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Sail ho!
Tohko HAYAMA
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Sail ho!:映画「マスター&コマンダー」と海洋冒険小説の海外情報日記
訂正と、「鄭和」を見て考えたこと

先週は「鄭和」に「紅はこべ」とDVD録画の嵐が吹きまくり、対応におおわらわでした。

慌てて更新を2本あげましたが、実はその中で嘘をついてしまいました。
…ので訂正です。
「紅はこべ」は、ジェイミー・バンバーのデビュー作品ではないそうです。
「ホーンブロワー1」第1話の撮影の方が先だとのこと。
撮影順は、「ホーンブロワー1」第1話、第2話、「紅はこべ」、「ホーンブロワー1」第3話、第4話となるそうです。
以上、訂正させていただきます。申し訳ありません。
Bさん>正確な情報をありがとうございます。

そういえば「紅はこべ」にはブレースガードル海尉ことジョナサコン・コイも出演していましたね。
ぐぐぐっと出世して、プリンス・オブ・ウェールズ、皇太子殿下役です。


BS-hiビジョンの「鄭和」も実に、内容的に興味深かったです。
これはいずれBS、地上波にも降りてくるでしょうから、その折りは是非ご覧ください。

中国は明の時代には、当時のヨーロッパをはるかに凌ぐ科学技術(造船・火薬・大砲・航海術など)を持ち、コロンブスよりはるかに大型の外洋航海帆船で大船団を組織して、アフリカへ、さらにその先の海へと航海していたというドキュメンタリー+ドラマです。

これを見ていると、なにやらアヘン戦争が信じがたい未来のように思えます。中国はこれだけの技術を持ちながら、どうしてその後、海に出ていかなかったのだろう? あまつさえアヘン戦争では英国にこてんぱんにやれてしまって。

私たちの知る中国の海外進出は、清の時代に貧しい福建や広東の漁民が、本土での暮らしに耐えかねて海外に出た…という華僑の歴史で、欧米諸国の植民地進出とはおよそ対照的です。 

番組の中でも語られていますが、もし鄭和以後、中国が海外から手を引くことがなかったら、インドを始めとする南アジア、東南アジアの植民地化はなかっただろうし、歴史は変わっていた。
アメリカ人の研究家が番組の中で語っていましたが「英語が世界の公用語になることも無かったかもしれない」

鄭和の大航海は、当時の皇帝だった永楽帝のリーダーシップあっての大国家事業でした。そのためには莫大な官費が支出されました。
永楽帝の死語、その政策は継承されず、途絶えることになります。
莫大な出費とその見返りを考えた時、中国(明)は、国内の貿易だけでも十分裕福に、繁栄することができたからです。
そして東アジアは鎖国へと向かい、19世紀に欧米列強が押し寄せた時には、はるかに立ち後れていました。

逆に言うと、ではヨーロッパはなぜ?海を渡って海外に拡大していったのだろう?という疑問が湧きます。
新大陸で比較的早く金が見つかって、出費に対する見返りが明らかになったから?
ポルトガルとスペインには、イタリアを出し抜こうという思いが、
イギリス、フランス、オランダには、スペインを出し抜こうという思いが強かったから?
ライバル国が身近にひしめいていた…というのは大きな理由かもしれませんね。東アジアは当時、明の国だけが巨大で周囲に海のライバルになる国はなかった。明の脅威はもっぱら大陸の北や西から来ていましたから、海よりは陸という判断になるのかもしれません。
いろいろ考えみるのですが、どうでしょう?

ところで、まったくこれ本編には関係ないのですけれども、
鄭和の記録官だった馬歓の声を吹き替えていたのは誰だったのでしょう?
なんだか昔よく聞いた懐かしい声のような気がするのですが、確認したかったのに、声の出演=青二プロダクションではわからない。

テレビの洋画劇場を見ていても思うのですが、吹き替えキャストが出るのは主要の2〜3人だけでしょう?
昨年末だったか吹き替えの「ハリーポッター」を見ましたが、声のキャストが出たのは子供たち3人だけで。
ケネス・ブラナーの吹き替えはいったい誰だったのだろう?とずっと疑問に思っています。
このあたりもう少し丁寧に対応していただきたいと思う今日このごろです。


2006年02月05日(日)