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Sail ho!
Tohko HAYAMA
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Sail ho!:映画「マスター&コマンダー」と海洋冒険小説の海外情報日記
灯台さがし

先週日曜の夜から月曜にかけて、伊豆東海岸の高台にある温泉旅館に行ってきました。
眼下に相模湾を一望、彼方にうっすら陸地が見えて、夜にはそこにピカッピカッと一定間隔で光が点滅します。
「あそこの青い光が見えるでしょう? あれが東京湾の入口の灯台だそうですよ。以前に泊まられた船に乗ってるお客さんに教えてもらってね」
と宿の人に言われて見ると、確かに中央あたりに青い光が時々光ります。白い光2回と青い光1回の組み合わせ。

あそこが東京湾の入口…とすると、その右にまだちょこちょこ見える光はひょっとして房総半島?
そこには一定間隔で赤い光が、さらに右端にオレンジの光が一定間隔で光を放ち、その右(方角的には東)は真っ暗…ここがたぶん太平洋。
あの赤とオレンジはきっと灯台なのだろうけれど、いったいどこの灯台だろう?
その名前がわかったらきっと、何処が見えているのかがわかる、と思って。
おぉぉ、なんだか船乗りみたいだわ私。
帰ったらネットで、灯台の発光間隔とか光の色とかを調べてみよう!

ところが、
これが思いのほか難航してしまったんです。
海上保安庁のページに行ったら簡単に見つかるだろうと思っていたのに、出てきません。
灯台ファンの方のHPは見付けたのですが、ここは灯台の写真のページで、発光間隔とか色までは載せておられず。
おぼろげながらわかってきたことは、
どうやら灯台は国(保安庁)が一括管理しているのではなく、地方自治体が管理しているものもあるようだ。
地方自治体管理のものの中には、例えば市のHPなどの中に発光間隔や色を公開しているものもあるけれど、私が知りたいと思っている三浦半島や房総半島の灯台にはそのようなページがない…らしい。

こういうのってやはり海図を買って調べるしかないのでしょうか?
海洋小説ファンで関東在住だったら、東京湾と相模湾の海図くらい持っていても良い…とも思いますし。
実は私は、イギリス海峡だのフランスのリオン湾だのオーストラリアのグレートバリアリーフだのの海図は、小説を読むためという理由で現地で購入してたりします。外国の海図を持ってるのに日本の海図を持っていない日本人、ってちょっと恥ずかしい?等とも思いまして。

ところがこの海図というのがまた、そう簡単には手に入らないんですね。
陸上の同じようなものとして、山歩きをする人などが使う国土地理院発行の五万分の一地形図があるのですが、これはちょっと大きな本屋さんに行けば簡単に購入できます。
ところが、海図って本屋さんでは手に入らない。
マリーナとか船具店とか専門のお店では扱っているらしいのですが、そういうお店はいずれも海のそばなので、週末にでも海の近くまで出かけなければなりません。

日本人に海は遠いなぁと思うのは、こういう時ですね。
私が持っているイギリス、フランス、オーストラリアの海図は、旅行中に町中のお店で普通に手に入れたものです。
土産物屋と折衷になっているようなお店で、イルカの置物とかヨットパーカーとか、海関係のものを多く扱ってはいますが、港まで行かなければならないお店ではありませんでした。
このあたりが、彼らが海洋国家と言われるゆえんで、日本よりずっと海が身近にある。
山歩き用の地図が町中で容易に手に入るには、やはりそれだけの需要がある…山歩きを趣味にする人が多い、からなのでしょう。
それに比べるとやはり、海図を必要とする人の絶対数は少ないのでしょうか。


宿から撮影した相模湾〜暴走半島の写真。月光が海面に映えて綺麗。
灯台の光も写っているんですが、ちょっと見にくいですね。


翌朝撮った写真はこんな感じ。
小田原から房総半島の突端、伊豆大島まで一望のもと(カメラのレンズに入り切らない)。
たとえば日本丸や海王丸が東京にやってくる日にこの高台で張っていたら、大島沖から浦賀まで帆走する様子が見られたりするのでしょうか?
もっとも春〜秋は霞んでしまって、ここまで視界が良くないそうです。
ここまで見えるのは晩秋から冬をはさんで早春までの寒い季節のみなのだとか。


2006年12月16日(土)