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JIROの独断的日記
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2012年06月30日(土) 「福島4号機の冷却が自動停止、非常用電源故障か」←下手すれば日本はおしまい、ですからね?

◆記事1:福島4号機の冷却が自動停止、非常用電源故障か(読売新聞 6月30日(土)20時48分配信)

東京電力は30日、福島第一原子力発電所4号機で、使用済み燃料プールの異常を知らせる警報が鳴り、冷却が自動停止したと発表した。

停電に備えた非常用電源の故障が原因とみられ、予備系統の冷却装置も起動できなかった。東電によると、1日にも復旧する見通し。

30日午後6時現在、プール水温は36・6度。毎時約0・3度上昇しており、保安規定で定めた上限の65度に達するまで4日程度の余裕がある。


記事2:福島第一原発4号機 壁に傾き(NHK 6月26日 5時27分)

水素爆発で大きく壊れ耐震性が懸念されている福島第一原子力発電所4号機で、

東京電力が建屋の外壁の膨らみによる傾きをさらに調べた結果、先月の調査より大きな傾きが新たに見つかりました。

解析の結果、東京電力は、4号機の建屋全体やプールの耐震性に問題はないとしています。

福島第一原発4号機では、先月、原子炉建屋の西側で水素爆発の爆風でできたとみられる膨らみによる傾きが確認され、

傾きは、壁の高さ13メートルに対し3.3センチで、建築基準法の制限値の半分ほどでした。

東京電力が今月さらに調べた結果、外壁の傾きは建屋の西側や南側の広い範囲で確認され、

西側の3階部分に高さ13メートルに対し4.6センチと、先月の調査より大きなものが新たに見つかりました。

傾きは、すべての場所で建築基準法で定められた制限値を下回っているということです。

4号機の建屋の上部にある使用済み燃料プールには、福島第一原発で最も多い燃料1535体が保管されていますが、

東京電力は、建屋全体やプールは傾きが見つかった外壁以外の柱などで支えられていることから、

解析した結果、耐震性に問題はないとしています。


記事3【YouTube】小出裕章:4号機燃プールが崩壊すれば、日本は おしまいです。


今年、3月8日、小出助教がテレビ朝日モーニング・バードに映像出演したもの。

一旦削除されましたが、どなたかまた、アップして下さいました。

ただ、これも時間の問題で、また、テレビ朝日の依頼で削除される可能性が高いです。

24時間ぐらいは大丈夫であることを期待します。


小出裕章:4号機燃料プールが崩壊すれば日本は"おしまい"です







これは、今年の3月8日、震災1周年を前に放送されましたが、

小出助教は、無論、東日本大震災の直後から4号機に関して、懸念を表明していました。

それは、小出助教だけでは無い。


◆記事4:福島第一原発4号機・使用済み核燃料プールの危機的状況を米上院議員が指摘、「国際的支援を仰げ」と駐米大使に書簡を送付 (東洋経済オンライン 4月19日(木)13時34分配信)

( http://www.toyokeizai.net/business/society/detail/AC/1b1252d7d5d216eb67824dcd2cdc2f80/ )
福島第一原子力発電所を4月6日に視察した米国のロン・ワイデン上院議員(民主党、オレゴン州選出)は16日、

同原発の危機的状況を回避するために日本が国際的な支援を要請すべきだとする書簡を

藤崎一郎・駐米大使に送付したことを、自身のホームページで明らかにした。

米上院エネルギー委員会に所属するワイデン議員は、同様の書簡をスティーブン・チュー・米エネルギー庁長官や

ヒラリー・クリントン国務長官、米原子力規制委員会のグレゴリー・ヤツコ委員長にも

同日付けで送ったと言及。

米有力議員による警鐘は、国際的にも大きな注目を集めることになりそうだ。

ワイデン議員が特に問題視しているのが、1300体を上回る使用済み核燃料が存在する

4号機の核燃料プール。ホームページで同議員は、再び大きな地震が起きた場合に

重大事態になる可能性があるとしている。

4号機の使用済み核燃料プールについては、代替冷却設備が原因不明の自動停止を起こし、

設備が故障・冷却液が漏れるというトラブルが4月12日に発生している。


ロン・ワイデン(Ron Wyden)上院議員のサイトに掲載されている原文へのリンク。

After Tour of Fukushima Nuclear Power Station, Wyden Says Situation Worse than Reported


