2013年07月25日(木)  物語が生まれる胎動@絵本ワークショップ

ひさしぶりに、「今日という日を漢字一文字で表すと?」をやってみたくなった。

「縁あって集まった人たちと、2時間で絵本のストーリーを作る!」に挑戦した、神保町EDITORY×ツブヤ大学×エンブックス「わにのだんす」チームの絵本づくりイベント。
今日を漢字一文字で表すなら、「生」。

ライブの「生」!

「生」き生きしたアイデアと意見が飛び交い、世界に一つだけの物語が「生」まれた。
奇蹟と言ったら大げさだけれど、今宵、神保町EDITORYでは、集まった人たちの化学変化とさまざまな偶然がとてもうまい具合に作用しあっていたと思う。

蓋を開けてみなくちゃわからない、ぶっつけ本番の実験的な試み。果たして時間内に物語がまとまるんだろうかという不安を経て、とにかく楽しんでやるっきゃない開き直り、当日を迎えた。

いざ蓋を開けてみると、これ以上はないというほどの強力で個性的な参加者が集まり、とても刺激的で白熱したアイデア出しが始まった。

お題は、こちら。



「スプーンとフォークが○○するお話」。
どんなスプーンとフォークが何をしたら面白いか、キャラクターとあらすじを同時に考えていく。

首が曲がったままのスプーンとフォークが出会う話。
捨てられたスプーンとフォークが出会い、他の使い捨て食器とも出会って、最後に大きな木を形作る話。
いつもは人に食べさせるスプーンとフォークが「自分たちだって食事したい」と言い出す話。

誰かが何か言うと、すかさず他の誰かが「こうしたら?」とアイデアを転がす。一人では思いつかないような物語が、思いつきのかけあわせで生まれていく。本当に「物語を作りたい」人たちが集まっていたのだ。

司会をしながら、わたしがずっと感じていたのは、「胎動」。

物語が生まれようとする勢いは、迷いを吹き飛ばし、目移りするヒマもなく、ひたすら前へ前へと突き進む。後戻りすることもなく、まわり道することもなく。その胎動の力強さが、いい結果を招いてくれた。足踏みしたり寄り道したりは物語を膨らませるのに必要な時間ではあるけれど、それをじっくりやっていたら、物語はおしまいまでたどり着けなかった。生まれいづる勢いにまかせたことが幸いした。

無数の選択肢の中から直感で選びとった答えを重ねて、物語はラストシーンまで運ばれた。

《仲間とはぐれ、自分が何者であるかもわからなくなったスプーンとフォークが出会い、仲間探しの旅に出かけ、自分たちのアイデンティティである「すくう」と「さす」を見出す冒険物語》。

これにつけるタイトルはどうしよう?
「なんのかたち?」
「ぎざぎざとつるつる」
「スクーとサスー」
「ちいさなだいぼうけん」
どれにするかは、絵をつけてみてから決めさせてもらうことに。

結果的には、2時間という制限時間も、いい刺激になってくれた。
切り捨ててしまったアイデアの中にも光るものがたくさん。あっちの方向に行ってたらどうなってたかな……と妄想するのもまた楽しい。

ワークショップ後も興奮冷めやらぬ人たちから感想をうかがったり、絵本「わにのだんす」を手に取っていただいたりで、会場のEDITORYを出たのは11時過ぎ。

完成した物語にこれから絵をつける島袋千栄さんは先に帰り、わたしとエンブックスの社長で編集長の西川季岐さんと、イベントの企画運営のツブヤ大学の望月大作さんで記念撮影。おでこのてかりが、会場の熱気と手応えを物語っている。


この心のほてりは、ライブならでは。講義も脚本教室も、いつも始まるまではハラハラ。今日は初めての絵本づくりイベントということで、なおさらだったのだけど、終わってみると、は〜やっぱり生はよいわーおもろいわーやめられんわーとなるのだった。

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