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JIROの独断的日記
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2002年12月17日(火) インフルエンザ脳症と解熱剤

そろそろ、インフルエンザが流行し始めている。調べてみると、結構怖い病気だ。できれば、ワクチン接種を受けておいた方がよい。

インフルエンザ自体も重症となると、特に子供は油断が出来ないが、さらに、合併症としてインフルエンザ脳症を引き起こす事がある。特に乳幼児に多く、インフルエンザによる発熱後、1〜2日後の早朝に急激な痙攣や意識障害を起こすものである。頻度は低いものの、インフルエンザ脳症を発症すると、死亡率が高く、また後遺症が残る事も多い。けいれんとは一般に意識が無く、体を硬直させたりがくがく震えたりする事を言う。意識が無いとは、呼びかけても反応しない状態である。急に熱が上がったときも寒気がしてガクガクすることはあるが、意識があれば心配はいらない。

意識の無い、けいれんを起こしたら直ちに医者に見せるべきだ。

ところで、ここ数年、インフルエンザ脳症と解熱剤との関係について調査が行われている。インフルエンザ脳症にかかった場合、高熱を発するので、解熱剤を使う事が多いわけだが、様々な解熱剤の中でも、ジクロフェナクナトリウム(商品名ボルタレン)、メフェナム酸(同:ポンタール)を使用した場合に、統計的にそれらの薬を使用しなかった場合よりもやや死亡率が高くなるという結論を厚生労働省が出している。特にボルタレンはどうも関係がありそうだということになった。

そこで、2000年11月15日、「インフルエンザ脳炎・脳症患者に対するジクロフェナクナトリウム製剤の使用について」(医薬品・医療用具等安全性情報163号)という報道発表がなされた。

ところが、今日のニュースを読んでいたら、

「大阪府立公衆衛生研究所の調査によると、発熱時に使うと急性脳症を起こす恐れがあるとして2001年から2000年にかけて、インフルエンザの子供への投与が中止されたジクロフェナクナトリウムとヌフェナム酸が中止された後にも、インフルエンザ以外の子供に使われ、小児科医を除く医師の16.3%が投与を続けていることが判明。ごく一部だったが、解熱剤の使い方を特に考えていないという医師もいた。」

ということなのである。だから、もし、自分や知り合いの子供がインフルエンザ脳症と診断されて薬を出された場合はそれがジクロフェナクナトリウムではないかどうか、調べてみる必要がある。幸い、インターネットには「お薬110番」など便利なサイトがいくつもあるので、すぐに調べられる。

因みに2000年11月15日の厚生労働省の通達であげられていた、ジクロフェナクナトリウムを含む薬は次のとおり。
内服剤
 (25mg) ボルタレン錠(日本チバガイギー)
アデフロニック錠(大洋薬品)
イリナトロン錠(辰巳化学)
サフラック錠(日本新薬)
サンナックス錠(三恵薬品)
ジクロフェナクナトリウム錠「ホクエイ」(大原)
シーコレン錠(日医工)
ソファリン錠(日本ケミファ)
ソレルモン錠(東和薬品)
ダイスパス錠(ダイト)
チカタレン錠(イセイ)
ドセル錠(日本化薬)
ニフレリール錠(模範)
ネリオジン錠(帝国化学)
バレタン錠(東菱)
フェナドシン錠(竹島製薬)
ブレシン錠(沢井製薬)
ボナフェック錠(日新山形)
ボラボミン錠(鶴原)
ボルマゲン錠(大正薬品)
ヨウフェナック錠(陽進堂)
ワンフェロン錠(東邦新薬)
プロフェナチンカプセル(菱山)


坐剤
 (12.5mg,25mg,50mg)   ボルタレンサポ(日本チバガイギー)
アデフロニックズポ(大洋薬品)
アナバン坐剤(富士化学)
ジクロフェノン坐剤(オリエンタル)
ネリオジン坐剤(帝国化学産業)
ピナナック坐剤(東光薬品工業)
フェナシドン坐剤(竹島)
フェニタレン坐剤(長生堂製薬)
ベギータ坐剤(シオノケミカル)
ボナフェック坐剤(日新山形)
ボラボミン坐剤(鶴原)
ボルマゲン坐剤(大正薬品工業)
ボンフェナック坐剤(京都薬品工業)
メクロフェン坐剤(日本ガレン)
メリカット坐剤(太田製薬)
アスピゾンズポ(協和薬品)
ジフェナック坐剤(小林化工)
ジクロニックズポ(大興製薬)


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