◆記事5:「福島原発4号機は危機的状況、国際的な責務果たせ」――元駐スイス大使が枝野・細野両大臣と米倉・日本経団連会長に要請(オルタナ 4月13日(金)13時50分配信)

「福島原発4号機の深刻な状況はもはや世界の重大関心事になりつつある」――。

村田光平・元駐スイス大使は4月8日、枝野幸男経済産業相、細野豪志環境・原発担当相、米倉弘昌日本経団連会長に対して、

使用済み燃料プールが破損した場合に甚大な被害が予想される4号機への速やかな対応を求めた。

福島第一原発の4号機には、1535本もの使用済み燃料がプールに保管されている。

このプールの構造は今回の震災で脆弱な状態にあり、

次に大地震や不慮の爆発が起きたときにプールが損傷すれば、甚大な被害が予想されている。

4号機のプールから150メートルしか離れていない場所には、6375本の燃料棒がプールに保管されている。

村田氏は「いまだに毎時1億ベクレル近い放射能を出し続ける福島第一、

世界を脅かす4号機問題などの本来最優先課題として対処すべきことがなされていないことが

ついに国際的に明確に問題にされ出した」と指摘。

「問題の本質が全世界の命運に関わるだけにこの勢いは止まらない」と警鐘を鳴らしている。

その上で、原子力委員会の専門部会の提案にもある「第三者機関」の設置を強く両大臣に求めた。

米倉会長に対しては「日本の、そして世界の命運のかかったこの問題がこのように関心を招くのは当然のことで、

福島事故を抱えた日本の無関心は異常である」として、

日本経団連会長としての理解と支援を求めた。(オルタナ編集部=赤坂祥彦)


◆コメント:今、この瞬間に「日本がおしまい」になっても、不思議ではない。

記事1だけが最新(6月30日(土))の情報であって、

記事2から記事5までは、過去、何度も紹介している。

ほんの数日前、記事2について、

2012.06.27 「福島第一原発4号機 壁に傾き」←「消費税」より余程重大事です。

を書いた。

それでも今日の4号機の異常に関する情報が報道されても、誰も全くと言って良いほど気にしない。

余りにも恐ろしい現実、つまり、日本がおしまいになるかも知れない、という

可能性を、世の中の殆どの人は認識できても、敢えて認識できないかの如く振る舞っているのは、

これも過去何度も紹介した、自然災害に対する防災研究の専門家、群馬大学・片田敏孝教授がおっしゃるところの、
正常性の偏見

によるものだろうか。それは、
首都圏に蔓延する地震不安は“知識”では拭えない 釜石市3000人の子どもを救った「避難3原則」に学べ ――片田敏孝・群馬大学大学院教授インタビュー|次世代に引き継ぐ大震災の教訓|ダイヤモンド・オンライン

で「避難3原則」の3番目「率先避難者になれ」の説明ででてくる。
避難という行動は、とても自分を律するハイインテリジェンスな行動といえます。

たとえば、建物の中で非常ベルが鳴る。非常ベルの意味を分かっていても、実際には誰も逃げない。

なぜ逃げないのか。それは、「逃げないぞ」と意思決定しているわけではなく、

「逃げる」という意思決定をしないからです。

人間には、「正常性の偏見」という心の特性があって、非常ベルを聞いても自分が火だるまになっている姿を想像できず、現実感を持って逃げるという行動に結びつきません。

だからこそ、子どもたちには、自然に向かい合う姿勢と同時に、

人間はみんな災害時はこうなるんだ、だから「最大の敵は自分だ」と教えました。

防災は、敵を知り、己を知って初めてできるものなのです。(注:色太文字は引用者による)

