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JIROの独断的日記
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2013年06月07日(金) AKB48メンバーの弾くモーツァルト:ピアノ・ソナタ18番。その他、アラウ、クリーン、ヘブラー。

◆AKB48には現役音大生(ピアノ科)がいます。

6月8日(土)は今をときめく、アイドルグループ、AKB48の総選挙開票結果、順位発表だそうで、

順位予想がかまびすしいですが、私はそこまで分からないので、書きません。


しかし、最近、AKBグループに興味を持つきっかけになったのは、なんとあのアイドルのf中に現役音大ピアノ科学生がいる、

と聞いたからです。松井咲子さんという人ですが、どうも本当ですね。東京音楽大学ピアノ科ということは

家内の後輩になります。


音大ピアノ科というのは、勿論試験は実技ですから、日ごろから練習していなければ弾ける筈も無いけれども、

松井咲子さんは、秋葉原での「劇場公演」やら、テレビ出演(日テレBSの「読響シンフォニックライブ司会

というのもありますが、大抵は他の女の子と同じ歌番組とかバラエティー)をこなしつつ、一体いつ練習しているのか、

非常に不思議です。通常なら、物凄く大変だと思います。全く寝るヒマが無いと言うぐらい。


もしかすると、非常に優秀で、最短の練習時間で、ピアノの課題をこなせるようになる人なのかもしれません。

朝ドラ「ゲゲゲの女房」のヒロインだった松下奈緒さんも、東京音大ピアノ科在学中から役者の真似事を始め、

それても、卒業演奏はカプースチンという作曲家のジャズと融合したような、難しい作品を弾いたので、あの辻井君をずっと

教えていた川上先生が、カプースチンを日本に紹介したのですが、「一体、いつ練習したのか」と不思議がっていました。

ですから、そういう人もいることはいるのです。松井咲子さんが実際どのようにしているのかは全くしりません。


◆アルバム「呼吸するピアノ」にモーツァルトのソナタが収録されています。

松井さんは、音大に通いながら、AKBのメンバーとして歌って踊っているわけですが、

私の想像では、クラシック側の人は、AKBなんてハナからバカにしていて何も知らないでしょうし、

逆にAKBのコンサートに行って、ワーワー騒いで知る若者や、妙に詳しくて選挙の順位予想をする

中年のおっさんたちは、クラシックのことなどまるで知らない。だから楽壇も芸能界も

松井さんが音大とAKBを両立させているとしたら、それが、どれぐらい大変か分からないはず。


そこで、両方を多少知っている私が、大きなお世話ですが、仲介します。


松井咲子さんのピアノアルバム呼吸するピアノは、殆どが

AKB48の「持ち歌」をアレンジしてピアノで弾いたものですが、はっきり言ってこれは、音大ピアノ科学生なら

児戯に等しいだろうとおもいます。ただ、最後にモーツァルトのピアノソナタ、第18番 K.576 第一楽章が収録されています。

この18番に限りませんが、モーツァルトの譜面は簡単そうなんですが、

弾くときは、音の粒が揃わないと、全然モーツァルトらしくなりません。しかし、ただ、「粒を揃え」ただけでは芝居で言えば「セリフの棒読み」のように

なるので、モーツァルトは、リストやラフマニノフのような超絶技巧は必要ないけれども、全く異なる、音楽の本質に迫る難しさがあるようです。


◆モーツァルト ピアノ・ソナタ 第18番, K. 576, 二長調 第一楽章

これは、昔のモーツァルト全集では、ピアノソナタ第17番なのですが、現在モーツァルトの楽譜の全てを管理してネットで無料公開している、

ザルツブルクのモーツァルテウム財団による「新モーツァルト全集」ではピアノ・ソナタ第18番 K.576です。


演奏を聴きましょう。松井さんから。


松井咲子:モーツァルト ピアノ・ソナタ 第18番, K. 576, 二長調 第一楽章


松井咲子:モーツァルト ピアノ・ソナタ 第18番, K. 576, 二長調 第一楽章


松井咲子さんのピアノは上手です。タッチが綺麗だし、音色が柔らかい。粒が揃っていながら、音楽的に歌っています。

これは急にできることではない。信じがたいけれども、アイドル活動しながらピアノも練習しているのですね。


本当は悪いのですが、次に西洋の大家3人の演奏を聴いて頂きます。少しずつ弾き方の趣味、解釈が違う。

これが、クラシックの面白いところです。


まずは、比較的若くしてなくなりましたが、N響と共演したこともある。ワルター・クリーン氏の演奏。

音源は、ピアノ・ソナタ全集がありまして、Mozart: Piano Sonatas, Vol. 1と、Mozart: Piano Sonatas Vol 2です。このソナタはVol.2です。


ワルター・クリーン:モーツァルト ピアノ・ソナタ 第18番, K. 576, 二長調 第一楽章


ワルター・クリーン:モーツァルト ピアノ・ソナタ 第18番, K. 576, 二長調 第一楽章


ものすごく、一つ一つの音がクリアでいながら、堅くならない。モーツァルト演奏のお手本のように素晴らしい。


次は、イングリット・ヘブラー女史です。これは、人によって、リリー・クラウスだ。いや、クララ・ハスキルだ、

とキリがないでしょう。どのピアニストも素晴らしいのですが、たまたま手許にある、モーツァルト:ピアノ・ソナタ全集から。


イングリット・ヘブラー:モーツァルト ピアノ・ソナタ 第18番, K. 576, 二長調 第一楽章


イングリット・ヘブラー:モーツァルト ピアノ・ソナタ 第18番, K. 576, 二長調 第一楽章


全く、普通に弾いているようで、聴き手を飽きさせない、円熟した境地だとおもいます。


最後は、クラウディオ・アラウ氏です。この方はモーツァルト弾きという分類ではないけれど、

かなりの年齢にならなければ、弾けないモーツァルトというのがあることがわかります。

引用元はArrau Spielt Mozart - Piano Sonatasです。


クラウディオ・アラウ:モーツァルト ピアノ・ソナタ 第18番, K. 576, 二長調 第一楽章


クラウディオ・アラウ:モーツァルト ピアノ・ソナタ 第18番, K. 576, 二長調 第一楽章


何とも言えない、味わいがあります。私はモーツァルトのピアノソナタでは、K.333が好きなのですが、

それは、アラウ氏が一番良いと思っているので、また、いずれご紹介致しましょう。


AKB48の総選挙の日に、AKBメンバーが弾くモーツァルトをお聴きいただきました。

みなさま、良い週末をお過ごし下さい。

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