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JIROの独断的日記
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2004年04月21日(水) 「戦後イラク、日本のように ブッシュ大統領」 事情が全然違うんだよ。

◆記事:戦後イラク、日本のように ブッシュ大統領

【ワシントン20日共同】ブッシュ米大統領は20日、ニューヨークで開かれた共和党選挙集会の演説で、小泉純一郎首相との緊密な関係に触れ、第二次世界大戦後の日本復興の成功が良好な日米関係をもたらしたと指摘、中東地域の安定化のためイラク民主化を実現する必要性を強調した。

 大統領は、東京で行った日米首脳会談では「神戸牛を食べながら北朝鮮問題を協議した」と披露。「小泉首相と、朝鮮半島の非核化、北朝鮮の独裁者に核開発放棄をどうやって受け入れさせるかについて話し合った」と述べ、第二次世界大戦で敵対した日米の首脳が、世界の安定に向けて連携する関係になったと強調した。


◆コメント:事情が違う。勉強してくれよ、ブッシュさん。

アメリカの政権中枢にいる連中は戦後の日本占領を参考にして、イラク統治を考えていたのは事実であるけれども、日本のケースを当てはめるのは、無茶である。

太平洋戦争末期の日本は、深刻な食糧不足にあり、国民の疲弊が限界に達していたのに対して、イラクはフセインが独裁政権を握っていたけれども、国民は別に、食うのに困っていたわけではない。イラク戦争により、イラク人の犠牲者は大勢出ているけれども、いまだ、シーア派を中心とした過激な勢力は健在である。

何よりも異なるのは、第2次世界大戦中のアメリカは、もはや勝利は確実と考えて、戦後、日本を統治するためには、日本人の文化、国民性を良く知らなければならない、と考えたことである。このため、ルーズ・ベネディクトという女性の文化人類学者に、日本人について研究すること依頼した。

ベネディクトは、現地調査が不可能なので、日本に関する文献、日本人が作った芸術作品、在米日本人との面接を通して、「義理」、「恩」、「恥」など、日本人特有の観念から、日本人論を書いた。これが、有名な「菊と刀」という本である。この著書に対する評価は分かれるけれども、要するに、そこまで手間ひまをかけて日本人を知ろうとする意志があったわけである。

ところが、今回は、アラブ社会、イラク人の文化を理解も研究もせず、いきなり、国際社会の反対をもかえりみずに、イラクを攻撃したため、フセインが君臨していた頃よりも、イラク国内はもとより、世界全体が不安定になってしまったのである。このことに関してはアメリカ国内でも批判が続出している。

今日は、今まで比較的平穏だった南部のバスラで、3件の自爆テロがあり、幼稚園児を含む55人が死亡して、200人以上が負傷した。バスラを統治しているのは英国軍であるが、負傷者を手当てしようとした、英国人救護兵に、イラク人市民が石を投げた、とBBCは伝えている。アメリカ人とその味方は許せん、という不穏なというか、当然な感情が、急速にイラク人の意識の中で膨張しているようである。サマワもいつこのような状態になるか分からない。

世間は、依然として日本人渡航者の自己責任論で喧しい(かまびすしい)が、それよりも、ブッシュ大統領の国際社会全体に対する責任の方が余程大きな問題ではないだろうか。イラク内部を落ち着かせるためには、米英、及び、これを支援する日本を含む国々、要するに「外人」は早く引き揚げて、現地の聖職者中心の統治に任せることが、賢明であろう。


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