024年07月21日(日)
LÄ-PPISCH Live Tour 2024 〜Great Escape〜

LÄ-PPISCH Live Tour 2024 〜Great Escape〜@Zepp Shinjuku


同期(メジャーデビュー日も同じ)のBUCK-TICKはずっと、本当にずーっとレピッシュのライヴのとき花を贈ってくれる。昨年のチッタでもそうだった。このときあっちゃん(櫻井敦司)は生きていたんだなあなんて思う。マグミはあっちゃんの死にかなりショックを受けていた。このひとは達観というか悟りの域で、どうにもならないことを受け入れるのに長けている。過去にそれだけのことがあったのだろう。ただ、慣れている訳ではないのだ。あのときの言動(これとかこれとか)にはそれが表れていた。

メンバー紹介のとき、矢野くんの音圧すごい、リハでもすごくて真後ろから圧が来るからクラッとして倒れそうになったといったマグミが、「いや、病気とかじゃないからね。それくらい音圧がすごいったい」とすぐにわざわざフォローを入れた。ファンを心配させないようにしている。そういう気遣いをするひとだ。上田現が病を隠し通して亡くなったことはずっと心に引っかかっている。というより、気付けなかった自分に引っかかっている。最後のAXのときも、腰痛と信じて疑わなかった。騙された。根に持っている訳ではない。気付いたからといって何か出来た訳でもない。くそ、やられた、流石だよ現ちゃん、という思いだ。それはあの日一緒にステージを務めた皆にもいえることだ。くそ、やられた、流石レピッシュ。

「ラルゴ」の“騙してもイイぜ ずっと待ってる”の境地にはなかなか至れない。あれ以来、ちょっとしたことでも疑心暗鬼になってしまう。そんなファン心理をマグミはきっと知っている。マグミは「ラルゴ」の“僕”のようだ、と思うことが時折ある。勿論この歌の人物像には作者である上田現自身が投影されているのだが、彼の「歌い手」を長年務めてきたマグミには、上田現の歌の世界を生きることが出来るのだと思う。だからマグミが唄えば、上田現はいつでも甦る。騙してもいいし、騙されてもいい。私もいつかは風を待つことが出来るだろうか? 人生は長く短くそして長くやっぱり短い。マグミは「老後の整理とかするなよ」といった。

という訳で、いつかマグミの唄う「ラルゴ」を聴いてみたいのだ。前置きが長いな!

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MAGUMI(Vo, Tp)/ 杉本恭一(G)/ tatsu(B)
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奥野真哉(Key, Sx / SOUL FLOWER UNION)
増井朗人(Tb, Perc / Codex Barb〓s)
矢野一成(Drs / MOON・BEAM)
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そんなこんなでマグミを見ていてヒヤリとする場面がないといえば嘘になる。今や恒例の「LOVE SONGS」でのクラウドサーフに、キツかったらやめてもええんやで、と拳を握り、何故そこ迄するのだろうと思うこともある(しかしその姿を観て感動してしまう自分もいる訳でな。勝手でごめんね)。そこで浮かぶのはやっぱり「ストリッパー」や「サイクリング」で、上田がそういうならねえ、なんてことも思うのだ。死にものぐるいで自分を見せてくれる。ちなみに途中「がんばれー」と声が飛んだんだけど、「がんばれっていうなあ爐↓爐↓爐↓爐↓燹!!!!」ってガチギレしてましたね(笑)。声も高音が出づらくなってきてはいるのだが、そのかすれた声でガナる唄い方が新しい魅力になってきている。あの声で唄う「ハーメルン」には、リリース時とはまた違ったせつなさがある。

反面恐ろしいのは恭一の体力。右手にグローブ着けててちょっと心配だったんだけど、いやそりゃこの歳にもなればね、と窪田晴男が過去そうなったことを思い出す。職業病ですよね。しかし演奏はもうガチの恭一であった。いやホントすごいよなこのひと……なんでこうクリアでシャープでカラフルな音を持続出来るかな。単音はソリッドの極み、カッティングは正確。それも走り回ったり転げ回ったり跳びまくったりし乍ら。あと声な…デカい……ずっとデカい……マグミとハモると恭一のがデカいので、こっちもつられてハモりパートで唄うよね。

それにしてもすごいセトリじゃなかったか。いつもか。いやしかし。「カ・ラ・ダ」が聴けるとは! 「旭タクシー」が聴けるとは! 序盤はそれこそ「が、がんばれ!」とヒヤヒヤしつつ聴いてたところがあったんですが、「ガンジー」からのドライヴのかかり方! なんなのあれ。次の「LAULA」もすごかった。スピーディーかつスムースそしてパワフル。マグミのステップも軽やかで、後半に行けば行く程調子があがる。「カ・ラ・ダ」は恭一がホントヤバかった頃(しょっちゅう倒れてた)つくった曲だよなあ、よくぞここ迄生き残ったとか妙な考えも浮かんだりもしましたが、それにしたって曲がいい! 演奏ウマい! とバカの感想しか出ない。

