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Sail ho!
Tohko HAYAMA
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Sail ho!:映画「マスター&コマンダー」と海洋冒険小説の海外情報日記
テメレア戦記挟、20日新刊

この次の土曜日12月20日に、ヴィレッジブックスからハードカバー新刊で、待望のテメレア戦記の挟が発売されます。

2巻のサブタイトルは「翡翠の玉座」、文字通り、翡翠色の綺麗なカバーがめじるし
テメレア戦記 翡翠の玉座

今回の舞台は1806年のイギリスと中国――正確には清ですが、物語の特異な設定ゆえに、歴史上の清とは微妙に異なります。

中国の皇帝がナポレオンに献上しようとした竜の卵、それを乗せたフランスのフリゲート艦を拿捕したことから運命が急転、英国海軍の艦長から空軍のドラゴン戦隊の飛行士に転身することとなった主人公ウィリアム・ローレンスと、彼を担い手に選んだ竜のテメレア。
この事態を中国側は座視できず、皇帝の兄弟にあたるヨンシン皇子を直々にロンドンに送り込み、竜(テメレア)の返還を求めます。

けれどもローレンスを唯一の担い手に選んだテメレアの意思は堅く、二人を(ローレンスとテメレアのことですよ。一人は竜ですが)引き離すことができないと知った上層部は、ローレンスに対し、テメレアとともに中国に向かうよう命令を下します。

と言っても、広大なユーラシア大陸を飛んでいくわけではありません。ヨーロッパ大陸のこちら側には敵対国フランスがありますし、それはとても無理な相談。
ローレンスとテメレア、それにグランビーやマーティンなどの部下たちは、海軍のドラゴン輸送船に乗り、歓迎せざる便乗者ヨンシン皇子ともども、大西洋を南下、南アフリカの喜望峰をまわり、インド洋、マカオ経由で中国をめざします。
…というわけで、2巻も相変わらず、海洋冒険シーンが満載です。
今回も半分近くが海上シーンではないでしょうか? 作者のノヴィクさんは本当に海がお好きなようですね。

前巻からのファンに嬉しいのは、このドラゴン輸送船の艦長が、かつてのローレンスの副長だったライリーだということ。
彼らの友情に変わりはありませんが、今回はお互いに立場も責任も異なり、別々の部下を抱える身の上、職掌上ゆずれない線はあるわけで、そのあたりもまた面白い人間ドラマになっています。
中国語に堪能な若手外交官のハモンドや、ドラゴン医のケインズ(とてもユニークなおじさん)など魅力的な新キャラクターも登場し、また中国でテメレアを迎える竜たちも印象的。
今回もなかなか、奇想天外な1冊なので、おすすめです。

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明日はまた遠出しますので更新はありません。
アレクサンダー・ケントの後編がのびのびになってしまって申し訳ありません。
でもテメレアの発売日が20日だと聞き、これは来週までのばせないことからこちらのニュースを優先にしてしまいました。
あしからずご了解くださいますよう。


2008年12月13日(土)