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2024年03月28日(木)
KNOWER JAPAN TOUR FT. SAM WILKES, PAUL CORNISH, CHIQUITA MAGIC and THOM GILL

KNOWER JAPAN TOUR FT. SAM WILKES, PAUL CORNISH, CHIQUITA MAGIC and THOM GILL@LIQUIDROOM ebisu


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Genevieve Artadi(vo)
Louis Cole(drums, vo)
Chiquita Magic a.k.a. Isis Giraldo(keys)
Paul Cornish(keys)
Sam Wilkes(b)
Thom Gill(g)
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?(tb)メンバー紹介あったんだけど聴きとれず調査中。大田垣“OTG”正信さんではなかった
Melraw(as)
Satoru Takeshima(fl)
Tomoaki Baba(ts)
Yusuke Sase(tp)
Yu Kuga(bs)
Kosuke Toho(tu)
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KNOWERとしての来日はなんと2018年以来、6年ぶり。ルイスはソロでもサンダーキャットのサポートでも某Clown Coreでも来日しており、ジェネヴィーヴもほぼ一緒に来ているのでえっ6年? と思ったけど、そんなになるか。あとバンドセットとなるとKNOWERとルイスソロはメンバーが被っているし、ルイスがソロで発表している曲もKNOWERでやったりするので、どっちがどっちだったか判らなくなる。

2018年の来日では3日で3セット、厳密にはルイスソロKNOWERバンドセットKNOWERデュオセットで観た。あと行けなかったけどBLUE NOTEにも出たし、スペシャルイベントもあった。この期間の祭りの様子はtwilogをご覧になって頂ければ…こういうノリのログってやっぱり残しておくのだいじね……。

『Life』がユニバーサルジャズから出たこともあり、このときの来日ではジャズ層へのアピールが強かったように思う。リリース時も「ジャズレーベルから出すんだ」という声を聴いた憶えがあります。今のジャズとオルタナ(か?)両方にリーチするbeatinkの展開は、リスナーと相性いいというかニーズと合致したんじゃなかろうか。ユニバーサルには感謝してますけども!

という訳で大盛り上がりでありました。サポートアクトのTenors ln Chaos(陸悠(ts)、西口明(ts,ss)、馬場智章(ts)、David Bryant(pf)、須川崇志(b)、小田桐和寛(ds))から熱気がすごくて、幕間にはAustin Peraltaの遺作『Endless Planets』が流れる。2012年に亡くなったオースティンのことはサンダーキャットの「A Message for Austin / Praise the Lord / Enter the Void」から知りました。常に彼はルイスやサンダーキャットの心のなかにいて、その功績を今のリスナーに伝え続けようとしているのだなあとしみじみする。

それにしても毎回違うセットで来るなあ。今回は一昨年のルイスのツアー(LOUIS COLE BIG BAND)、昨年のフジに続き日本選抜ホーン隊が参加。事前告知はなかったので、初日はうれしい驚きのツイートを結構見ました。各ソロ場面では「馬場ー!」「佐瀬!」「メルロー!」と、野太い声や黄色い声が飛んでいて、それを演奏し乍ら嬉しそうに眺めるルイスが印象的。何度もメンバー紹介をしてくれた(なのにtbのひとが誰か聴き逃している自分の耳ダメ過ぎる)。

これらビッグバンド編成用にアレンジされた楽曲含め、とにかく演奏陣がキレッキレ。すげー! すげー! とずっといって終わった。ルイスのヴォーカル曲は今回なく、ドラミングもソロのときとニュアンスを変えて叩く。人力でこんなん叩くんかいという高速、低速、手数多し、足数多し。とにかく打数が多い。変則も自在。メンツが変わっても、日々行動を共にしているバンドのように阿吽の呼吸で演奏がキマる。流石本番が練習、練習が本番の、演奏が日常であるプレイヤー揃い。強い! ルイスとサムの鬼グルーヴボトムは無論のこと、ポールのソロもチキータマジックの音色チョイスと手弾きリフもトムのリフもすごかった。すごかったばっかり(語彙)。

PAは序盤バランスが悪く、ジェネの繊細な高音ヴォーカルが聴こえん! バンドの地音がデカいので(楽器数の多さもあるし、そのうえホーン7本きたらもう)PAがうまくやらんといくらジェネの声が通るといっても! とヤキモキしたけど進むにつれよくなった。ジェネは本人曰く「ウシ!」の衣裳に途中迄ヘッドフォン装着。モニターがわりだったのかイヤーマフだったのか判らないけどピッチは鬼正確。アッパーな曲も多いけど、バラードでの切ない歌声には涙涙。これデュオで聴いたときにも思ったな…走馬灯が見えるというか……(危ない)。

「愛してる、Guys」。数年で状況が大きく変わったことをルイスも実感しているようで、MCで何度もオーディエンス、スタッフ、共演者に感謝を伝えていた。以前は自分でセッティングからしてたのに……とか、このへんちゃんと聞きとれなかったんだけど、訳してくれた方がいたのでリンク張らせてください(シェア有難うございます)。↓



そういえばルイス、シンバルをスタンドに固定せずそのままのせてて(フェルトもナットもなしで)曲によっておきかえるよね。よく落ちないな。

会場の規模が大きくなってもDIYスピリットは健在。スクリーンに映し出される背景映像はPC画面直結でマウスの動きもそのまま見え(微笑)、リアルタイムで撮るライヴ映像はKaz Skellingtonが撮影していたとのこと。6年前、Kazさんは「前回ここ(同じ月見ル)に彼らを呼んだとき、こんなにひとはいなかった。そして今夜ここにいたひとたち、きっと自慢になるよ。自慢にしていい」といった。初来日から彼らと一緒に歩んでいるズッ友だよ(泣)!

ここで突然の思い出アルバム。



コロナ下の2020年、Second Sky配信フェスに出演したKNOWERは、あの家のリビングでふたりきりのパフォーマンスを見せてくれた。外出もろくに出来ない時期、食い入るようにPC画面を観ていたなあなんて思い出す。2021年辺りから各々のソロワークが忙しくなり、KNOWERは活動休止状態になった。もう日本でライヴは観られないかもと思っていたので、新譜が出たのことには正直驚いた。『KNOWER FOREVER』というタイトルには不安になったし、お互いプライヴェートに変化があったようだけど、ルイスとジェネはやっぱり替えがきかない相棒同士だなあと思った。これからも、また会えるのを待っています(まだ日本にいるけど)!

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Setlist(setlist.fmより)

01. The Abyss
02. Do Hot Girls Like Chords
03. Around
04. I'm the President
05. Real Nice Moment
06. Same Smile, Different Face
07. It Will Get Real
08. Things About You
09. Nightmare
10. Different Lives
11. Hanging On
12. Crash the Car
13. It's All Nothing Until It's Everything
encore
14. Overtime

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・BEATINK.COM / KNOWER / ようやく時代が彼らに追いついた!ノウワー東京公演のライブレポ
レポ出るの早い! 一箇所だけいっときたい、ホーンは7人でした!


自分がいた位置からはトムの姿は全く見えず、音だけを聴いていましたがよかったなー。Sam Wilkes Quintetで観たときからまたイメージが変わりました。この辺の人脈底なしだなー、追っていくといい音楽が聴けるの間違いなし