三楽の仕事日記
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2008年02月10日(日) 滝山コミューン一九七四

 新年になって、ふと浮かんだコラムが「学校リーダーのためのちょっとした知恵袋」。まず自分で原稿を書いてみた。「若い教師が元気になる先輩の失敗談」のように、シリーズ化できる手応えを感じた。さっそく何人かの方に執筆依頼。1ヶ月で10人から原稿が届いた。今日は、タイトル一覧表を作ってみた。さらに手応えを感じた。今日からここで発信開始。これからは「先輩の失敗談」と「学校リーダー知恵袋」が、1週間ごとに交互更新。ぜひお楽しみに。

 1月22日の「教育委員だより ーずっと心に残っている本ー」で紹介された「滝山コミューン一九七四」(原武史著、講談社)を読む。

 筆者が拒否をしていた「班競争を核とした学級経営」については、一時期、自分も目指そうとしたことがあった。新任から3年間いた小学校から、荒れた中学校に異動し、学級経営に悩んでいたころだ。そのころ出会ったのが、全生研系の本だった。家本芳郎著の「行事の創造 入学式から卒業式まで」などの学級集団作りの本を読み、班競争を取り入れた学級経営こそ、悩みを打開するものだと思った。

 これは、自分が中学生のときの体験が影響している。もちろん、班競争をしていたわけではない。母校は、そのころ文部科学省による「特別活動」の指定校だった。そのため、生徒会、学級会、委員会、部活動など、さまざまな企画運営をやらせてもらえたというイメージを持っている。中学校では「自主自立」という精神を大切にしてもらえたという思いがあるのだ。だから「行事の創造」といったタイトルから、さらにその上をいくものが、全生研による「集団作り」なのだと、勝手に解釈していたように思う。

 班は導入したが、とても本のようには事が運ばなかった。班による相互評価以前に、班作りさえ、うまくいかなかった。学級委員から、反発を受けたことを思い出した。先輩に全生研のことを聞いたら、「まったく知らない」と言うので、本でかじったことを偉そうに話したら、「それはおかしい!」と否定され、急激に熱が冷めたことも思い出した。

 原さんは、あのときの苦悩の正体を、資料や関係者からの証言をもとに、冷静に分析している。この本を読みながら、僕は一人の子どもの顔が浮かんだ。学級を持っていた頃の学級委員である。彼の困った顔を思い出した。原さんのような気持ちにさせていたのかもしれない。そのころ子どもたちが作った(作らせた)学級文集のタイトルは、「一人の王様と・・・」。とても書けない。超冷や汗ものだ。こちらが良いと思っていても、ということだ。

 


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