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Sail ho!
Tohko HAYAMA
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Sail ho!:映画「マスター&コマンダー」と海洋冒険小説の海外情報日記
映画化2題:英国海軍の龍/ベタニーご指名?

今週は絶句するようなニュースがいろいろと飛び込んでくる週だったのですけれども、金曜日のYahoo映画にも翻訳掲載されたこのニュース、

ピーター・ジャクソン、新たなファンタジー映画を企画
http://movies.yahoo.co.jp/m2?ty=nd&id=20060915-00000009-flix-ent

「ロード・オブ・ザ・リング」のおたく監督PJが目をつけた次のファンタジーは、米国オブライアン・フォーラムでも話題になり1月30日の日記でご紹介した「国王陛下の龍・テメレア」、ナポレオン戦争時代の英国海軍の艦長を主人公としたドラゴン・ファンタジーです。
いやはや…。

Yahoo映画の元になったのはハリウッド・レポーターのこの記事(Bさん>教えていただきありがとうございました)
http://www.hollywoodreporter.com/thr/film/article_display.jsp?vnu_content_id=1003120747
PJがこの原作小説を気に入った理由は、この小説が彼の愛する2つのジャンル(歴史とファンジー)素晴らしい融合だから…なのだそうですが、
いやその、私とてハ○カワ文庫FTと、NVの海洋小説が書棚にずらりと並んでいる一人ではあるのですが、でもこの二つを融合する…なんてこと、天地がひっくり返っても考えてみようとわ…。
素直に喜んで良いのかどうか悩みます。

でも…いったいどういうことになるのか、コワイモノ見てみたい気はいたしますが、
PJが映画化ということになったら、特殊撮影を担当するのはWETAでしょうし、WETAはM&Cでサプライズ号の撮影を経験していますから、帆船は安心して任せられます。
もちろん龍も、ロード・オブ・ザ・リング「王の帰還」でミナス・ティリスを攻撃してくださったナスグルさんたちは迫力満点でした。
あとはローレンス艦長を誰が演じるか?ですね。


ところで今週はもう一件、あっと驚く映画化の話を耳にしました。
いえこの本、発売は先月、8月のハヤカワ新刊(再版)だった筈ですが、私が旅行していたため先週ようやく現物を手にとりました。
ハヤカワ文庫SF「ストームブリンガー」(エルリック・サーガ4巻) マイケル・ムアコック著

問題はこの「あとがき」です。
今回のあとがき解説担当はファンタジー作家のひかわ玲子氏なのですが、
ひかわさんによると、実はこのエルリック・サーガには現在映画化の話があり、そして原作者のムアコックが主人公エルリックに推している役者はなんと、ポール・ベタニー!
う、うそでしょう…。

今発売されている文庫は、復刊でして最初に発売されたのはかれこれ20年近く前、当時の表紙は天野喜孝氏でした。
天野氏の描くエルリックはこんな感じです。
ムアコックはこの日本版の挿絵をたいそう気に入ったらしく、この表紙は逆輸出されて、英国版ペーパーバックの表紙を飾りました。
これをベタニーに??? いやその何と申しますか…。

もう少し詳しい話がある筈だと思い検索してみました。おそらく、ひかわさんが参考にされたのはこのページではないかと思われます。
http://www.multiverse.org/fora/archive/index.php/t-50.html

ここはムアコックのHPの掲示板と思われますが、作者ムアコックご自身が時々レスをつけていらっしゃいます。
これによると、映画化権を獲得したのはユニバーサルで、現在脚本段階まで話は進んでいるとか、いずれにせよキャスティングはまだまだ先の話でしょう。

この掲示板、ファンの方たちがキャスティングについて様々な意見を出しているのですが、ここの出てくるエルリック候補の名前がそうそうたるもので、
ジュード・ロウ、クリスチャン・ヴェール、キリアン・マーフィ、ジョニー・デップ、アラン・リックマン、ジャック・ライダー、ホアキン・フェニックス、顔だけだったらキアヌ・リーブス…とか、ジョナサン・リース・マイヤーズなども。
それでも作者ムアコックのイメージはポール・ベタニーなのだそうです。

最近のアメリカ版ペーパーバックの表紙はこんな感じですが、さてどうなるのでしょう?
そうそう、衣装デザインにぜひ天野氏を、というファンの書き込みがありました。これは私も大賛成です。


2006年09月15日(金)