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JIROの独断的日記
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2014年04月21日(月) 韓国旅客船事故に限りませんが、「大勢が一度に亡くなる」と、死の悲劇性は増大するのでしょうか。

◆大惨事の度に思います。

ちょうど4日後4月25日は、9年前、2005年にJR西日本福知山線の脱線事故で、100人以上が犠牲となった日です。

あのときも、そうですし、日航123便は、1985年8月12日で、御巣鷹山最寄りの上野村の遺体安置所の様子など

はっきりとはわからないので何ともいえませんが、少なくとも福知山線事故の日本人遺族と今回の韓国旅客船事故の遺族の

態度に、私は、共通する疑問を抱きます。それは、

自分の肉親以外にも大勢の人間が亡くなると、1人1人の死の悲劇性、ひいては、遺族の世間の対する「同情請求権」が増大するのか?

ということです。


◆自分の肉親だけ、交通事故で亡くなっても大惨事でなくなってもその悲劇性は同一です。

123便や、福知山線や、韓国旅客船事故のように大勢が一度に亡くなることは確かに稀です。

しかし、犠牲者ひとりひとりの死の意味は、例えば、朝元気に家を出た、一家の大黒柱や、かけがえのない子供が、

暴走してきた車に轢かれて突然の悲報が、遺族を襲う、その状況と同じことのはずです。

お分かりいただけるでしょうか?

「大惨事の被害者の遺族の嘆き」をみていると、自分の肉親以外にも「多くの他人が同時に死んだこと」が、

ひとりひとりの死者の死の悲劇性を増し、ひいては、残された遺族は、たった一人でありふれた交通事故で家族をなくした遺族よりも、

世間の前でテレビカメラを前に大声でなげき、世間や、交通機関の運営会社(責任の所在は事故原因が判明するまで分からないのですが)に

賠償を要求する謂わば「同情請求権」を得た、と勘違いしています。

他の人が大勢なくなったからといって、自分の肉親の死の「ランク」が上がるというのは、

一人で亡くなった方や、その遺族から見れば不公平だと思います。

また、世間も勘違いが甚だしい。特に福知山線脱線事故のときは、

自分は被害者の知り合いだ、という男が、JR西日本の職員をこづいたり、

事故被害者遺族が、事故直後でまだ、脱線の原因は特定されていなかった、つまり「誰の責任か?」は

何とも言えないのに、「息子を返せ−」などといって、やはりJR西日本職員に殴りかかりました。

もっとひどいのは、事故の被害者とはまったく関係のない一般人がJR西日本はけしからんと決めつけて、

まったく関係の無い路線の女性運転士に、何処かの駅のプラットフォームで足蹴りを食らわせ、

女性運転士は、線路に転落。幸い、電車は通らなかったので大事には至りませんでしたが、

全然、福知山線脱線事故とは関係がないのに暴力をふるわれたことと、また、いつ、同じようなことがあるか分からない、

という、トラウマと恐怖心から、しばらく運転士として乗務出来なくなったというエピソードがありました。

私は、時事問題日記を書いていますから、そういうことは覚えているし、記録もしているのです。


これら、全てのことは、理不尽です。

人は一人で死のうが、他に何人一緒に死のうが、一人の死の悲劇性は同一です。

また、事故の責任は事故原因が究明されない限り分からない。誰の責任でもない場合すら、あります。

1978年、今でいう、東京メトロ東西線。当時の営団地下鉄東西線が、荒川鉄橋で突然のつむじ風のような強風に煽られ

後部3両が脱線し、そのうち2両は真横に横転し、上り線まで塞いでしまい、23人が負傷するという事故がありましたが、

当時は強風だったので、通常よりも低速で運転していたのですが、事故の直前は強風が収まっていたので通常運転でした。

ところがそこに、突風が真横から、なんどか、電車の車両の横揺れの固有振動数と同じタイミングで吹き付けたので

アッというまに倒れたという説明でした。

固有振動数云々は、とんち一休さんが、釣り鐘を指一本で動かすと言う話と同じです。

これは極めて例外的ですが、このように誰も悪くない。運が悪かったとしか表現のしようがない事故も有る。


事故原因の特定には長い時間がかかる。それまで、誰も悪いとは決められません。その意味で、韓国大統領の

事故の責任が船舶運行者(船長ら)にある、と断定する物言いは不適切です。

メディアも、先入観を与える報道をするべきではない。

そして、もう一度繰り返しますが、たとえ大惨事で大勢が亡くなっても、ありふれた交通事故で一人が

「ありふれた事故死」を遂げても、遺族にとってその死の悲劇性は変化しないのです。

それを勘違いしてはいけません。

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