マグミに「18歳からのつきあい」と紹介されたtatsuはずっとtatsuで、ずっとうめえのよ。それこそ「ガンジー」なんてレコーディングしたときいくつよ!? 「Control」だってそうだよ。演奏“出来る”という巧さは勿論だけど、この曲にああいうフレーズやコードを入れようと思い浮かぶアイディアがなあ。記名性が高いといえばいいのか。「LOVE SONGS」もマグミのクラウドサーフに持ってかれちゃうところあるけどあのベースフレーズはすごいよね…「東京ドッカーン」や「miracle」のリフもさあ……あげればキリがない、この辺りの曲ってベースがまず浮かぶもんね。『Q』や『マイム』のナンバーは全編ベースが格好よくて大好き。マグミと恭一があれだけやりたい放題できるのもtatsuがいるおかげ。猛獣使いですね。矢野くんとの息もピッタリ。

今回は妙に上田のことばっかり思い出していたが、奥野さんにはとても感謝していますってか奥野さんがいてよかった…ホントに……演奏だけじゃなくて笑いどころもおさえてくれてるところが素晴らしいよ……。

いろいろ振り返ってしまったのは、マグミと恭一の幼馴染っぷりを目の当たりにしたからというのもある。昨日雷すごかったね、皆大丈夫だった? って話から「俺は12km、恭一が14kmだろ(だったかな)」といいだすので、リハ帰りの話かと思えば田んぼの中にバイパスが通って……とかいい出して。??? となっていたら恭一が「熊本のな」と返してやっと通学の話かい! と理解。周りは田んぼばかり、あぜ道に作られたかのようなバイパスは一段高くなってる、雷は高いところに落ちる、高くなってるバイパスを自転車で走ってる俺たちがいちばん高いところにいる、俺たちに雷が落ちるかも、金属全部外そう! 腕時計とか外して隠す……自転車(金属の塊)に乗ってるーーー!!! とオチも素晴らしかった(笑)。落ちなくてよかったですね。あまりにも昨日今日のことのように自然に話すから、その共有っぷりに笑いつつ泣いてしまったよ。弱ってる。しかしこういう感性から「柘榴」とか郷愁あふれる歌が生まれるのねとしみじみもした。

今回のツアータイトル「Great Escape」について、マグミは「本当にいろいろなことが起こる世の中だけど、逃げられるところは逃げて楽しく過ごそうぜ、という思いを込めてつけた」といっていた。そういう思いやりにも胸を打たれる(ホントに)。いやーそれにしても曲がいい、演奏がいい(バカの感想)。歌詞がスルスル出てくる自分にもビックリ。レピッシュで大きくなりました! 出会えてよかった、これからもよろしく。

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setlist(MAGUMI公式より

01 KARAKURI SE〜
02. Control
03. Animal Beat
04. サイクリング
05. タンポポ
06. ソラミミ
07. パヤパヤ
08. ガンジー
09. LAULA
10. 柘榴
11. room
12. 歌姫
13. miracle
14. 東京ドッカーン
15. 混沌とした時代
16. ハーメルン
17. プレゼント
18. カ・ラ・ダ
19. LOVE SONGS
20. Magic Blue Case
[en1]
21. 美代ちゃんのハッパ
22. リックサック
23. 旭タクシー
[en2]
24. KU・MA・MO・TO

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Zepp Shinjuku初めて行きました。深いな! 地下4階くらい迄降りた。行きはまあいい帰りはしんどい(ヒーヒー)。レピッシュも初めて使うところ。マグミが「ミュージシャンはいくつになっても知らない新しい場所でやれるとうれしい」といっていた。上田現はここのことを知らないんだなあと思った。何かあるごとにあー現ちゃんは知らないんだな、と思う。コロナのことも、今の戦争のことも。ときどき知らないでよかった、とも思う。

江戸アケミ十三回忌のとき、こだま和文が「大きなニュースや出来事が起こると、死んだひとのことを思い出す。9.11や北朝鮮のことをアケミは知らないんだなあ」といっていたことがずっと心に残っている。阪神淡路大震災のときとても心を痛めていた現ちゃんのことを憶えていたので、東日本大震災が起こったときは、このことを現ちゃんが知らなくてよかった、と思ったのだ。

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あれだけ暴れて翌朝4時(後述奥野さんのツイート参照)迄呑める恭一の体力(再)


これからも皆さんが歳をとるのが怖くならないよう頑張ります
こういうこというところがね……なんだろね相手を不安にさせない術に長けている


名残惜しいとかまたとか奥野さんに思ってもらえてうれしいな、ホント有難う


tatsuは早々に帰ったようで、ライヴ後の夜中1時には自分のライヴのお知らせをツイートしてた(笑)これもやっぱtatsuとしかいいようがない。でもそのあとこうして動画編集して配信の告知もする、これもtatsuとしか(以下略)

・Dress Ball in Midnight Vol.2 “The Name is DBM”
記録が残っていて有難い! 前回歌舞伎町(移転前のLIQUIDROOM)で「美代ちゃんのハッパ」聴いたの1994年だわ(1997年は行ってないんだ…)。丁度30年か……上田がスピーカーによじ登ってサックス吹いてたな。スピーカーがグラグラしてホント怖かったのよね。このイヴェント、高畠俊太郎がカヴァーした「モンキー・マジック」「ドライブ」もめちゃ格好よかった