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JIROの独断的日記
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2012年12月17日(月) 山中教授がノーベル医学・生理学賞を受賞したのはわずか一週間前です。

◆とにかく、何でもすぐに忘れる日本人ですから。

忘れると言えば、今朝、勤め先に向かう途中に街で行き交う人々の表情からは、

昨日の選挙の「せ」の字も覚えていない、という印象を受けました。

自民党長期政権時代に福田か田中か、という話ではありません。

政権が交替して、新しく内閣総理大臣になる人物のおかげで私は息子を兵隊に取られるかも知れない。


世の人々のあまりにもノーテンキな表情が腹立たしかったですが、

安倍政権に関してはこれから、いくらでも触れる機会が有るでしょう。


ですから、今日は、一週間前(12月10日)にノーベル医学・生理学賞を受賞した山中伸弥教授のことを

皆さんにリマインド(思い出させる)したいと思います。

多くの方は、とっくに忘れているとおもうので。日本人の特徴ですね。

あらゆることを、感動的なほど、アッという間に忘れてしまいます。


◆NHK Eテレ「サイエンス・ゼロ」で放送した山中教授のインタビューの動画を見るかテキストを読めます。

NHK EテレにNHK サイエンスZEROという番組があります。

リンク先をご覧になるとわかりますが、山中伸弥教授へのインタビュー(番組で放送したもの)の動画又はテキストに起こしたものを

読むことができます。


こう言ってはわるいけれど、NHKがこういう貴重な映像を無料で全部見せてくれる例をあまりしりません。

NHKオンデマンド サイエンスZEROというビデオ・オン・デマンドでも見ることができますが、

105円で24時間の視聴期限付きです。

それはさておき、サイエンス・ゼロという番組が山中教授に、ノーベル賞受賞理由となった

iPS細胞の発見に至るまでの過程などをインタビューしています。

山中先生の真摯な語り口と、あくまでも研究者としての謙虚な姿勢に頭が下がります。


例えば、インタビューの冒頭から、山中教授は、

iPS細胞という仕事単独では、今回の受賞はなかったと思います。

やはりジョン・ガードン先生が始められた初期化という仕事に対する評価でありますので。

ジョン・ガードン先生のお仕事がなかったら、私、12年前に今の仕事、始めることもありませんでしたので。

とあくまで、ケンブリッジのガードン博士の「細胞の初期化」が全ての始まりなのだ、と言いさらに、
山中:そして私は、自分では、これは、便乗受賞だと言っているのですけれど。

竹内(JIRO注:サイエンス作家の竹内薫氏):便乗ですか?

山中:はい。本当に。これまでの50年間、ガードン先生が始められた50年間の、生理学としての初期化が、ノーベル賞の対象になりました。

あとは、皆さんご自分でお読みになるか、動画をご覧下さい。

山中教授の真摯な科学への思いがひしひしと伝わります。

終わりの方で、私が「あっ」と思った、山中伸弥教授の言葉があります。それは、
山中:このiPS細胞が出来た時も、ずっと研究の過程も、そしてまた今回受賞した時もそうなのですが、

純粋な喜びというのは、あんまりないのです。むしろ、こう、不思議だ、大変だ、これからが大変だ、

そういう思いの方がずっと強いですね。

何故、「あっ」と思ったかというと、10年前にトリノ天文学でノーベル物理学賞を受賞した小柴東大名誉教授が

ノーベル賞受賞の数年後、東大で一般の(文系も含めた)学生に対して行った講義をネットで聞くことができます。

詳しくは、2006.04.15 「東大の講義をビデオポッドキャスト」小柴先生の講義に感銘を受けましたに書きました。

講義の冒頭の小柴先生の言葉に私は深く感動しました。
あのね。あなた方はそう思わんかも知れないけどね。立派な学者っていうのはね、「沢山のことを知っている人」じゃないの。

「知らないことがこんなに沢山あるぞ」と言うことを痛感しているのが、立派な学者なんですよ。

さすが、小柴先生、いいことをおっしゃる、と一度聞いてすっかり覚えたほどですが、山中先生の
純粋な喜びというのは、あんまりないのです。むしろ、こう、不思議だ、大変だ、これからが大変だ

は、小柴先生の言葉そのままではありませんか。

もちろん山中教授は、ノーベル賞が嬉しくない、欲しく無いとかそういうことではなく、

「俺はすごいだろ?」という気持ちはないのだ、と。生命とは何と不思議に満ちているのだ、という思いが先行する、

と言いたいのでしょう。まさに「知らないことがこんなに沢山あるぞ、と痛感している」学者。

なるほど、と思いました。10年の時を隔てていますが、本当の科学者の、真理に対する姿勢、心構えは、共通しています。

私はそのことに、深く心を動かされました。人間の存在を明るく照らし出して下さった両先生に感謝するとともに、

何度も同じことをかきますが、是非、山中教授のインタビューを視聴するか、読むことをお薦めします。

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