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2016年10月30日(日) ■
『fractrec launch / mouse on the keys 10th anniversary』

『fractrec launch / mouse on the keys 10th anniversary』@TSUTAYA O-EAST

mouse on the keys十周年+レーベル設立おめでとうございます〜! フルハウス! 演出からなんから確固とした世界観と鉄壁な演奏、いんやもうあまりにもすごいものを観るとゲラゲラ笑うよね……。川��さんが以前「デカいところより、UNITくらいのキャパがコンスタントに満員になるくらいの活動をしたい」と仰ってましたが、広いところでやるならやるで、その場所でしかつくれないステージを見せてくれます。建築にも強い傾倒があるそうなので、空間全体のことを考えてライヴの企画を練っているのでしょう。

ちなみに前回(彼ら主催で)ここでやったのは確か六年前、“an anxious object”tour。このとき初めて「こういう空間をつくりたかったのか」と合点がいったのでした。EASTは天井の高さも含め、映像と照明を効果的に使うmotkには合っていると思うけど、この規模のライヴを頻繁にやるのは難しい。だからこそ貴重な機会。

開場が20分程遅れ、開演も同様。二階席ほぼセンター二列目を確保、ぼんやり下のフロアを眺める。EASTは動線的に上手側に行くのがちょっと面倒ではあるんですが(狭いPA卓前を通らないといけない)、それにしてもドラムが位置する下手側にひとが多い…わ、わかる……。セッティングからしてトップバッターはtoe、ここも柏倉さんが下手側だもんね。

てな訳でtoeからスタートです、圭作くんもいますよ。アコギセットからの〜エレキ、そしてまたアコギ。濃密。山㟢さんエモい。演奏が熱くなるにつれどんどん内股、ひらりとしたハーフパンツにレギンス、右膝にプロテクターのシルエットはローラーガールな風情です。そんな姿で海老反りからの〜頭でブリッジしたまま演奏バキバキとか爆笑と紙一重で素敵過ぎる。実際この場面、楽曲のエモさも相俟ってフロアがドッとわきました。MCも炸裂してまして、「(ポカリスエット飲みつつ)中身はいいちこです」「ポカリ自前なんですよ、もらえない。(CMの音楽やってる)大塚製薬からは何ももらってない。ひどいでしょ、お金しかもらってない」「今日はハロウィーンだから皆仮装してきてんでしょ、それエモいバンドのライヴ観に来る客のコスプレでしょ」とか出るわ出るわ、大ウケ。でもいいちこっていうと吉村さん思い出しちゃうね。しみじみ。「繋がる遥か彼方」「グッドバイ」も聴けてうれしかった。

「十周年おめでとうございます。いつから十周年なのかよくわかんないんですけど、初めてマウスのライヴを観たのは〜、下北沢の小さい、ERAっていう…三人しか入れないライヴハウスなんですけど」「そこでライヴを観て、ウチのレーベルから出しませんかって」。そうそうタワレコで「あのnine days wonderのふたりが新ユニット結成、toeのMachupicchu INDUSTRIASからデビュー!」とかPOPに書かれてた。このシーンの繋がり、切磋琢磨含めて敬愛しております。

転換に時間かかるだろうなと思っていたら、メインステージに緞帳が降ろされ上手側のカーテンが開く。そうだ、EASTってサブステージあったわ。二番手Kineticの登場です。千葉広樹(electronics/b)、服部正嗣(drs)のふたりユニット。ドラムはヘッドフォンして叩いてるんだけど、聴いてるのはクリックじゃないのかな? と思ってしまう。上半身が拍を刻んでいるというより踊っているようなんです。ズブズブな音にグルーヴィーなヴィジュアル、格好いい。千葉さんが「『the flowers of romance』のレコーディングにストリングスで参加している縁で。一緒にライヴが出来るなんてうれしい」とMC。終演後調べてみたらドラムの服部さんは『BOYCOTT RHYTHM MACHINE VERSUS LIVE 2012』(後楽園ホール!)で千住くんと対戦型インプロやったひとだった。うーわーあのときは生ドラムだったから雰囲気違ってわからんかった、あれすごかったよねえ。Kineticはオムスくんとのコラボもあるそうなので俄然興味がわきました。

・Kinetic
・Masatsugu Hattori

前にいたひとが出て行った(帰ったんじゃなくて一階フロアに降りたとポジティヴに考える)。わーい最前ですよ。壮観。

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黒い緞帳に新しいバンドロゴ、続いて十年間のアーカイヴ映像が浮かびあがる。クラシックな映画のよう。幕があがると後方にシンメトリー配置のスクリーンが二面、ポール型のLED照明に囲まれた楽器群。メンバーの衣裳もかわらずモノトーン。いーやー美しいわ……見惚れていると「I Shut My Eyes in Order to Sea」、ドカンと「Leviathan」。音デカい! ドラムデカい!

事前告知されていなかったゲストプレイヤーは佐々木大輔(tp)、根本潤(sax)、ケンジー(sax)。アンコールで飛田雅弘(g。歓声わいた。envyの今後にも期待!)、千葉広樹(cb)。VJはrokapenis。

視界を遮るものがないのでプレイヤーの手元も動きも表情もガッツリビューだ〜と喜んでいたのも束の間、スタイリッシュな暗い照明で予想より見えなかったっていうね……てかゲストも見えない。ネモジュンが暗がりに現れたとき、出てくるとこ見てなかったからおばけかと思ってギョッとしたわい。ハロウィーンだけにな〜。ネモジュンも佐々木さんもそろ〜と出てきて、そろ〜と楽器置いて出てったりしてて。ストロボっぽい照明もあり川��さんの動きがまんまコマ送りに見えてニヤニヤ、「Seiren」では暗闇でカウベルを打ち鳴らすネモジュンのシルエットにニヤニヤ。いや、格好いいとおかしいは紙一重です。

