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Sail ho!
Tohko HAYAMA
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Sail ho!:映画「マスター&コマンダー」と海洋冒険小説の海外情報日記
今年は2012年なので

今年は2012年なので、
と言うより、米英戦争とナポレオンのロシア遠征のあった1812年の200周年(バイ・センテニアル)なので、
と言った方が良いと思うのですが、パトリック・オブライアン・フォーラムでは「今日は何の日」うんぬんと言った書き込みが交わされています。

この週末あたり、米国東海岸では米英戦争200年関連のイベントがあるらしく、元私掠船のリンクス号がニューヨークに行っていたり、コンスティテューション号も進水記念日(10/17)にドックを出たようです。

The U.S.S.Constitution is on the move
http://www.wwnorton.com/cgi-bin/ceilidh.exe/pob/forum/?C343afb13dd0d-8329-12-30.htm
これはパトリック・オブライアン・フォーラムに出ていた個人撮影の写真

こちらの写真の方が綺麗ですが、ここは米海軍のサイトです。
ボストンの市街地を背景に進むコンステューション号
http://www.navy.mil/view_image.asp?id=136278

まぁ英国サイドの小説を読んでいる身としては、ジャックもスティーブンも、アダム・ボライソーもひどい目に遭った米英戦争なので、あまり200周年を祝う気分ではなく、これまでは関連ニュースの中継をしていなかったのですが、コンスティテューションがドックを出たとなると、さすがにスルーするわけには。
やはり帆船は開けた海面(ここはまだボストン湾内だそうですが、厳密なツッコミは無しで)にある姿が美しいかな?と、
コンスティテューションは片舷斉射でジャックに重傷を負わせた敵艦ではありますが、ご紹介する次第です。
どなたか「コンスティテューション号がドックを出た」とリーワード艦隊のリチャード・ボライソー提督に急使船を出してくださいませ(苦笑)。

さて、一雨ごとに寒くなり冬の足音が近づきつつある今日この頃ですが、200年前の冬と言えば、ナポレオンをも敗北させたロシアの冬将軍。
ナポレオンのロシア遠征については、むかし読んだ両角良彦「1812年の雪―モスクワからの敗走」の印象が強烈で、ロシア遠征に動員され悲惨に凍死した属国の将兵を悼みこそすれ、わざわざ200周年うんぬんという話ではないなと思っています。
もっともそれを言い出したらどの戦争も同じことなので、きりがありませんが。

「1812年の雪」はもはや中古でしか手に入らない状況のようですが、どこかの古本屋で見かけられましたら、200周年を機にということで、手にとってみてくださいませ。エジプト遠征を描いた「東方の夢」も含めて、優れた歴史ノンフィクションだと思います。
この朝日選書版のほかに講談社文庫版もあります。


2012年10月28日(日)