記事1から記事3までを冷静に読んで意味が理解出来れば、

現在、日本は、まかり間違えば「おしまい」になるかも知れないほどの緊急事態にある、という結論が

必然的に導きだされる。それは主観ではなく、客観的事実である。


しかし、記事1が流れた後の世間の反応を、例によってTwitterを通して観察すると、

誰もこのことを真剣に話さないし、Twitterで評判になっている言葉を示す「トレンド」にも

福島第一原発関連の言葉など、全く表示されない。


4号機の冷却装置が故障した、ということは、プールの冷却水はまだ残っているという意味

であるけれども、使用済み核燃料プールが崩壊し、一瞬にして大量の使用済み核燃料が冷却水を

失い、自らの崩壊熱でメルトダウンし始めたら、あまりにも強烈な放射能で、人間が近寄ることすら

出来ず、全部が溶けてしまい、それはすさまじい被曝を半径300キロ、横浜あたりまでもたらすだろう

というのに、東京の人間は誰もそれが本当に起きると考えたくないので、考えない。


それでは、片田教授のような防災の専門家の知恵が全く生きない。

弊ブログのような、有名でもない一個人のブログでは、社会への影響力があまりにも乏しいのが

歯がゆいが、何もしないよりはよいか、と思い再び注意を喚起する。

本当に有事となり、首都圏の人間がパニックに陥ってからでは、絶対にこの危険な地域から

脱出できないであろう。道路、鉄道、航空機、どれも人が殺到し、収拾が付かないほどの

混乱が生じるに違いない。現実には「正常性の偏見」がたしかに私にもあるから、実行するのは困難なのだが

小さいお子さんが居て、どこか避難出来る場所がある方は、母子だけでも避難できないか、

と思うのである。


◆東電や国やマスコミが「本当に必要なこと」を伝えない。

大飯原発の再稼働を認めるかどうかという時、国会議事堂の周りには、多くの人が

集結して反対デモが実行され、それはTwitterで実況されていたが、大手のマスコミは

敢えて無視したので、そんなことがあったとは知らない人が多いに違いない。


また、先ほど次の記事を読んだときには、私は呆れてものが言えなくなった。
◆記事:国の訓練想定「炉心溶融なし」 原発事故後、「不安増長」と (共同通信 2012/06/30 09:57)

東京電力福島第1原発事故後、初となる国の原子力総合防災訓練について、計画作りを指示された原子力安全基盤機構が「最悪ケースの想定は避ける」として、

福島事故で起きた炉心溶融(メルトダウン)を除外するなどの方針をまとめていたことが30日、分かった。共同通信が情報公開請求で計画案を入手した。

「地域住民の不安を増長する」という理由。一方で、福島事故で役立たなかった対応拠点施設(オフサイトセンター)が一定段階から本格的に機能すると想定していた。

同機構は、経済産業省原子力安全・保安院の安全規制を実務面で支援。保安院の指示で2011年度訓練の計画案を作成した。


電力会社も国もなんとか原発を再稼働したくて仕方が無い、と言うこと自体、

私には理解できないが、とにかくその為には、なるべく福島第一原発で起きたことも

「大した事は無い」という印象を抱かせたいのであろうが、国民をバカにするにもほどがある。

既に、我々は、これ以上無いほどの最悪の原発事故「炉心溶融」が複数の原子炉で同時に起きて、

それをどのように処理したらいいか、今だに目途がついていないということを知っている。

その結果、一つの県の殆ど半分に人が住めなくなるという日本史上初めての状況を、

今もなお、見ている。


そもそも、リスク管理のイロハのイ、「最悪の状況を想定する」ことを避けてなにが訓練か、と思う。

そういう意識だから、大飯原発のみならず、なし崩し的に他の原発を再稼働しようとする。

一旦原発がこわれたら、どれほど悲惨なことになるか、実際に身を以て体験してまだ懲りないのは、

バカとしかいいようがない。

本当に危険なら、危険と伝えないから、国民が却って大きな被害を受けることになる。

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