三楽の仕事日記
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2006年11月13日(月) 明日から使えるGC活用研究会

 今日は「明日から使えるGC活用研究会」第1弾!4年前から小牧を会場にして始めた研究会だが、今年は愛知教育大学附属名古屋中学校が会場。

 この研究会が生まれたきっかけは、数年前の日本算数数学教育学会の分科会の場。愛知教育大学の飯島さんが作られたGC(作図ツール)が話題になったときだ。他県の人からの「愛知では飯島先生のお膝元だということもあって、さぞかしGC活用は進んでいるでしょうね」という発言に、異常に反応してしまった自分。「そんなことはない!附属中では、確かにGCは図形の授業を充実発展させる有用なツールという認識を持って授業実践を重ねてきた。GCのよさは誰もが認めているけど、地元愛知でもこれを知っている人はそれほど多くはない。これが実態だ」と助言の席にみえる飯島さんを前にして、随分と失礼なことを言ってしまった。同時に、そのよさを知っている人間が仕掛けなくては、このままこのツールのよさは伝わらないまま。それならばまず自分が動こうと思い、「第1回明日から使えるGC活用研究会」を小牧中学校で開催する段取りをした。そして全国各地で積極的にGCを使っている仲間に実践を発表してもらった。かつてない大雪に見舞われ、散々な日となったけど、100名を超える参加者もあって、会そのものは大盛り上がりをした。そして今後、この研究会を全国各地で開いていこうという夢も語り合った。
 
 2年目も小牧中学校で。このときは岡山の川上さんとの模擬授業で、僕は楽しませてもらった。「数学教育の神様」といってもいい杉山吉茂先生を招いて、実践に点数をつけてもらうという企画も、ここならではのものだった。

 そして3年目は飯島さんからさらに過激な提案があり、よりエキサイティングな会となった。GCを使った授業と使わない授業をやってみて、それをもとにディスカッションをしてみたのだ。「比較」をキーワードにしたこともあって、北海道教育大学から相馬先生も招いた。光ヶ丘中数学科全員の授業公開、そしてGCを使わない立場の小牧中の石川さん、使う立場の僕とで授業提案。辛辣な言葉が飛び交った協議会。そして間を開けて12月には小牧中でパネルディスカッション。数学教育にも記録が載っているが、あれほどエキサイティングなディスカッションはこれまでなかった。歴史に残る会だったと言っても過言ではない。

 そして4年目は、各地でのGCの普及も願って、若手とベテランがタッグを組んで授業をやることになった。そのための提案授業が、この日、附属中を舞台にして行われたのだ。

 ニンテンドーDSを使った授業を見たあと、いよいよGC提案授業。飯島さんとタッグを組んだ北原さん。一癖も二癖もある附中生を相手に、提案授業らしく、参観者に様々な点から考えることができる授業を見せてくれた。

 コーディネータの大西さんの名采配で2時間余の協議会。僕はここでもかつての日数教大会で暴言を吐いたように、とんでもないことを言ってしまった。「いつまで同じ論議をしているのか。GCのよさについては川崎からすでに本が出されているようにみなさん周知のこと。毎年同じ論議をしているのに、いっこうに広がらないのはなぜか。このまま何年も同じ事を繰り返していくのか」という、まったく会の流れには関係のない発言。大西さんには迷惑をかけた。「発問がどうだ、使い方はこうだ」という話し合いに入りきれず、「僕に出来ることは何だろうか」と一人、宙を飛んでいる状態だった。

 夜は相馬先生を囲む会。附属中時代に相馬論文を必死に集め、何度も読んで模倣をした人が、僕のすぐ横にいる。その喜びを感じながら、若い教師は僕のようにあこがれ、目標としている授業者があるのだろうかと心配にもなる。若い教師があこがれる一流の中学校の実践者をクローズアップすることが、僕の今後の仕事かなと思ったりしながら。また相馬先生が言われた「比較研究授業を愛知から」という言葉を具現化することかなと思ったり。


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