HOME ≪ 前日へ 航海日誌一覧 最新の日誌 翌日へ ≫

Ship


Sail ho!
Tohko HAYAMA
ご連絡は下記へ
郵便船

  



Sail ho!:映画「マスター&コマンダー」と海洋冒険小説の海外情報日記
レパード号と同じ目に遭った客船の話

南極海で、氷山クルーズの客船が氷山に衝突して沈没…というニュース、私は米国のパトリック・オブライアン・フォーラム(掲示板)で知りました。

南極海で客船浸水事故、別の客船が現場で救助開始(日本語)
http://www.afpbb.com/article/disaster-accidents-crime/accidents/2316143/2386954
南極海の客船浸水事故、乗員乗客全員を救助(日本語)
http://www.afpbb.com/article/disaster-accidents-crime/accidents/2316266/2388124

日本では全く報道されていませんし、私も最初は事情が事情(5巻のレパード号と同じ)だからオブライアン・フォーラムで話題になっているかと思ったら、英米ではけっこうなニュースで、新聞の一面にも出たりしているんですね。
乗っていた乗客の多くがアメリカ人だったという事情もあるのかもしれませんが、

…と思っていたら、土曜日にアメリカの知人から届いたクリマスマスカードに、「沈んだ船は私たち家族がガラパゴスと北極のツァーで乗った思い出の船だった。私たちにも残念だ」と書いてあって、あらまぁと思いました。
そのご一家は、つい2〜3年前もカムチャツカ夏の船旅ツァー(小樽発着)のために東京トランジットで札幌に行くというので、ちらっと東京でお会いしたのですが、アメリカには結構、アドベンチャー船旅ツァーというのがあって、いろいろと面白い企画があるらしいんです。

ベーリング海とかカムチャツカ半島とかはきっと手つかずの雄大な自然が残っている筈で、日本はこんなに近いのに、そういう船旅企画は全くなくて、アメリカにはある、というのが何だかなぁと思って(それも小樽発着なんて!)
イギリスにはもっといろいろあるんでしょうけど、やっぱりアングロ・サクソンには海の冒険の伝統があるというか。
彼らがガラパゴスで利用した船旅ツァーはこちら(今回沈んだ船は、既に他の会社に所有が移っていたそうですが)
Lindblad Expeditions(英語)
http://www.expeditions.com/index.asp

この会社、ナショナル・ジオグラフィックと提携しているようですし、野生生物見学のオプショナル・ツァーなどもきっとしっかりしているんでしょうね。こういう博物学的なところも、アングロサクソン的伝統だったりしますから。
私がオーストラリアのグレートバリアリーフで利用した日帰りクルーズにバード・ウォッチング・ツァーというオプショナルがついてたんですが、これで、わずかな時間でしたけど素敵なマチュリン先生体験をさせていただいた経験があって。

先日のSalty Friends講演会で、地中海のセイル・トレーニングを体験してらしたQさんが、外国企画のセイル・トレーニング・ツァーに参加してみる面白さを語っていらっしゃいましたが、この手の博物学的アドベンチャー船旅ツァーも、哀しいかな日本には企画がありませんので、外国企画に乗るしかないのかもしれません。

…と言っても、こういう船旅は、長期バカンスが確保できる欧米人向けなので2週間とか長期のものが多く、夏休みをとるのにも苦労する日本の勤務態勢では、勤めている限りは実質不可能…だからきっと日本人向けのこういう企画は無いんでしょうね、きっと。
私にもこれは夢でしかありませんが、でも上のLindbladのHP,ガラパゴスとかの写真が綺麗で、参考書籍の紹介などもあるので、見るだけでも楽しめます。
世の中にはこういう世界もあるんですよ…ってことで。
ここの地中海クルーズは帆船ですって…いぃなぁぁ。


2007年12月16日(日)