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JIROの独断的日記
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2011年11月30日(水) 「溶融燃料、コンクリ床浸食=格納容器内で最大65センチ―東電が推定公表・福島第1」←だから、ウソをつくなよ。

◆記事:溶融燃料、コンクリ床浸食=格納容器内で最大65センチ―東電が推定公表・福島第1(時事通信)

東京電力福島第1原発事故で、東電は30日、炉心溶融(メルトダウン)が起きた1〜3号機について、

溶けた核燃料の位置の推定を公表した。

データ解析の結果、1号機は「相当量」、2、3号機は一部の溶融燃料が原子炉圧力容器から格納容器に落下したと推定。

床面のコンクリートを1号機では最大65センチ浸食した可能性があるが、

いずれも格納容器内にとどまっており、注水で冷却されているとしている。

東電の松本純一原子力・立地本部長代理は同日の記者会見で、

「燃料の状況はほぼ推定できた。冷温停止状態の判断に変更はないが、

10年先、20年先の燃料取り出しはこうした条件を加味して考えないといけない」と述べた。

原子炉内の状況は直接確認できないため、東電は核燃料の崩壊熱などを基に計算。

経済産業省原子力安全・保安院が開いた「炉心損傷推定に関する技術ワークショップ」に同日提出した。

東電の解析によると、非常用炉心冷却装置が十分機能せず、注水停止時間が長かった1号機では、

ほぼ全ての燃料が本来の位置から溶け落ち、圧力容器底部を破損したと推定。

燃料が全て格納容器内に落ちたと仮定すると、高熱で格納容器床のコンクリートを最大65センチ浸食するという。

ただ、床の厚さは最も薄いところで約1メートルあり、東電は容器を突き抜けていないとみている。

また、一定時間冷却が続いた2、3号機では、燃料の約6割が溶け落ちたと推定。

そのまま格納容器に落ちたとしても、床コンクリートの浸食は2号機で最大12センチ、

3号機で同20センチにとどまるとした。


◆コメント:これほどの大事故を起こしておきながら、ウソをつくな。

東電が30日に核燃料がどうなっているか発表するというので注目していたが、

まさか、この期に及んで、まだ楽観的な推測をしている。。

今までの東電を見ていると不思議ではないけれども、

どうも、東京電力という企業は、

まず、控え目な発表をしておいて、事実がもっと深刻なら謝ればいい。

という、「慣習」が骨の髄まで沁み込んでいて、どうしても最初から事実を

発表することができないようだ。


事故からまもなく9ヶ月。このブログでも何度もご紹介した、小出裕章京都大学原子炉実験所助教は、

5月12日、東電が「圧力容器の中に冷却水は残ってなかった。と発表した日と

その7日後、ビデオニュース・ドットコムの神保哲生氏による電話インタビューに応じて

この時点で、格納容器は損傷しているだろうと、言っている。

30日の東電は、核燃料はまだ格納容器内にある、という。
誰も直接みることが出来ないので、本当のことは分からない。

但し、非常に不思議なのは、圧力容器が損傷しても格納容器の底に

穴が開いていないのならば、格納容器のさらに外側の、

「原子炉建屋」の地下にに汚染水が溜まったのは何故なのか。

と言うことである。

5月19日ビデオニュース・ドットコム。

映像と音声はYouTubeにアップされている。


小出裕章氏:核燃料露出の1号機は既に人類未体験ゾーンへ






これをアップしているのは深夜というか早朝の4時なので、

朝起きてから発見なさってもゆっくり見ていれれないでしょう。

勤務先では観られない方が多いでしょう。

そこで、インタビューの途中からですが、音声だけを載せます。


核燃料露出の1号機は既に人類未体験ゾーンへ(音声のみ)


核燃料露出の1号機は既に人類未体験ゾーンへ



映像も音声も勤務先ではアクセス不可という方もいらっしゃるでしょうから、


全部じゃないのですが、重要な所を、文字起こししたものを載せます。(私がやりました)。


(文字起こし始め)
神保:(東電の発表によれば、)圧力容器はもう冷却水が殆ど入っていない。若しくは全く入っていないかも知れない。だから、先生は 圧力容器に大きな穴が開いていて、核燃料は、圧力容器から下の方に落ちていると。



