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Sail ho!
Tohko HAYAMA
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Sail ho!:映画「マスター&コマンダー」と海洋冒険小説の海外情報日記
M&Cサウンドトラック

映画「マスター&コマンダー」のサウンドトラックについて、こちらのページでその一部を聴くことができる…はずです。例によって時代遅れのネット環境にある私のPCには無理な相談なので、私自身は試しておりませんが、通信環境の良い方はぜひお試しあれ。
このページ右上の「Listen」というところをクリックしてみてください。

このページでは映画全体とサウンドトラックの紹介をしていますが、画面をずずいっと下の下まで下げていきますと(逆光の美しい洋上のサープライズ号の写真のさらに下へ)、キャスト一覧が出てきます。
これは、以前に公式ホームページのところでも書いたことですが、このキャストはねたばれをしています。
うっかり見てしまいますと、部下のうちの誰がジャックのもとに戻ってくるのかわかってしまいますので、この件についてお知りになりたくない方は、サープライズ号の写真より下をご覧にならない方が賢明です。

さて映画M&Cのサウンドトラックは3人のオーストラリア人作曲家の手によります。彼らは先年シドニーで行われたミレニアム・イベントの際に共同で「The Ghost of Time」を作曲しており、ピーター・ウィアーはこれに感銘を受けて、今回のサウンドトラックにこの3人の音楽家を選んだとのこと。
一人目はIva Devis、ポピュラーミュージックを得意とするオーストラリアのミュージシャン。二人目はRichard Tognetti、オーストラリア室内楽団のリーダーでバイオリニスト、作曲の他にも映画では、ラッセル・クロウへのバイオリン指導にあたっています。三人目はChristopher Gordonここ数年、作曲家として頭角を現しTVドラマ「白鯨」の音楽などを担当していますが、本来は指揮者で映画「ムーラン・ルージュ」のサウンドトラックは彼の指揮によるものだそうです。

帆走軍艦の時代は、ドラムが行動開始の合図となることから、このサウンドトラックにも打楽器が多用されているとのこと。
また19世紀の歴史ドラマにもかかわらず、シンセサイザーを用いた曲もありますが、これはウィアー監督の「当時の船乗りたちは最先端の冒険者であった」という考えに即したものだそうです。
19世紀らしい、素朴な民俗音楽やジャックやスティーブンがよく演奏している古典音楽ももちろん含まれています。

サウンドトラックの構成は以下の通り
1 The Far Side of the World
2 Into the Fog
3 Mozart: Violin Concerto No. 3 K.216, 3rd movement
4 The cuckold comes out of the Amery
5 Smoke 'n' Oakum
6 Vaughan Williams: Fantasia on a theme by Thomas Tallis
7 Corelli: Adagio from Concerto Grosso op. 6, No. 8 in G minor
8 The Doldrums
9 J.S. Bach: Prelude From the Unaccompanied Cello Suite no. 1 in G Major,
BWV 1007( チェロ演奏ヨー・ヨー・マ)
10 The Galapogos
11 Folk Medley
12 The Phasmid
13 The Battle
14 Boccherini: La Musica Notturna Delle Strade di Madrid no. 6, Op. 30
15 Full Circle

ボッケリーニやコレルリなどはおそらく、ジャックとスティーブンが合奏しているという設定なのでしょう。
でもスティーブンの吹き替え(!)はヨー・ヨー・マですよ。すごいですね〜。なんだかスティーブンには勿体ない(こらこら)ですよね。

サウンドトラックの紹介にあたっては、冒頭で紹介したページのほかに、こちらのレビューも参考にしました。


2003年10月27日(月)