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Sail ho!
Tohko HAYAMA
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Sail ho!:映画「マスター&コマンダー」と海洋冒険小説の海外情報日記
艦長負傷(脱臼)につき

2月7日(土)にアメリカ監督協会(Directors Guild of America)の監督賞の発表を兼ねた祝賀晩餐会がアメリカで開催され、受賞者は「LOTR:王の帰還」のピーター・ジャクソンに決まりました。
ピーター・ウィアー監督もノミネートされていたので、この晩餐会にはノミネート映画の関係者も出席することになっていたのですが、先日トレーニング中に脱臼したラッセル・クロウ艦長の代理で出席したのは、職責上は当然の、ジェームズ・ダーシー副長でした。

本来でしたらポール・ベタニー軍医が出席すべきなのだと思いますが、艦長の看病で忙しく…ではなくって、英国映画賞の関係で、いま彼はイギリスのようですね。2月5日のテレグラフ紙に下記のような記事が載っています。ベタニー自身は早くニューヨーク・ブルックリンの奥さんと子供のところへ帰りたいみたいですけど。
今現在イギリスで大問題になっているBBCのイラク戦争報道問題については、「アメリカで暮らしていると、健全なメディアのあるこの国の良さがわかる」という政治向きの発言なども行っているようです。
From busker to BAFTA

また、撮影監督のラッセル・ボイドのインタビューが下記のページに紹介されています。「M&C」に関係する部分のみご紹介します。
A Conversation with Russel boyd
照明は、監督が俳優たちと創り上げる場の雰囲気を盛り上げるものだ。ただ照明を当てれば良いというものではない。照明はそのシーンの雰囲気を殺してしまうこともありえるし、またより情感をかきたてるべく効果的に働くこともある。「マスター・アンド・コマンダー」を例にとれば、艦長室の照明はシーンに対応している。艦長とドクターの意見が対立し、議論になる場面ではより陰鬱な雰囲気を出し、反対にやすらぎを感じさせるシーンでは照明もソフトにおさえている。

さて、以前から問題になっていた「マスター・アンド・コマンダー」の日本版予告編問題、週刊誌にもとりあげられてしまいました。木曜日発売の「週刊文春」2月12日号52ページ「R・クロウファン激怒 歴史大作映画を貶める「虚偽」宣伝」という記事です。
まだ週刊誌が発売中ですので、ここではタイトルのみご紹介しますが、どうやら日本広告審査機構が調査に入るようです。

2月に入り、国内でも様々な雑誌に「マスター・アンド・コマンダー」がとりあげられ始めたようです。
思わず笑ってしまったのは、「映画秘宝」という男性向けと思われる映画紹介雑誌。
「砲弾が爆発しない」など戦闘シーンの本物度を紹介したあと、「映画会社の宣伝(萎えるぞ)にまどわされず、映画館に行くべし」と言うような内容で締めてあり、苦笑してしまいました。
いま発売中の日経エンタティメントの紹介記事も、事実を正しく伝えているのではないかと思います。

ピーター・ウィアー監督は2月5日のプレミア試写会に合わせて来日していたようですが、監督インタビューなどが記事になりはじめると、また世間の認識も変わっていくのではと思います。


2004年02月07日(土)