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Sail ho!
Tohko HAYAMA
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Sail ho!:映画「マスター&コマンダー」と海洋冒険小説の海外情報日記
祇園祭とサン・ファン・バウティスタ号

16日の土曜日の夜にNHK地上波で放映されていた生中継「祇園祭宵山」、
なにげに見ていたら、サン・ファン・バウティスタ号の映像(大震災前のものだと思います)が登場しびっくり!

祇園祭は京都の八坂神社の祭礼で、その始まりは1000年以上も前の貞観11年(西暦869年)。
京都で疫病が流行し、その厄災を祓うために病魔退散を祈願し、66本の矛を建て、神輿を送り込んだことが起源とされています。
貞観という年号にあっと思われた方もあるかと思いますが、仙台平野を過去に大津波が襲った貞観地震も祇園祭が祓おうとした厄災でした。
ゆえに今年の祇園祭は、特別の意味を持つのだと京都の方は仰います。

番組の詳細・祇園祭の詳しい解説は下記HPの方が良いでしょう。
祇園祭宵山
http://www.nhk.or.jp/kyoto-gion/

祇園祭と言えば山鉾巡行ですが、この山鉾のひとつ「鯉山」という山鉾には、16世紀末〜17世紀初のブリュッセル(現ベルギー)で織られた西洋のタペストリーが飾られています。
当時の京都は安土桃山時代、鎖国前で南蛮貿易が行われていた時代ではありますが、京都の地元のお寺には「奥州よりつづれ織り(タペストリー)がもたらされた」との記録があります。
この時代の奥州でヨーロッパと言えば、サン・ファン・バウティスタ号でヨーロッパに渡った伊達政宗の遣欧使節団。
このタペストリーはこの使節団が持ち帰ったものではないか?という推測が成り立つのですが、それを裏付ける証拠はまだ見つかってはいません。

山鉾「鯉山」についてはこちら。
鯉山
http://www.nhk.or.jp/kyoto-gion/map/m28.html

ほんとうに何げに見ていた番組で、こんなところでこんな話とサン・ファン号が飛び出してくるとは夢にも思わず、本当にびっくりしました。

それにしても、それぞれの山鉾は本当に見事な美術工芸品です。
それらは昔から京都の町衆が大切に守り受け継いできたもの。
解説の夢枕獏氏いわく、「各町内に一人はかならず尾形光琳のセンスを持った職人さんがいらしたんですね」
やはり「一生に一度は見に行くべきものだな祇園祭」と思いました。


横浜帆船模型展は17日の午後に行ってきました。
写真処理をしている時間がないので、ご報告は来週になりますが、素晴らしい作品の数々です。
19日(月)17:00までの開催ですので、まだの方は是非、足をおはこびください。


2011年07月16日(土)