2004年08月22日(日)  H2O+H2=H4O(水素結合水)

■「水」のサンプルをいただいた。H2O(水)+H2(水素)=H4O(水素結合水)というのだそう。ウィダーインゼリーのような180ml入りのアルミパッケージは、すっきりと研ぎ澄まされたデザインで、この手の健康系にありがちなゴテゴテ感もファンシーさも薀蓄もない。自信の表れなのだろうか。サンプル5パックと一緒に入っていたパンフによると、H4Oには「酸化」を「還元」する効果があるのだとか。体のサビをきれいにしてくれるということだろうか。アトピーなどに効く模様で、パンフには「使用前」「使用後」写真が紹介されている。化粧品のコピーを担当していた頃は、「水が肌をつくる」なんて化粧水のコピーを書いていた。細胞を支える水は、体の基本。大事、大事。■早速1日1パックで5日間続けてみた。最近はビフィズス菌のおかげでアトピーも出ていないので、とくに変化は見られない。若返ったとかキレイになったという声もなし。たった5パックで劇的な変化があるのもかえって怖いかもしれない。でも、体にいいものを取り入れているというプラシーボ感覚は味わえた。「水素で還元」って科学的な響きは、何だかありがたみがある。気になるお値段は16パックで8400円。1パックあたり500円強の計算。1日1パック飲まないと効果なしだと、ちょっとお高い買い物になる。たまに飲むだけでもいいのだろうか。10月には「水素浴」できるフェイシャルスプレーやスポーツ飲料やペットウォーターが発売されるとのこと。価格などはまだ発表されてないけど、こちらはもう少しお手軽かも。

2002年08月22日(木)  鼻血で得意先ミーティングに遅刻


2004年08月19日(木)  色数はあるけど色気がない

『風の絨毯』プロデューサーの益田祐美子さんと食事をしていたら、突然、「今井さんって、色気感じないねえ」と言い出した。

今さら大発見でもないので、「そうですねえ」と相槌を打つ。普通の人はそれ以上踏み込まないのだが、益田さんは「なんでかねえ」と考え続け、話題が途切れるたびに「黒とか着ればいいんじゃない?」とか「仕草が女らしくない」とか勝手にアドバイスし、「胸がないからかな。でも、ジェニファの試写会のとき、上げ底してたけど、やっぱり色気なかったわねえ」とヘンなことまで思い出す。

もう、ほっときなさい!

益田さんは、あるとき「女の魅力で映画の出資を取りつけたんですか」と聞かれて、唖然としたらしい。「そんな風に見ている人がいるって、びっくりしちゃって」と言うが、「それ、褒め言葉とも受け取れるよ」とわたし。「魅力がある」って認めてくれてるんだから。正確には「魔力」なんだけど。

わたしはと言えば、色数が多いとは何度も言われたことがあるけど、色気があると言われたことは一度もない。あるとき「今井は色仕掛けで脚本の仕事を取っている」という噂が流れかけたが、すぐに「色気ではなく色数で惑わせている」と修正情報が定着してしまった。やれやれ。

誰が見ても評価はあまり変わらないようで、先日、会社の飲み会で「助手席に乗せたい女」の話題になり、社内のいいオンナの名前が次々と挙がったとき、誰かが「今井はどう?」とジョーカーを投げこんだ。すると、すかさず「それは誘拐だろっ」と反応があり、一同大爆笑。若いとは言われたいけど、子どもまで若返りたくはない。

同僚と三人で東京ディズニーランドのレストランに入ったとき、あとの二人には熱いお茶が出て、わたしにだけ水が出たという事件もあった。わたしもショックだったけど、「今井先輩の母」にされた後輩の女の子も傷ついていた。わたしが着ていた赤地に白い水玉のシャツが、ミニーちゃんのコスプレに見えたらしい。やれやれ。

2002年08月19日(月)  大阪は外国!?


