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Sail ho!
Tohko HAYAMA
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Sail ho!:映画「マスター&コマンダー」と海洋冒険小説の海外情報日記
アポロ13

先週の土曜日にNHKBSプレミアムでロン・ハワード監督の「アポロ13」の放映がありました。
私にとってはこの作品が、90年代に見た映画のベスト1作品なのですが、ちょっと考えてみたら、今世紀に入ってから見直すのはこれが初めてでした。民放のテレビ放映(洋画劇場)を見たのは99年のことだったのです。

海洋小説好きのお仲間の中にはこの映画が好きだという方が多くいらして、ネット仲間のオフ会で話題になったこともありました。
乗組員を救助に行く米艦の艦長役が、じつは原作者でこの映画の主人公であるジム・ラベル本人のカメオ出演であることも、その時に教えていただきました。
今回初めてそのシーンを確認しましたよ。

ロン・ハワード監督はその後「ビューティフル・マインド」で2001年度アカデミー賞監督賞を受賞します。
この授賞式を放映したNHKBSの番組で解説者から「ここで監督賞をあげるなら、アポロ13にあげれば良かったのに」という発言があったことを覚えているし、私もその時は「まったくだ」と思いました。
ちなみにこのアカデミー賞授賞式に出席したラッセル・クロウはもうオーブリー役の話が決まっていて、役作りのために髪を伸ばしている最中でした。
でも今回「アポロ13」を見直して思ったのは、いや確かに「アポロ13」の方が訴えかけるもののインパクトは強いんだけれども、構成の緻密さでは「ビューティフル・マインド」はよく出来ているんだな、ということ。クライマックスの感動の種類が異なりますから、簡単に比較できるものではありませんが。

この映画が訴える一番のポイントは「人間、智恵を絞れば奇跡もひねりだせる可能性がある」ということでしょう。
二酸化炭素除去装置の工夫とか、4アンペアを絞り出す試行錯誤など、復興途中にある日本が学ぶものは多いと思います。
実際に、節電、防災、除洗や高放射線下の無人作業などについては、この2年で様々な技術開発が進められていますし。
時を経ても、いや今だからこそ価値ある映画だと思ったのでした。


2013年08月03日(土)