三楽の仕事日記
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2010年01月31日(日) 世間様が許さない!

 2月2日に高松市教育委員会から依頼を受け、講演に出かける。今日はそのプレゼンづくり。授業改善のための手法紹介、実技、模擬授業に関するプレゼンシートを作成。

 「世間様が許さない!(日本的モラリズム)対(自由と民主主義)」(岡本薫著、ちくま新書)を読了。頭脳明晰、けっして揺るぐことがない強固な論理、速射砲ごとく放たれる岡本節、この本でもこれらが遺憾なく発揮されていた。気にとめておきたい箇所があったページ端は折るようにしているが、その数はかなりになった。

 ちなみに「日本的モラリズム」は岡本氏の造語。その特徴を4つ挙げている。
1 日本人は何でも「モラルの問題」として考える傾向がある。
2 日本人はみんなが同じ心を持てるはずだと思い込む発想があり、共通モラルの基準は「世間様」に置く傾向がある。
3 日本人は憲法で保障された自由を認めずモラルを優先する傾向がある。
4 日本人は民主主義のシステムで作られたツールを無視してモラルを優先する傾向がある。

 教育界はもっとも色濃く日本的モラリズムの影響を受けていると言い、岡本氏から見た教育界の愚かな判断例が随所に出てきている。例えば、いじめ問題である。子どもたちに「いじめたいと思うな」と強制しても無理である。「内心を無理に変える」などという不可能なことを求めず、「心の中(内心)は自由だが、行動についてはルールを守れという教育を徹底すればよい」と言っている。また個人情報保護法ができたことから緊急連絡網を廃止した学校の愚かな判断例などもある。岡本氏のベースになっている考えは以下の通り。

 内心(モラル感覚を含む)・・・・・・・・・・・・・・・自由(憲法第19条)
 ルール違反でない行動・・・・・・・・・・・・・・・・・自由(憲法第13条)
 ルール違反である行動・・・・・・・・・・・・・・・・・自由でない(作為義務・不作為義務がある)


 ○○電話を受けて「そういう感覚では・・・」とこちらが思うことは自由。
 ○○電話をすることは自由。電話を切ることも自由(あれっ、ルール違反?)。仮に切ってしまうと「世間様は許さない」わけだ。


2009年01月31日(土) 群馬県での講演資料づくり
2008年01月31日(木) 「幸福への原点回帰」を読む
2007年01月31日(水) 「奇跡と呼ばれた学校」を読む
2006年01月31日(火) 新システム構想
2005年01月31日(月) スキー実習1日目
2004年01月31日(土) こまきみらい塾2回目
2003年01月31日(金) 穏やかな1日に