2004年08月18日(水)  スチームボーイと津嘉山正種さん

■まわりで何かと話題の『スチームボーイ』を観る。製作費24億円とかで、とにかく絵の作りこみがすごかった。機関車や飛行船や潜水艦や戦車、出てくる乗り物はどれも眩暈がするほどディテールが描きこまれていて、とんでもないもの作ったなあと圧倒される。■わたしの目当てはスチームの力に魅入られたエンジニア、エドワード役の津嘉山正種さんの声。津嘉山さんとは先日、CMのナレーションのお仕事ではじめてご一緒し、その人柄とプロ魂にすっかり魅了されてしまった。こちらがOKを出しても「本当に今のでいいでしょうか。こういうのはどうでしょう」と別な引き出しを開けては、違った表現を見せてくれる。「読むだけじゃなくて魂込めないと、役者に(ナレーションを)発注した意味がありませんから」などと渋い声で言いながら。収録中も右手にはタバコをはさんだまま。その姿がさまになる。すべてが渋い人だった。最近は会う人ごとに「津嘉山さんってすごい役者さんですよね」と話しているのだが、「20年前にあの人の舞台の劇場中継の仕事やって以来、注目しています」とか「ケビン・コスナーの吹き替えの人ですよね」とか、ファンが多いことに気づく。宮崎あおいちゃんのマネージャーの小山さんに「CMの現場でタレントはどこまで踏み込んで発言できるんでしょう?」と相談されたとき、「タレントのわがままじゃなくて、作品のための提案だったら歓迎されると思う」と津嘉山さんの例を話したら、「つーさん大好きです!」という反応。ドラマ『ちょっと待って神様』であおいちゃんと体が入れ替わった泉ピン子さんのダンナさん役だったそう。あちらこちらでいろんな人の心をつかんでいる津嘉山さん、エドワード役にも聞き惚れた。

2002年08月18日(日)  24時間テレビ


2004年08月17日(火)  サービスって?

アンダティバリゾート2日目。チェックアウトしてから、読みかけの本の続きを読むためにライブラリーへ。滞在中に長編小説2冊と絵本を一冊。6時間は藤椅子に座っていたと思う。普段は通勤の合間にちょこちょこ読むばかりで、じっくり腰を落ち着けて本を開く機会はなかなかないので、貴重な時間だった。期待が大きすぎると落胆が大きくなることもあるけれど、ここのホテルは期待に十分応えてくれた。一言で言うと、居心地がいい。バリのお香、さりげなく流れている音楽、目に優しい明かり、部屋着の作務衣、どれも心地よかった。とくに言葉を交わさなくても他のゲストの人たちの楽しんでいる空気も伝わってきて、ビリヤードの弾ける音や、オセロに興じるカップルの笑いも、幸せな空気を作っていた。スタッフの方の爽やかな受け答えも、リゾートらしくて好感。ゲストを楽しませることを楽しもうというエンターテイメント精神が伝わってきて、東京ディズニーリゾートのキャストのノリに近いものを感じた。■自分がこうされたらうれしい、という想像力と創造力を働かせてやってみる。サービスって、そうでなくちゃ。なんて思いながら岐路についた途中で対極のサービスに遭ってしまう。お昼を食べようとお店に入ると、「座敷に上げるしかないか」「仕方ないね」と、客に聞こえる声で相談する店員。普段使っていない座敷なのかと思ったら、すでに他の客は席についている。四人がけの卓を二人で使われるのが「しょうがない」のだろうか。隣の卓の家族連れが食事を終えて出て行くと、その卓の上で空いた食器を重ねはじめた。ザバザバーッと派手な音を立てて残り物の汁が空けられていくのを見ていると気分が悪くなり、運ばれた料理の味がよくわからなかった。一度限りの観光客だけ相手にしていればいいというスタンスだと、ああなるのだろうか。座席のことも後片付けのことも効率優先の表れだろうけれど、食事を出す店が、まずい気分を味わわせちゃいけないんじゃないの。せっかくの旅行の後味が悪くなってしまって残念。

