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JIROの独断的日記
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2008年07月09日(水) 「<洞爺湖サミット>「長期目標共有」で合意 G8と新興国」←50年までにCO2半減、と言えなかった理由。

記事:<洞爺湖サミット>「長期目標共有」で合意 G8と新興国(7月9日22時21分配信 毎日新聞)

北海道洞爺湖サミット(主要国首脳会議)で9日開かれた主要経済国会合(MEM)の首脳16人による協議は、

焦点の温室効果ガス排出量削減について「世界全体の長期目標のビジョン共有を支持する」との首脳会合宣言を採択した。

ただ、主要8カ国(G8)は「2050年までに排出量半減」の長期目標の中身も各国で共有するよう新興国に求めたが、

数値目標は合意できなかった。サミットはこの後、議長総括を発表し、3日間の日程を終えて閉幕した。



MEM首脳会合で、G8議長の福田康夫首相は、「長期目標のビジョン共有」を求めた8日のG8首脳宣言について新興国に説明し理解を求めた。

これに対し、南アフリカ、メキシコなどは「先進国が率先して大幅削減すべきだ」と反対を表明。

インドネシア、韓国、オーストラリアは支持し、新興国側で意見が分かれた。

その結果、MEM首脳会合宣言は「国連条約の下で世界全体の長期目標を採択することが望ましい」との表現で合意した。

2020〜30年までに目指す削減の中期目標についても、米国を含む先進国が国別総量目標を設定し、途上国は排出抑制に踏み出すことになった。

ただし、目標の具体的数値は「50年までに半減」を含む「野心的な複数のシナリオ」について「真剣に考慮する」とのあいまいな表現にとどまった。


◆コメント:要するに何も決まっていないも同然である。アメリカもいい加減にしろよ。

福田首相はサミットが開会前日の6日(日)ブッシュ大統領と会談して、

「2050年までに温室効果ガスを半減したいから、その対策について、アメリカも協力してくれ」

と申し入れたのです。これに対して、ブッシュ大統領は、
「私は現実主義者だ」と述べ、長期目標の設定には中国とインドの参加が不可欠だとする米国のこれまでの主張から、大きく踏み出していない可能性をにじませた。

とロイターが報じています。アメリカは世界最大のCO2排出国なのに、京都議定書にも批准しなかった。

にも関わらず、ブッシュ大統領は、「これからは、アメリカが温暖化問題の対策に関して世界をリードする」ようなことを云っていました。

私や多分多くの人は口から出まかせだと思っていました。そのとおりでした。

福田さんは(福田さんじゃなくても誰でもそう考えますが)2050年までに温室効果ガスを半分にするなら、

アメリカに思い切った対策を取って貰わないと困る、といっているわけ。

要するに石油・石炭など、化石燃料を燃やして発電する量を減らせと。

これに対してですよ。ブッシュの答えは、
中国やインドが長期的削減目標に加わらないなら、アメリカだけ減らす意味がない。

というのです。そんなこと無いでしょう。温暖化で世界をリード(アメリカは何の問題でも世界をリードしたがりますが)するなら、

まず、アメリカは中国やインドに、「温室効果ガスの長期削減計画に参加しろ」と説得し、

その上で、一番ガスを吐き出している自分の国を何とかするべきでしょう。

どうして、アメリカってのはこれほど傲慢なのだ、とホトホト嫌になります。


◆新興国と先進国とが揉めた理由

記事にあるとおり、先進国と新興国は合意出来なかったんですね。数値目標で。

これは、福田さんは、「長期目標のビジョン共有」を求めた(同じように、CO2排出量を半分にしようよ、ということ)

のですが、南アフリカ、メキシコなどの新興国は、

今まで地球温暖化と原因となった温室効果ガスを排出しいたのは、先進国なんだから、責任が重い。俺たち新興国を一緒にされては困る。

と言うわけですね。但し、新興五カ国の声明は、
「温暖化ガス排出量削減の長期目標は、歴史的な責任を念頭に、公平に負担を分かち合わなければならない」

となっています。歴史的な責任を念頭に、というのは、「今までCO2は排出していたのは先進国であること」です。

しかし、新興国も負担を分かち合わなければならない、と云っている。

これに対して、繰り返しますが、アメリカは、

中国、インドが、長期的削減目標に参加しないなら、アメリカもしない。

と、云っているだけです。世界最大の化石燃料消費国がそれじゃ困るのです。


◆CO2を巡る思考の硬直性

地球温暖化対策というと、専ら、電気を使わないこと、と我々の思考は硬直しています。

電気を使ってもCO2を減らせるようにする努力にエネルギーを注力するべきです。

つまり、どうやって電気を作っているのか、が問題なんです。火力発電所だからです。

火力発電所で化石燃料を燃やして水を温め、それによって発生した蒸気でタービンを回して電気を作る。

これが、問題なんでしょ?で原子力は完全に安全とは、どうも言えないでしょ?多少頼らざるを得ないけど。

そのほか、私、馬鹿にしていたのですけど、太陽光、風力も馬鹿にならないらしい。これからもっと勉強しますけど。

例えば、太陽光発電は、ウィキペディアを引くと、

日本国内の一戸建て(約2600万戸)の2割弱、500万戸に3kWのシステム(合計容量1500万kW)を設置した場合、

昼間のピーク時の最大出力は天候や各種損失の影響を考慮して平均1000万kW前後と見積もられる。

出力100万kWの発電所10基分以上の出力に相当し、需要ピーク時に多くなる化石燃料の使用量をその分削減できる。

となっているし、風力発電は、日本に限って云えば、
日本国内での風力発電(出力10kW以上)の累計導入量は2007年3月時点で約1400基、

総設備容量は約168万kWであり、発電量は標準的な原発(100万kW前後)の数分の1である

というけど、さほど本気でやってないのに、標準的な原発の数分の一の電力を既に供給しているそうです。

これもアンチョコを見て書いているのだけど、驚いたことに、
風力発電の資源量は大きく、開発可能な量だけで人類の電力需要を充分に賄えるとされる。日本でも軽視できない量が開発可能であると推定されている。

というのですから。我々、洗脳されてますよ。電気を使うな、コンビニ営業制限なんだかんだ。

これは、あくまで化石燃料に発電を念頭に置いている、国のミスリードですよ。

CO2が発生しなければ(それでも大気中のCO2濃度がただちに下がるわけではなく、温暖化は進むのですが)、

電気なんか今まで通り、いくら使っても構わない。

調べてみるものです。

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