小出:はい。





神保:しかし、テレビ報道を見ているとですね。何故か原子炉の絵で圧力容器のしたの方に水が入ってまして、水の中にアンパン状になった、核燃料が浸かっていると。その根拠として、東電としては、 圧力容器の温度が100℃から120℃で、かつ原子炉内部の圧力がある程度保たれているから、そこまで完全に穴が開いて、すっからかんになっているわけではない。というのですが、先生は この説明はどのようにご覧になりますか?



小出:私は、圧力というそのデータ自身がですね。本当かどうかということにも、眉に唾を付けています。 元々は東電はずっと原子炉の中に水がある、と言ってきたのですね。燃料のある炉心部というところの半分までは、水がある、と、これまでずっと二ヶ月近く言い続けて来たわけですが、それが5月12日から「炉心部に水は全くありませんでした」といって、データを変更してしまったわけです。でもその水位計のデータが変更されたけれども、圧力データのほうは、何の変更も無いまま・・・・、



神保:温度と圧力のデータは変更ないまま、ですね。



小出:そうです。いったい、どのデータがどこまで正しいのか、ということが、私にはさっぱりわからなくなってしまっているわけです。しばらくしたら、今度はまた、圧力データも間違っていました、とかですね、温度データもこれは実は違うのです、と、言い出すのかな?と今は思っています。



神保:先生、それで、正に原子炉の専門的な部分なので小出先生に伺いたかったのですけれども、あれだけ水をどんどん入れても、あったとしても圧力容器の底のほうにちょっとあるだけ、或いは全くない、ような状態にあるということは、東電はなんだか、「大きな穴」という言い方はせずに、小さい穴が複数開いている、みたいな言い方をしているのですが、いずれにしても穴が開いて、あれだけの水を入れてもすごい勢いで水が漏れていることは分かっているのに・・・・



小出:ということですね。



神保:それなのに、あれだけの圧力が残る、ということは、原子炉の構造上あり得ることなのですか?



小出:私は「あり得ない」と思っていまして、炉心部に水が全く届かないぐらい、抜けて落ちている、ということは、東電が言うような小さい穴ではなくてですね、かなり大きな穴が開いているのだろうと思いますし、もし、そうだとすれば、炉心は溶けて落ちている、と、東電自身が言っているのですから、その炉心もその穴から更に格納容器に落ちているだろう、と私は推測しているのです。そうなると、圧力データも実は何か間違っているのではないかと、今私は思っています。



神保:なるほど。格納容器も、実は現時点では、1号機ではどれぐらいあるか確認されていませんね。



小出:そうです。水棺ということをやろうとして、水を大量に注いだ訳ですが、一向に格納容器の水位が上がってこなかったのですね。それで東京電力は水棺という作業を断念した、と言っているわけですけれども、一方で原子炉建屋の地下に、4,000トンもの水が既に溜まってしまっていると言っているわけで、それはつまり格納容器に入れたつもりの水が、全部どこからか出てしまって、原子炉建屋に流れ落ちているのですね。そのことを考えると、溶けた炉心の一部が既に格納容器の底に落下して、格納容器を既に壊してしまっている可能性が高いと私は思います。



神保:なるほど、では格納容器の更に外に出ている可能性もある、ということですか?



小出:そうです。格納容器の外に出て、原子炉建屋に溜まっているわけですね。



神保:これはもう、外に出ると、原子炉建屋の土台になっているコンクリートしかないのですか?