2002年08月17日(土)  浴衣・花火・箏・まが玉


2004年08月16日(月)  伊豆高原のアンダティバリゾート

■13日から17日まで5連休取っていたので、後半は伊豆へ行くことに。こないだ美容院で読んだオズマガジンのリゾートホテル特集で目をつけたホテルのサイトを比べてみて、いちばんよさげだったアンダティバリゾートに14日夜電話すると、最後の1室。空いててよかった。ここが気に入った理由は、「宿泊料にフリードリンク、卓球、ビリヤード、カラオケ、貸し自転車などなどが含まれております」という料金システム。サイトのBBSを読むと、泊まった人の満足度も高そうなのが決め手になった。
■新幹線と踊り子を乗り継ぐと、東京駅から1時間40分で伊豆高原着。踊り子一本で行くよりずっと早い。荷物を預けて、かんかん照りの坂道を登り、グルメ厨房 生田で昼食。看板に「蕎麦とキャベツロール(ロールキャベツとは言わない)」とある。蕎麦が食べられないわたしは、野菜たっぷりのプロヴァンス風味キャベツロールを注文。これが期待以上においしく、驚く。豆腐半丁ぐらいの大きさのどっしりした塊にトマト味がしっかり染み込んで、至福。シェフの料理はフランス仕込みで、練馬でロールキャベツ専門店をやっていた時代もあるらしい。
■地図を見ると、さらに坂を上がったところにリフト乗り場がある。店のおかみさんに聞くと「車で10分ちょっとだから、歩くと40分はかかるかしら」。結局1時間以上かかって大室山登山リフトに到着。噴き出した汗に、売店のおばちゃんもびっくり。リフトで山頂に着いて、盆地のようになっているくぼみのまわりをぐるっと歩く。くぼみの底はアーチェリー場。帰りはタクシーでと思ったらそんなものはなくて、同じ距離をひた歩く。車道の脇で、景色はあんまり面白くない。約4時間歩いて、足はクタクタ。■ホテルに戻り、バリ風和室(なかなかいい感じ)の冷蔵庫を開けると、「この中のドリンクはフリーです」とビールとお茶とコーヒーとゼリーがお待ちかね。ひと風呂浴びて、さあ夕食。ダイニングバーとカラオケの会社がやっているホテルと聞いて、飲み放題コースの料理みたいなのが出てきちゃったら……という不安がよぎったけれど、焼きたてパンと一緒に出されるコース料理は、びっくりするメニューはないけれど、見た目にも楽しく満足。ディナーの飲み物はフリードリンク。さらに22時から1時間のバータイムはフリードリンクと夜食(今夜は冷麺)が出る。

■食事の後、もう一度お風呂に入り、ライブラリーに立ち寄ると、読みたかった本をいくつか発見。オレンジ色の光の下に高さを調節できるリクライニングの藤チェアと足を投げ出せる台が並び、さあ本を読みなさいという環境。結局、ビリヤードにも卓球にもカラオケにも目もくれず、ライブラリーに居座ることに。

2003年08月16日(土)  6人で400才
2002年08月16日(金)  持ち込み企画


2004年08月15日(日)  ハリケーン・チャーリーさん

■BSニュースを見ていたら、フロリダのハリケーン情報が流れていて、「ハリケーン・チャーリー」という名前が出てきた。「台風・雅子」みたいな感じで妙にフレンドリーだなと思っていたら、「ハリケーン・ダニエラ」「ハリケーン・アール」というのまで出てきた。これはどういうことかと探ってみれば、アメリカの太平洋の気候の研究機関のハリケーン研究部署に答えを発見。これによると、太平洋、メキシコ湾、カリブ海にやってくるハリケーンにはアルファベットのA,B,Cではじまる名前がつけられることになっていて、わたしがニュースで聞いたのは、Charlie、Daniella、Earlだったとわかる。名前は何年も先まであらかじめ決まっていて、男女平等の精神なのか男、女が交互になっている。ページをスクロールすると、他の地域のハリケーンにもそれぞれ名前がついている。日本で言う「台風1号2号3号……」が「ハリケーンA男、B子、C郎……」となっていたとは知らなかった。少なくとも1945年からは続いていて、78年までは女性の名前だけだったとのこと。へえー。

2002年08月15日(木)  川喜多記念映画文化財団


2004年08月14日(土)  シナリオ合宿は体育会ノリ

シナリオの仕事をはじめて5年経つけれど、まだやっていないことがあった。合宿である。映画やドラマはフリーの人間の集まりなので、全員の空いている時間を縫って打ち合わせを重ねていても、なかなか前に進まない。なので、いつもなら数時間しか集まれないところを、「合宿」と称して一晩(場合によっては数晩)缶詰になって、一気に煮詰めるのだ。これまでも「合宿しますか」の声はあったのだけど、わたしが会社勤めしていることもあって日程が合わず、実現しなかった。というわけで、昨日から今日にかけての初合宿は、はじめての遠足に心躍らせる小学生のような気分で出かけたのだった。

ホテルのロビーに3時集合。「和室スイート」という名の二間続きの和室が、監督、プロデューサー、脚本、制作、総勢8名のブレスト会場兼宿舎となる。窓を開ければ、そこはかつて日本庭園だったと思われる草むら。夜になるとライトアップされるのが痛々しい。草むらビューのお部屋で卓を囲み、ときどき脱線しながら、あーでもないこーでもない。紙にメモを取っていたわたしは途中からパソコンに切り替え、まとめながらアイデア出し。気がつくと8時を回り、「メシにしましょう」。酒も入って大宴会になるかと思いきや、レストランフロアをぞろぞろと連れ立ってひとめぐりした挙げ句、「外に出よう」とプロデューサー。予算オーバーということらしい。

