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JIROの独断的日記
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2011年11月25日(金) 【音楽】1928(昭和3)年11月22日に、モーリス・ラヴェルの「ボレロ」が初演されました。

◆毎年恒例です。

「絶対」ではないのですが、1年のうち、私が音楽史上、無視出来ない日があります。

それは、勿論、音楽学の学術的には、何の意味もありません。

11月22日は「ボレロ記念日」、

そして12月5日はモーツァルトの命日。この2日はまず逃さないですね。

その他は、5月21日がトランペット奏者、モーリス・アンドレの誕生日。

9月1日は、「奇跡のホルン」デニス・ブレインの命日など。

どうしてある人は誕生日で、別の日とは命日を記憶しているのか、

自分でもよく分かりません。

11月22日は全く別で、ラヴェルの誕生日でも命日でもないのですが、

とにかくあのボレロが初演された日で、それはどういうわけか、

絶対わすれないのです。

余りにも毎年同じ内容なので、近年「ボレロ記念日」にあまり投票していただけなく

なりましたが、書かないと、私が気持が悪くなるので今年も書きます。2日遅れましたけど。


大きなお世話なのですが、「ボレロ」の話をすると、モーリス・ベジャールが振付をした

「バレエ演目としてのボレロ」の話になってしまう方が結構おられまして、

それは勿論、好き好きなんですが、私は、何しろオーケストラが好きなので、

「バレエになったボレロ」には関心がありません。


◆テンポカウンターのすすめ。

毎年、ボレロについて書くときに、お薦めしているのですが、

Tempo Counter(テンポ・カウンター)というフリーソフト(寄付歓迎)を

作って下さった方がいます。楽器の練習用にテンポを一定に保つために、一定のテンポを刻むメトロノームは皆さん御存知でしょうが、

演奏されている曲のテンポが、メトロノームのテンポにするとどれぐらいなのか。

昔、アナログ時代から、テンポカウンターという「道具」があることはありまして、

ストップウオッチのような形をしていますが、使い方が全然違うのです。
ボタンを、実際の演奏に合わせ、一拍ごとに捺すと、テンポ100だ、とか95だとか

分かるのです。一般の人で使った人は、まずいない。音楽評論家が演奏会評を書くために、

テンポ設定を調べたりするのに使う。私も欲しかったけど、見つからなかったですね。

今は、電子チューナー兼メトロノームで、テンポを測ることができるそうですが、

このテンポカウンターという、非常に簡単な軽いソフトで

十分です。圧縮フィルを解凍するだけです。後は、Enterキーを叩くことでテンポを測ります。

ボレロに限りませんが、指揮者によってテンポ設定がどのように異なり、あるいは途中でどのように

変化されるか、ということを測ってみると、面白いと思う方がいるのでは無いかと思います。


◆カラヤン=ベルリン・フィル、マルティノン=シカゴ、アバド=ロンドン響。

最初は、無難にカラヤンです。

ソースは、ラヴェル:ボレロ: カラヤン(ヘルベルト・フォン), ラヴェル, ムソルグスキー, ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団です。


モーリス・ラヴェル:「ボレロ」カラヤン、ベルリン・フィル



Berliner Philharmoniker & Herbert von Karajan



あとの2人を聴くとわかりますが、遅めです。テンポ=65より僅かに速い。


次は、マルティノンというフランス人指揮者がアメリカのシカゴ交響楽団を振った、名演だけれども

なかなかCDかされなかったのが、数年前、一時的に復刻したのですが、また廃盤になってしまったものです。

これです。

ラヴェル名演集:ボレロ/亡き王女のためのパヴァーヌ/スペイン狂詩曲/他


マルティノン=とパリ管弦楽団とか、フランス国立放送管弦楽団というのは、普通なのですね。

マルティノンがアメリカのシカゴ交響楽団を振った、というのが珍しいのですが。復刻されたら、直ぐ完売になりました。

今は、入手出来ませんが、再び復刻されることはありますので、期待しましょう。それでは、


モーリス・ラヴェル:「ボレロ」 ジャン・マルティノン指揮、シカゴ交響楽団



Jean Martinon; Chicago Symphony Orchestra



カラヤンと比べるとだいぶテンポが速いですね。こういうときにテンポカウンターで測ると面白いのですね。

カラヤンはテンポ65でしたが、マルティノンは75〜76ぐらいですね。これは完全に指揮者の「解釈」ですね。


最後は、この日記・ブログで、過去何でも取りあげました、随分前の録音ですが、

クラウディオ・アバド=ロンドン交響楽団です。

ラヴェル:ボレロ、スペイン狂詩曲、パヴァーヌ: アバド(クラウディオ), ロンドン交響楽団です。

超有名曲「ボレロ」ですから、一体どれほどの録音があるのか分かりませんが、

Amazonの「ミュージック」で「ボレロ」検索すると、636件、

「クラシック」で同様に検索すると、476件、ひっとします。

とにかく、このアバド=ロンドン響と同じようなのは絶対にないであろうことは明らか。

スタジオ録音だというのに、曲の終盤、弦楽器奏者が興奮のあまり叫びだし、

それが段々拡がっていく。

クラシックの録音で演奏者の声が混入しているというのは、

すくなくとも、アナログ時代のグレングールドのレコードぐらいのものではないでしょうか。

テンポは、ちょうど、カラヤンとマルティノンの中間あたり。69〜70です。



モーリス・ラヴェル:「ボレロ」 クラウディオ・アバド指揮、ロンドン交響楽団



Claudio Abbado:London Symphony Orchestra



他にもいくらでもあります。


◆不思議な音がするところがあります。ホルン+ピッコロ+チェレスタ。

ボレロは御存知のとおり、AとB二種類のメロディーを色々な管楽器がソロで

交互に吹きますが、ホルンが最初のフルートと同じAのメロディーを吹くときに、

実に不可思議な音がします。初めて聴いたときには、オルガンか?と思いました。

この部分です。

ホルン・ピッコロ・チェレスタの部分(マルティノン=シカゴ)。



Martion Chicago Bolero Excerpt



本当は自分でよく理解してから解説したいのですが、

それだけの能力がないので、Wikipediaの説明を載せておきます。

オルガンから借用した手法




オルガンにきこえたのも当然。オルガンの手法を用いているというのです。





ラベル自身は「ボレロ」を自分であまり感心しない、と思っていたそうです。

それは、音楽は2つのメロディーと、小太鼓の2小節からなるリズムの反復で、

それ自体には何の工夫もない。自分はオーケストレーション(管弦楽法)だけで

曲を書いてしまった。というのですが、作曲のテクニックがそれ自体で聴き手に

感動を与えることを証明した「ボレロ」は、何度聴いてもいいですよね?

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