三楽の仕事日記
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2010年09月04日(土) 「やればできるんよ」読了

 土曜日。今日も暑さは続く。今年から「義務教育友の会」の会員になり、懇親会に出席のため刈谷市へ。初めて名鉄刈谷駅で降りる。

 この会は県教育委員会義務教育課に勤務した者による懇親会で、3年間一緒に頑張った仲間や、大先輩方が60余名参加。お世話になった皆さんに久しぶりにお会いでき、あの苦しかった日々を今となっては楽しく思い出す。

 会場への往復時間で「やればできるんよ 女性校長●学校改革1000日」(山廣康子著、ダイヤモンド社)を読了。

 「このような高校が立ち直るわけがない」と思えるほど、厳しい状況の学校に赴任した女性校長の改革記録。目次を眺めるだけでその学校の様子が想像できる。

 同時多発テロ/荒れ狂う暴徒たち/加害者の女子生徒グループ/やむなく警察に通報/呆れた教師の言動/孤独な校内美化活動/反対ばかりする教師たち

 次のような教室の状況だという。「まず、机がきちんと教壇に向かって並んでいない。あちこちに向いていて、教室のそこここに、プリントやら、靴やら、ジャージやら、カバンやらが散乱して悲惨な状況。持って帰らない教科書が、机の上に積んであり、ある女子生徒は、その教科書の上に大きな鏡を置いて平然と化粧をしていた。授業中でも、教室内を自由に歩き回っているし、机の上に足を上げてウォークマンを聴き、柱にもたれかかって携帯電話でだれかと話をしている生徒もいる。その間、教師は何をしているのかというと、教壇で一人、黙々と授業をしているのである。」このように考えられない状況なのだ。

 それが赴任後4年目(教頭2年、校長へ昇格2年経過)あたりで、学校改革が花開いてくると、目次が次のように、

 「掃除に学ぶ会」との出会い/大成功だったトイレ掃除/リーダーシップの復権/意味のない「家庭反省」を止める/早退やアルバイトを安易に許さない/7年ぶりの体育祭/朝の読書のスタート/感動的な卒業式/当たり前のことを当たり前に

と大変化している。「掃除に学ぶ会」でかかわったイエローハット相談役の鍵山秀三郎氏は、「解説に代えて」の章で、次のように書いている。長い引用だが、山廣校長の真の取組がよく表現されているので紹介しておきたい。

 機器のように、形状がはっきり目に見えて、手で触ることができるものでさえ大変なことです。ましてや、人の心のように目でみることができず、手で触れることができないものがバラバラに崩壊した時に、正常な形に戻ることは不可能に近い至難なことであります。この難しい課題に正面から取り組み、見事な解決をされたのが、本書の著者、山廣康子先生でした。人の心の荒廃をただすことは、たとえそれが、ただ一人であっても難しいことは周知のことであります。それが、500人にわたる生徒の荒廃と、それを煽る外部の助長勢力に立ち向かうには、高い志と毅然たる取り組み姿勢をもって臨まなければなりません。
 著者、山廣康子先生が揺るがない信念、後には引かないという決意をもって取り組まれた安西高校の正常化は、この学校を知る人の前に「奇跡の事象」と受け止められました。奇跡でも偶然でもなく、全ては山廣先生の信念と至誠の努力によるものであることを証言いたします。(平成17年立春)


 広島県立安西高等学校は「当たり前のことができていなかった学校が、当たり前にできるようになった」ということにつきる。山廣校長の改革は教員の意識改革だったと僕は思う。教師が生徒たちのことを決めつけない、諦めない、関わり続ける姿勢を持ち始めて、教師と生徒の間に信頼関係が生まれ、改革が加速していったように読み取れた。

 ここまで書いて学校ホームページを見る。
 今年度はコの字型の机の配置とグループ学習による協同的な学びを全学年で実施して2年目となります。協同的な学び,行事の充実,部活動の活性化,生徒会活動の充実と,生徒が学ぶ場を充実させる取り組みを今年度も進めます。
 「学びの共同体」をめざしておられることや、HPタイトルどおり「深化する安西高校」像を思い描くことができて、ほっとした。


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