地元の洋食屋さんという雰囲気の『ラクレット』というハンバーグが自慢の店に入ったら、これが大正解。野菜たっぷりのバターライスに感激する。栄養補給ができたら、ブレスト再開。世界観、キャラクター設定、出だし、出会いの場面……どうする、どうする、どうする? 話は進んでは戻るけど、タイムリミットがないのでとことん話して詰めていく。「そろそろアテネの開会式はじまりますよ」「じゃあ続きは明日の朝」で一日目は解散。大浴場でゆったりなんて余裕はなく、体育会の合宿さながらてきぱきと布団が敷かれ、寝る人、開会式を見る人に分かれる。

二日目は8時起床。コンビニで買い出しした朝ごはんを食べ、昨日のおさらい。チェックアウト時間を延長し、詰める詰める。「じゃあこんな感じで、脚本書いて」と宿題をもらって解散。広告の世界の得意先との合宿は懇親会がメインイベントだったりするけど、シナリオ合宿はひたすら勤勉でストイック。応援団の合宿に近かった。


2004年08月10日(火)  六本木ヒルズクラブでUFOディナー

幸運はどこに転がっているか、わからない。自分には縁がない場所だと思っていた六本木ヒルズクラブに足を踏み入れる機会を得たのは、友人ナカジ嬢の元上司の石井至氏と食事をすることになり、その石井氏が会員だったから。石井氏は釧路出身で、ナカジ嬢からわたしのことを聞いて、北海道関連の作品が多いことに興味を持ってくださったよう。エレベーター前でナカジと待ち合わせ、51階に上がるとカウンターがあり、「石井様のゲストの方ですね。ご案内します」とレストラン『アンダーカレント』に通される。大きな窓が広がる個室は、東京の夜景ひとり占め感覚。ミモザを飲んでいると、石井氏が到着し、はじめましてとなった。

金融コンサルティングと幼児教育という一見結びつかないものを手がける(会社名は石井兄弟社)石井氏は大学は医学部で罹患率や死亡率の計算をやっていたが、その計算能力を買われて金融の道に進んだ人。垣根を飛び越えるのは大の得意で、点字検定(今までなかったのが不思議)や美容師検定(これもなかったの!?)も立ち上げた。目をつけたものはとことん極めるそうで、点字の打ち方もヘアスタイルも頭に叩き込んだとか。並外れた集中力の持ち主のよう。持ち込まれた話についても、自分で徹底的に検証してから答えを出す。「SMの女王様の養成学校やりませんか」の依頼もかなり前向きに検討したそう。結局実現しなかったそうだが、「それ、映画の題材になりますよ」とわたし。

経営されている小学受験塾の話(今年二年目。一年目の去年、合格率90%を出して生徒が急増)、アキノ大統領が撃たれたときにすぐ後ろにいたという若宮さんの話(最近若宮さんが出した本をプロデュースしたのが石井さん)、UFOの話(三人とも「見たことある!」)、アイドルの話(かなり詳しい。しかもローカルからグローバルまで)、政治の話、ダイエットの話……石井氏の頭の回転に合わせ、話題も高速回転。「UFOに遭遇したとき、頭の中にチップを埋め込まれた」と半分本気で言うのも信じてしまいそう。アンテナを張っている人はたくさん会ってきたけれど、それをビジネスに結びつける力に圧倒される。最初から現在の成功があったわけでなく、ここに至るまでには苦労も失敗もあっただろうけど、自分を信じ抜く強さと何でも面白がる精神がリスクをチャンスを変えてこられたのではと勝手に想像。

手首に赤い毛糸を巻いていた石井氏。ただの糸ではなく、アメリカのセレブで流行っているそうで、日本で売っていない雑誌でいち早く知り、早速取り寄せたとのこと。秋か冬頃には、赤い毛糸を手首に巻いた人が日本で激増するかも。食事もおいしく(左は前菜のクラブケーキ、右はデザートのベリーいっぱいプリン)、感動しっぱなしの夜になった。