小出:ありません。



神保:ははあ。で、これが外に出ている、ということの意味なんですけどね、先生。まあ、あくまでも東電やテレビの解説では、まだ炉心は圧力容器の中に残っていることになっているのですが、実際には場合によっては、格納容器も突き破って、原子炉建屋まで出ているとするとですね、



小出:はい。



神保:何か、我々の認識、今まで東電から聞いてるようなこととは違った認識を持たないといけない部分というのはありますか。



小出:えーと、例えば東京電力が4月の17日にロードマップというのを出したのです。それは、原子炉を「冷温停止」にとにかく持っていきたい、と。言うことを基本にしているのですが、「冷温停止」というのはですね、原子炉圧力容器がまだ、そこに形として存在してですね、そこに入口側と出口側の配管があって、冷却水をぐるぐる回せて、原子炉の炉心を100℃以下にすると、いうのが「冷温停止」という概念なわけですけれども、実はもう原子炉圧力容器というものが、底が抜けてしまっているわけで、核燃料そのものもそこにあるかどうか分からない、という状況になっていますので、もう「冷温停止」なんていうそんな言葉を使えるような状況では既に無くなっているのです。



神保:はい。



小出:ですから、今のこの事態というのは、原子力を利用し始めた人類が、初めて遭遇する事態になっているわけで、これをいったい、どうやって収束できるのかということが、本当に未知の領域に入ってしまっている、ということになります。



神保:これは、核燃料というものが、完全に大気中に露出した状態に鳴っている可能性がある、ということですね。格納容器から外に出てしまっているというのは。



小出:そうです。ですから問題はですね、大気中に放射性物質が飛び出してしまうような状況かどうかということが、被曝ということに関してはものすごく重要なことなのですが、多分今現在は、格納容器の鋼鉄製の容器はなにがしか、既に損傷している、と私は思っているのですが、その下には原子炉建屋の分厚いコンクリートがあるのですね。それでそこにも何らかの損傷があるが故に、格納容器に注いだ水が原子炉建屋の地下に溢れているわけですけれども、ただ分厚いコンクリート全体が破られているとは、私はまだ思っていないのです。そうであれば、大気中に大量の放射性物質が出てくるということは、今現在はないのだろうな、と思っています。 これもっともっと溶けた炉心が下に沈んで行くと思うのですけれども、下に沈んでいくといつか地下水と接触すると思います。そういう場合でも大気中に放射能が飛び出ていくというよりは、むしろ地下水に放射能が流れていって、それが海を汚染するという可能性が高いと私は思います。



神保:なるほど。先生、やっぱりこの格納容器を突き破っているとすれば、あれだけ冷やしてきたとしても、もう地下水までは要するにコンクリートを溶かし、土を溶かし地下水脈くらいまでいってしまうことはもう、ほぼ確実なんですか?これは?



小出:うーん・・・・。よく分からないのですが、本当に未知の状況に私達は直面しているのですね。ですから溶けた炉心がどこまで落ちていくのかということは、申し訳ありませんが私には正確に判断が出来ません。



神保:できない。



小出:なんとか地下水に接する前に、どこかで止まってくれればいいなというふうに、今は思います。



神保:先週、先生は溶けた核燃料は恐らく「アンパン」のような状態になっているだろう、と仰有って、中は熱くて柔らかく、外側が少し固まっているような状態--これは、水に浸かっていることが前提ですね?



小出:そうです。 格納容器の底に水が「あれば」ということですね。



神保:はい。で、その状態であれば、一番外側はそれほど熱くないということですか



小出:そうです。水がありますので、そんなに熱くないと思います。



神保:熱くないと。じゃ、水から露出してしまっているかどうか、ということが、非常に重要なポイントになるわけですね。



小出:そうです。その場合でも、水があったとしてもですね、周辺が冷えて固まったとしても内部は熱伝導が悪くなりますので、内部は溶けた状態だ、と私は思っている訳です。アンパンの「あんこ」の部分ですね。でもその「あんこ」が、格納容器の鋼鉄に接してしまうのだとすれば、格納容器の鋼鉄も溶ける、と私は思っていて、原子炉建屋の地下に大量の水がすでにある、ということは、多分、格納容器に穴が開いているのだろう、と今は思っています。



神保:なるほど。じゃ、その次は原子炉建屋の地下の水に落ちていく可能性もあるわけですね。



小出:はい。ただ、原子炉建屋の地下というのはですね。サプレッション・チェンバーというドーナツ状になっているのですね。で、燃料が落下する部分というのは、むしろそのドーナツのド真ん中に落下している筈で、そこは分厚いコンクリートです。ですからそのコンクリートを何処まで破壊していくか、ということがこれからの事故の進展のネックだと思います。



神保:サプレッション・チェンバーはドーナツ型で、真ん中はコンクリしか、ないわけですね?



