三楽の仕事日記
DiaryINDEXpastwill


2010年07月15日(木) キャリア教育と問題解決学習

 以前に名古屋大学の柴田好章先生からこれからのキャリア教育について学んできたことを書いた。柴田先生が書かれた論文もいただいた。以下はその中からのメモ。

 「学校教育は格差社会を変える力になるか キャリア教育としての問題解決学習の可能性を展望して」
  考える子ども社会科の初志をつらぬく会NO.328


 今回の学習指導要領の改訂では、キャリア教育推進の方向性が明確に打ち出されている。筆者も学校で学ぶことを生きることや働くことにつなげていくことが不可欠であり、そのためにキャリア教育の推進は重要であると考えている。

 ただし現在推進されているキャリア教育は大きな問題をかかえており、すでに様々な批判も展開されている。批判の主な向かい先は、キャリア教育の心理主義的、適応主義的な傾向性である。児童・生徒の勤労観、職業観を重視するあまりに、今日の職業生活への移行を難しくしている諸問題を個人の内面的な意欲や責任感の問題に矮小化してしまってはいないか、あるいは「あてのない自分探し」をさせてしまっていないかという批判がなされている。また雇用される者として必要とされる能力を高めることばかりに力点をおき、当然ながらにもっている権利への自覚や、社会を変えていこうとする力(すなわち抵抗力)を育てていないという批判がなされている。


 柴田先生はこれらのキャリア教育の問題を解決するには、問題解決学習が有効であると述べられている。

 自分たちの将来の暮らしは立ちゆくのかどうかという問題を見据えながら、子どもにとって具体的に活動しながら考えることができる手応えのある学習を展開していく必要がある。それが、個を強くすることであり、教育が個の変容を媒介として社会を変革していくことになる。

 労働の尊厳を守る上での企業の社会的責任のみならず、消費者の社会的責任をも視野に入れたキャリア教育として問題解決学習を展開していくことが、今後必要になってくるだろう。


 いただいたプレゼン画面資料「なぜ、学び合いか?学校教育は格差社会にどうたちむかっていくべきか?」では、学校から社会というタイトルシートで、次のように表記されている。

 社会の中で、
 学ぶこと、働くことの価値を大切にする社会へ
 学校が学びのコミュニティとなり、
 それが、学ぶこと、働くことの価値を大切にする社会の原型となる。
 学校内のコミュニティから実社会のコミュニティ

 学び合いの可能性
 役割を分担しつつも、他人にすべて委ねるのではなく、共感しながら互いの様子を見守る姿


 特にこのメモの後半が重要なのだけど、書き始めてみると、まだまだ自分は理解が浅いと思った。今度お会いする時にさらに学ばせていただこうと思う。

 教員研修センターから出されたキャリア教育DVDを見る。以下は「キャリア教育の誤解」の章からのメモ。

 中学生がもっと指導してほしかったと答えた項目は「自分の個性や適正を考える学習」
 中学校進路指導に対しての保護者の期待「学ぶことや働くことの意義を考えさせる学習」
 小学校ではキャリア教育は早すぎないかという問いに対して、夢を持つこと自体は極めて重要。夢を大切にしながら、現実吟味の視点を持たせることが課題。
 「なりたい」と「なれるわけではない」の間にあるものが見えない子ども。
 仕事のネットワーク、仕事の相互関連性を子どもに伝える。
 あこがれの多角化が大切。


 あこがれをなかなか持てない子どもたちに「あこがれの多角化」提案・・・。う〜む。


2009年07月15日(水) 堺市中学校教頭研修会にて
2008年07月15日(火) やる気は脳ではなく
2007年07月15日(日) 秋田講演の骨子を考える
2006年07月15日(土) 読売教師力セミナーで大きな特集記事
2005年07月15日(金) 研修5日目
2004年07月15日(木) 選手激励会
2003年07月15日(火) 市P連母親研修会