とにかく空間全景がひとつの美術作品のよう。この風景は観客だけが見ることが出来て、プレイヤー自身は見られない。なんて特権、感謝感謝。

演奏の緊張感は途切れることがない。「fractrec」レーベル設立第一弾となる新譜『Out of Body』からも数曲披露。楽曲群は観念的な方向へ向かっている印象。そこにこのバンドの特性である身体性が加わる。観念と肉体は常に切っても切れない関係、このバンドを見ているとひしひしと感じる。キーボードについているちいさな灯り(譜面台ライトを鍵盤用に使ってると思われる)のおかげで、清田さんの手元はよく見えた。印象的なネコの手。「さて、いきますか」と言うようなストレッチ、演奏前に鍵盤上を滑らせる指。ああ、次は「最後の晩餐」だな、と判る仕草も楽しい。引きで見ていると、川��さんと清田さんの丁々発止が非常にスリリング。「soil」では『irreversible』のワンシーン、清田さんがニヤ〜とエロい顔で川��さんを見ているシーンを思い出しましたよね。官能的な演奏というのも一貫してる。清田さんは川��さんのことも新留さんのこともよく見ている。そうそう、上からだと普段はなかなか見えない新留さんの手元も結構見えてよかった。

演奏はどんどん進化している、音のレイヤーも増える。以前は単音右手だけだったシークエンスに左手でコードを足していたり。ブリッジのインプロもどんどん変わる。川��さんの動向を見て、清田さんと新留さんが顔を見合わせる。笑っているようにも見える。どこに行くのかわからなくなるようなフレーズからよく戻れるよね……全然違う曲挟んでたりして。目が離せないし、耳は全く油断出来ない。

それにしても軽やか。不思議だ、こんなにパワフルなのに。腰の据わった演奏で腹にくる爆音、それでもフットワークが軽い。空間を飛びまわるような音の鳴りにも驚かされる。思わずスピーカーの位置確認しちゃったくらい。二階席にいるのに、背中を撫でられるような音もあった。

アンコールでようやくMC、「アンコールあると思ってたんで用意してました〜」。ほんと演奏とは裏腹に喋りはゆるいですね(微笑)。「十周年ってのは初ライヴから十年ってことです。あの〜今日が初ライヴの日って言っちゃったんですけど嘘です。本当は28日です」。だよね、最初の告知では10/28空けといてって言ってたからスケジュール帖に書いてたんだよ……危うく30日予定入れるところだったよ。衣装にご満悦のようで「コラボしているMilokでつくってもらいました、速乾性で洗って脱水した時点で70%乾く。そのまま部屋干しすれば完璧! 来月から僕らLITEとアメリカツアー行くんですけど、移動がたいへんなんでね」。喜んでましたがスタッフさんせめて二着つくったげて!「ビヨ〜ンて伸びるんですよ。ビヨ〜ン」と楽しそうに服を引っ張って見せる。ジャージ素材かな。「ボタンが磁石になってるんですけどお、うまくくっつかないな」…改良してあげて……。あんだけ激しい演奏だけど、スーツってのは拘りでしょうし、衣裳の可動域含め模索が続いているようです。そういう経過も楽しんでそう。

ダブルアンコール、「用意してなかったんで『A Sad Little Town』ってのをやります。全然練習してない(久しぶりにやる)曲なんでどこ迄出来るか!」なんて演奏始めましたがブリッジ新展開で完璧やがな。完奏後、川��さんは両腕を高らかにあげて振り向きもせず退場していかれました。俺はやったぜ俺はやったぜ〜なガッツポーズでございました。徹底してスタイリッシュ。そしてフィジカル。破壊と建築、どちらも不可欠。見つけてこわせ、底に流れるハードコア魂。

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・入場時ポスター型zineが配布されました
nine days wonder reunion showで配布されたzine見てつくりたくなったのかな。そしてこのzine、綴じてありません(上記リンク参照)。でも川��さんがzineというならzineで!(笑)
カメラ、VJ、音響、デザイン。クレジットでしか知らず気になっていたひとたちのことが紹介されてて読み応えあった。そしてこの日は建築とのコラボも予定してたそうですが実現しなかったとのこと。それどうやるの……

・mouse on the keys 10th anniversary tour trailer


・mouse on the keys 待望のニューEP『Out of Body』日本、北米、ヨーロッパ同時リリース決定!|SPACE SHOWER MUSIC
・mouse on the keys、来年1/25にニューEP『Out of Body』を日本、北米、ヨーロッパ同時リリース決定 | Skream!
・mouse on the keysが1月に新作EP、ラフマニノフをアレンジした楽曲も| CINRA.NET
・mouse on the keys - Out of Body|Topshelf Records
・Mouse on the Keys announce new EP, ‘Out of Body’|Punktastic

・LITE / mouse on the keys Split Teaser


・LITE / mouse on the keys SPLIT EP
- iTunes
- OTOTOY
- spotify

EPていうからアナログのみかな〜としょんぼりしていたら配信あってうれしい。この手のスプリットシングルのリリース方法にはニヤリとさせられます、やっぱオルタナマナーよな……。
新曲1曲ずつ、お互いのカバー(LITEが「最後の晩餐」、motkが「Echolocation」)も収録。むちゃよいですー。アメリカツアー気をつけて行ってらっしゃいまし! この組み合わせで凱旋ライヴも期待しております

・mouse on the keys Interview | clubberia
昨年秋、『the flowers of romance』リリース時のインタヴュー。千葉さんの話もしてる

・mouse on the keys 清田敦が忘れられない強烈な映画『魔界転生』 | i bought
おまけ、偶然見つけた記事。意外な切り口だったわ……