2003年08月10日(日)  伊豆 is nice!
2002年08月10日(土)  こどもが選んだNO.1


2004年08月09日(月)  巨星 小林正樹の世界『怪談』

三百人劇場にて、1965年のカンヌ審査員特別賞受賞作品『怪談』を観る。15日まで開催中の『巨星 小林正樹の世界』の上映作品。昨日飲んだCMプロデューサー・山下治城さんのほめっぷりがすごくて、その勢いに「観ねば!」となった。「読むステージパフォーマンス」プチクリ発行人の山下さん、舞台はもちろん映画にかける情熱も並々ならぬものがある。そんな山下さんが企画上映のたびに通う三百人劇場は、うちから歩いて10分の距離にある。

「とにかく映像がすごいんです」と山下さんが連呼してしまうのも納得。オープニングの「水に墨汁を垂らすハイスピード映像」からド肝を抜かれる。なんて美しい色。なんて怪しい雰囲気。クレジットの入れ方も洒落ていて、物語が始まる前に「この絵はただものではない!」と興奮する。小泉八雲の原作を水木洋子さん(去年亡くなられた美しい方)が脚色した『黒髪』『雪女』『耳無し芳一』『茶碗の中』のオムニバス。四十年も前の作品だというのに、古さどころか新しさを感じさせ、斬新だと感じる。大きな目を見開いた『雪女』の空。平家の霊たちがうごめく『耳無し芳一』の世界。見事に怪しい舞台を作り上げている美術セットのディテールとスケールは半端じゃない。三國連太郎、仲代達矢、岸恵子をはじめとする豪華キャストの強烈な存在感、心の透き間につけ込むような音の巧みな使い方、それらすべてをまとめ、総合芸術に仕上げた監督の設計力に舌を巻く。DVDの特典映像に入っている色彩設計図を見てみたい。

「小林正樹ってすごい監督がいる!」といろんな人に興奮を伝えると、「知らなかったの!」と逆に驚かれた。映画関係者にとっても映画ファンにとっても常識の人であり、日本映画が誇る才能なのだった。『風の絨毯』以来、映画の世界に首と足を突っ込んでいる益田祐美子さんによると、「イランでは黒澤明の次に人気がある日本人監督」とのこと。

2002年08月09日(金)  二代目デジカメ
1999年08月09日(月)  カンヌレポート最終ページ


2004年08月08日(日)  ミヤケマイ展『お茶の時間』

個展のたびにファンと発注が増えている友人ミヤケマイ、ついに渋谷bunkamuraギャラリーから声がかかった。今回のテーマは『お茶の時間』(7〜18日 10:00〜19:30)。帰国子女なのに、いや帰国子女だからこそ、着物にも茶道にも日本の古典にも明るい彼女は、和のテイストをモダンに表現する天才。前回に引き続き、浴衣の新作を披露するとともに、器にも挑戦。砂を吹き付けて彫るサンドブラスト(だっけ)という方法でガラスに模様を刻んでいる。絵も茶室に合いそうなモチーフが中心。和菓子で四季を綴った作品は、月ごとに吟味されたお菓子にまじって蟻がちゃっかりいる茶目っけが彼女らしい。早速買い手がついていた。「絵を飾れる壁ができたら買う」と言っているわたしは、今回も絵葉書と便箋で我慢。ファッションにも続々進出中で、ユナイテッド・アローズのグリーンレーベル(子供服)とのコラボTシャツは150cmサイズまであるそう。来夏用のティンカーベルとのコラボ水着は「今井が着るとやばいと思う」(ミヤケ談)。

いつもは会場であわただしく言葉を交わすだけなのだけど、今日は個展のあと、友人知人たちでミヤケマイと飲むことに。「ずっと家でこもってるから、人と飲むのひさしぶりやわー」と関西弁(関西人ではないけど好きらしい)モードの彼女は「ピカソはマティスに負けたくなくて、マティスに先回りしようしようと思ってどんどん作風変えてん。だからピカソを作ったのはマティスやと思う」といった美術談義をたっぷり聞かせてくれ、話は少女漫画論(くらもちふさこを絶賛)やコミケや画廊に及び、「魂を売らんと絵を売っていかんとあかん」と熱弁をふるう。

今井雅子作品の案内メールを流すと、いつもいちばん熱い激励の返事をくれるミヤケマイは、大胆なようで繊細で、器用なようで努力家で、五感も知識も記憶も手足もフル稼働させて作品を面白くするために心血を注ぐ職人。近いうちに日本を代表するイラストレーターになるはず、いや、もうなりつつあるので、要注目。

2002年08月08日(木)  War Game(ウォー・ゲーム)

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