白い木蓮の花の下で  

    〜逝くときは白い木蓮の花の下で〜

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2006年11月07日(火) 御祖母ちゃんの家

昨日は夫の御祖母ちゃんに会いに行って来た。

自宅から電車を乗り継いで2時間の旅。最近は御祖母ちゃんちから少し大阪側出来たニュータウンのおかげで随分と電車の便が良くなったらしい。夫に子供時代の思い出話をしてもらいつつ、御祖母ちゃんの家へ。御祖母ちゃんの家は紀の川の側。山の麓。柿の木と蜜柑の木に囲まれた昔ながらの日本家屋だ。向井潤吉の絵の題材になりそうな、そんな家。

初めてお目にかかる御祖母ちゃんは、鶴のように痩せていたけれど、腰も曲がっていなくてシャキシャキしていた。96歳と聞いていたけど、本当は97歳だった。耳が遠い以外は至って健康で毎日畑に出ているとの事。10年ぶりに会う夫に抱き付いて涙を零す御祖母ちゃんと、いつになく神妙な表情の夫のは傍で見ていて気持ちの良い、微笑ましい絵だった。

おじさんや従姉妹への挨拶と仏壇へお参りを済ませて、広縁に面した和室で、お膳を戴いた。田舎のお膳は都会のそれとは比べ物にならないくらいの大容量でビックリ。私など、半分も食べられなかったし、夫でも完食出来なかったのだが、夫の従兄は自分の分をペロッっと平らげ、御祖母ちゃんの残りを食べ、その上、別に卵を焼いてもらっていた(だが彼は肥満している訳では無いの)やはりキツイ農作業をこなすには相応のカロリーが必要なのだろう。

御祖母ちゃんは旺盛な食欲で、お膳を食べながら、精力的荷昔語りをしてくれた。御祖母ちゃんの先祖から現在に至るまでの壮大な物語。家族は聞き飽きているようだったが、私は初めて聞く話だったので、かなり面白かった。御祖母ちゃんは同じ話を2周半して「お腹も膨れたし、くたびれたから寝るわ」とて自分の部屋がある離れへ戻ってしまった。御年寄りを「可愛い」なんて言うのは失礼なのだけど、そういう無邪気さは少女っぽいと言うか、ちょっと可愛いなぁ…と思った。

御祖母ちゃんがいなくなった後は、写真に凝っている従兄弟から、昔の写真を見せてもらった。親戚の家にあった写真を年代、家族別に整理したアルバムは「一族の歴史」って感じで見応えがあった。「自分のルーツを知っておくのは大事な事だ」と言う従兄弟の言葉が印象的だった。従兄弟は帰り際に家の前で、みなの集合写真と私達夫婦の写真を撮ってくれた。あのアルバムに私達が写った写真が収まるかと思うと、不思議な感じがする。

ともあれ田舎ののんびりした空気に触れ、御祖母ちゃんの話を堪能して、夫の従兄妹達ともお喋りして、とにかく楽しい時間だった。「御祖母ちゃんって、いいなぁ。田舎って、いいなぁ」と思うと同時に、御祖母ちゃんと一緒に暮らしてお世話をしてくれている人がいるから、私は「お客様」でいられるのだ……って事を思った。実際、一緒に暮らしてみたら楽しいだけでは済まされない。たまに聞くから楽しい話も毎日となればウンザリするだろうし、御年寄り特有の頑固さや我が儘に振り回されることもあるだろう。私が楽しんだ田舎は「いいとこ取り」なんだ…って事は忘れちゃいけない。

なんと言っても夫の御祖母ちゃんなのだから、今後はもう少し心配りをしていきたいなぁ……と思った次第。気持ちよく迎えてくれた御祖母ちゃんと、夫の親戚に感謝しつつ今日の日記はこれにてオシマイ。


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