小出:そうです。そうです。



神保:ははあ、なるほど。そうか、じゃちょっと今、どこにあるのか、どういう状態なのかは、現状では、1号機も全く分からない・・・・



小出:はい、すいません。私には分かりません。



神保:それでですね、今回工程表の見直しというのが行われて、結局、圧力容器の中を循環されるとか、というのはもう断念したし、しかも、格納容器を水棺するのも諦めたんだけど、今度は、原子炉建屋に溜まった水を循環させるというようなことを、今言っています。まあ、これも、何処に核燃料があることを前提にしているのかが、定かで無いのですが・・・



小出:そうですね。



神保:これは、現実的に可能なんですか?



小出:要するにですね。水を注入する場所は圧力容器しかないのです。そうすると圧力容器には穴が開いているので、格納容器の底に落ちてくるのですね。ですから私は、従来は格納容器の底に落ちた水をくみ上げて、原子炉圧力容器の中に戻すという循環ラインを私は想定していました。で、その途中に熱交換機と浄化系なんかを入れればいい、という風に思っていたのですが、東京電力のほうはさらに一歩踏みこんだのですね。もう、格納容器も壊れていて、原子炉建屋のほうにつながっちゃっているのだから、原子炉建屋から水を汲み出すしかない、という風に、東京電力が言っている訳で、ですから、むしろ私が思っていたよりも、東京電力の思っている方が、事故としては深刻なことを予想してるんですね。格納容器が既に破れて、そこから水が原子炉建屋とツーツーになっている、と言う風に彼らは言っている。 もしそれが本当であれば、 東京電力が言っているようにやる以外にありません。



神保:これは、結局、建屋の中に核燃料を落として---落としてっていうと変だけど---落ちた状態を前提にして、それをひとつの、なんというか、「容器」のような扱いにして水を回していくということになりますね。



小出:そうです。但し、私、先ほどから何度も訊いて頂いているとおり、既に格納容器という鋼鉄の容器が壊れてしまっていて、溶けた炉心がコンクリートの中に既にもう入っているとすると、これからそのコンクリートを全部破壊して、地下に潜ってしまう可能性もある訳ですから、そうなるともう、循環式の回路も何も、もうありません。 もう多分手の打ちようが無いので・・・・



神保:冷やすこともできなくなっちゃうと・・・



小出:そうです。それはもう、どうにもならないので、原子炉の建屋ごと、何か石棺の中に閉じこめるとかですね、新たな方策を考えなければいけなくなる、と思います。



神保:うーーん、なるほど。これを東電の工程表では、当初の予定どおり、6ヶ月から9ヶ月でとにかく収束させるのだ、と言ってますが、最初に(工程表を)出した時から明らかに1号機だけをとってしても、これだけ状況がちがう、というか、悪くなっていると



小出:そうですね。



神保:分かっているにもかかわらず、タイムテーブルは同じままでいける、と言ってますが、小出先生のそこの見極めは、どうですか?



小出:どうなんでしょう、このロードマップというもの自身がですね、元々は東京電力の方から出たのではなくて、私は政治のほうからですね、とにかくロードマップを示せ、と言われて、もう東京電力としてはしょうがなくて、本社の人達がですね、綺麗な説明資料を作って出した、というものではないか、と推察しています。

(文字起こし終わり)。

本当に取り返しが付かない事故を起こしてしまったのですから、

いい加減な発表だけは、もう止めていただきたいですね。

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