2013年02月19日(火)  「勝手にキャッチコピー委員会」ロケ

縁あって「勝手にキャッチコピー委員会」というテレビ東京の番組に出ることになった。

「お笑い芸人と『言葉の匠』が企業に出かけて、勝手にコピーをつける」と聞いて「面白そう」と引き受けると、翌日には制作会社のやんかわ商店さんが説明に飛んで来てくれた。

これまでは主にコピーライターの方が言葉の匠として出演されていたのだけど、脚本家もありではということになり、友人の脚本家を介して、コピーライター出身脚本家の今井雅子に話が舞い込んだのだった。

収録DVDや放送を観てみると、深夜のバラエティ番組なのに、かなり真面目に作られていて、コピー対決も真剣勝負。とくに昨夜放送された林裕さんのコピーはさすが第一線!のレベル。軽く引き受けたものの、コピーは長いこと書いてないし、すっかり鈍っているけど大丈夫か……とドキドキしつつ、いざロケ本番。

コピー3本勝負のお相手は、インパルスの板倉俊之さん。小説を2冊出されていて、お笑い芸人の中でもとくに言葉の感度は研ぎ澄まされているとの前評判。



テレビ東京の控え室で、まずはメイク。

事前の打ち合わせで「当日はメイクが入りますので、そこの心配はいりません」とやんかわ商店さんに言われ、「メイクがないと心配な顔ってことですか?」と冗談半分で突っ込むと、「いえ、皆さん、メイクをしてきたほうがいいか心配されるので……」と真顔で答えられた。

メイクさんはサバサバしたお姉様で、「どんな感じにしますか?」「ナチュラルに」と答えると、ささっとナチュラルに仕上げてくださった。ついでに眉も整えてもらう。「白髪どうしましょう」と相談すると、「目立ってるのはこの一本なんで、抜いちゃいますか?」。初対面の方に、会って十分そこそこで白髪を抜いていただいた。

そんな感じで、今回は、「週刊ブックレビュー」出演のときほどは、化けていないと思われ。

ロケバスに乗り込み、一日かけてコピー対決の3か所とオープニングをロケ。移動中も和気あいあいと。窓の外見て「雪すごいね」なんて言いながら。ロケバスも久しぶりで、新鮮。

カメラはロケバスの中に置きっぱなしで写真を撮れなかったので、3か所でいただいたお土産の写真を。「無添くら寿司」の寿司ストラップ、「デアゴスティーニ週刊ロビ」のロビ君ストラップ。「ガンダムフロント東京」の記念写真。


くら寿司のストラップは、あるゲームで「当たり」が出たらもらえるのだけど、そのゲームはお客さんがテーブルから参加できる。「遊べてお手伝い」なトムソーヤ的発想のこの仕組みを始め、工夫や発明の宝庫で「へえ〜」の連続。

めったに見られない舞台裏にもお邪魔。回転寿司はここまで進化している!の最先端事情とともに、ネットをかぶったMC新井恵理那嬢の額の美しさと理想的なたまご型フェイスにもご注目。新井さんは放送で見る以上にいろんな意味でかわいい女の子で、愛されオーラがぽわわん。

司会のビビる大木さんは、目配り気配りのきいた人。好きにしゃべっているようでうまく流れを作っていて、相手に緊張させずに締めるところはきっちり締める。絶妙なバランス感覚が引っ張りだこの理由かもしれないと思った。

板倉さんは、食べているときも、機械の説明を聞いているときも、小声でぼそぼそ。トゲや毒がわさびのようにきいていて、ボディブローのようにじわじわおかしみが。いつでもなんかおもろいことを言ってやろうと虎視眈々。待ち時間に話をうかがうと、小説も二足の草鞋をひっかける感じじゃなくて、本腰入っていて、脚本の話も興味を持って聞いてくださった。妥協したくない、もっと深めたいという想いが伝わってくる。何事もとことん突き詰め、掘り下げる人のよう。

ところで、くら寿司は「堺が発祥」だそうで、堺親善大使のわたし、そこにすかさず食いついた。「一号店が中百舌鳥」と説明されて「二駅隣の泉ヶ丘です」と声を弾ませ、ビビる大木さんにローカルネタを突っ込まれてたのがカットされてなければ、聞いていただけるかと。

堺のご縁といえば、番組のディレクターが「僕、高校の後輩です」。こんなところにも堺人。堺関係者にはぜひ見ていただきたいけれど、関西での放送はないようで残念。

デアゴスティーニ「週刊ロビ」のロビ君は、ドライバー一本で完成できるロボット。声に反応してなめらかな動きを披露するロビ君に、「こんなことができるの!!」と目が点に。仕草があまりにチャーミングで、家に連れて帰りたくなった。

こんなロボットを自分で組み立てて、家で暮らせる時代に、いつの間にかなっていたとは。すごいすごい。世の中進んでいる。いや、わたしが遅れていただけなのか。

ぜひ番組で見て、ロビ君に驚いてくださいませ。

ロビ君を紹介してくださったのは、開発者であるロボットクリエイターの高橋智隆さん。ずいぶん前に新聞記事で読んで興味を持っていた方。穏やかな語り口にロボットへの愛がにじんでいた。

デアゴスティーニでは、歴代バックナンバーがショーケースにずらり、の部屋や、歴代組み立て付録がずらり、の部屋も見せてもらえた。企画を通すのにいちばん求められるのはプレゼンする人の「熱意」で、「どれだけ本気でやりたいか」が伝わらないと突破できない、というところは、映画やドラマにも通じる。

「ガンダムフロント東京」では、板倉さんのあふれるガンダム愛にご注目。ガンダム解説で番組を持てるのではというほどの博識ぶりと白熱ぶり。「ガンダムの匠」を前に、「言葉の匠」であるはずのわたしは異種格闘技にタジタジ圧倒されっぱなし。寒がりな板倉さんが寒さを忘れて生き生きとガンダムを語る姿に、心地よいカルチャーショックを覚えつつ、時を超えるガンダムの引力を見た。

ガンダム焼き(だっけ)が意外においしかったり、グッズが充実していたり、ガンダム世代に乗り遅れたわたしでも、行ってみれば、なかなか楽しめる場所。ガンダムに詳しい人の生解説があれば、なおよし。

以上3か所でのコピー3本勝負を2/25(月)25時と3/6(水)25:55(放送曜日と時間が変更します)に分けて放送(>>>番組ページ)。脚本を書くのとは違う筋肉を使い、熱い汗やら冷たい汗やらかいての悪戦苦闘を見てやってくださいませ。「大人の社会見学」のワクワク感を一緒に味わい、自分ならどんなキャッチコピーをつけるか考えながら観ていただけると、より番組を楽しめるかと。みなさまのあたたかいツッコミをお待ちしています。

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