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JIROの独断的日記
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2006年09月15日(金) 「<米議会>靖国神社遊就館の展示に変更求める ハイド委員長」←「安倍総理」、どうするのですか?

◆記事:<米議会>靖国神社遊就館の展示に変更求める ハイド委員長

【ワシントン及川正也】米下院外交委員会のハイド委員長(共和党)は14日、日本と近隣諸国に関する公聴会で、

靖国神社にある戦史展示施設「遊就館」について「事実に基づかない歴史が教えられており、修正されるべきだ」と述べ、展示内容の変更を求めた。

また、民主党のラントス筆頭委員は小泉純一郎首相の靖国神社参拝を「日本の歴史に関する健忘症の最もひどい例だ」と指摘し、

「次期首相はこのしきたりをやめなければならない」と参拝中止を求めた。

米国内には首相の靖国参拝による日中関係悪化を懸念する声があり、米外交に影響力を持つ両議員の発言は日米間に波紋を広げそうだ。

ハイド委員長は「遊就館が第二次大戦は日本による西側帝国主義からの解放だと若い世代に教えていることに困惑する」と批判。

ラントス議員は「A級戦犯が祭られている靖国神社への参拝はドイツで(ナチス幹部の)ヒムラーらの墓に献花するのと同じ。

韓国や中国の怒りをあえて招くことをする限り、日本が国際社会で重要な役割を演じるのは難しい」と述べた。

(毎日新聞) - 9月15日12時2分更新


◆コメント:内閣総理大臣の靖国神社参拝を肯定する人は、どうするのですか?

これは、内閣総理大臣の靖国参拝を肯定する人々にとってはショッキングなニュースだと思うが、

2006年09月16日(土)00時51分現在、Yahoo!ニュース - アクセスランキング【海外】の1位から20位のどこにも、

このニュースが無いのは不思議だ。本当に知らないのか。或いは都合が悪いニュースは見て見ぬふりをするのか。



一般人はさておき、「次期総理」はどうするのですか?

安倍晋三氏著「美しい国へ」第二章「自立する国家」66ページ「靖国批判はいつからはじまったか」以降を読むと、

安倍晋三氏は東京裁判やA級戦犯を否定しようとしていることが明らかで、内閣総理大臣の靖国参拝も「文句あっか?」という姿勢である。


◆立花隆氏が書いたとおりになっている。

一人の人間が常に「正しい」ということは、あり得ない。

だから、私は、盲目的に「立花隆氏の書くことが全て正しい」というつもりはないけれども、この問題に関して立花氏は、あまりにも見事に言い当てている。



ブックマークしている人も多いだろうが、立花隆の「メディア ソシオ-ポリティクス」というコラムがあり、

約一ヶ月前に書いた、第82回 天皇はなぜ参拝しないのか 「心の問題」論と靖国神社 (2006/08/12) の最後のページで、

「靖国問題が対米外交の問題に発展する可能性」を指摘している。

そして、それがまさに現実化しているのである。

多くの日本人は、靖国問題は、もっぱら中国や韓国との歴史認識の齟齬の問題だと思っていたら、実はそうではなくて、

アメリカも靖国神社の反米的色彩に結構不快感を持っていたということである。



立花氏によれば昨年末ぐらいから、在京の各国外交官の間で、靖国神社の「遊就館」では

「対米英戦争はアジアの解放戦争、対米戦争はアメリカ側の謀略といった戦争合理化路線で染め抜かれた展示が大々的におこなわれている。」


ということが話題になっていた(物議を醸していた)、というのである。

立花隆氏の記事は次の文章で終わっている。
「あれ(遊就館)がいかに反米的かを私は知っている。アメリカ人にとっても他人事ではない。日本バッシングの色彩はないと日本人が考えるならば、それはブッシュ政権の与えた幻想だ」(バニング・ガレット前国防総省アドバイザー)「遊蹴館の真実を知れば多くのアメリカ人は怒る。そうなればA級戦犯だけの問題ではなくなる」(シンディ・コトラー・シンクタンク=アジア・ポリシー・ポイント所長)

歴史認識の問題で問題が起きているのは、もっぱら対中国・韓国の問題だろうと日本人の大多数は思っているようだが、実際には、対アメリカでの歴史認識のちがい問題に火がついたら、それは手がつけられないほど深刻な問題になるのだということを知っておくべきである。

正直に言うと、私は8月にこの記事を読んだときに「本当かな?」と思った。外交官なら、とっくに遊就館のことぐらいは知っているだろう、と考えたのである。

ところがどうやらそうではないらしい。

東京に駐在する各国の外交官は単に今まで、遊就館の存在を知らなかった、若しくは興味を持っていなかっただけ、ということらしい。


◆安倍氏は「常に闘う政治家」でありたいと言っていますね?

これは、「美しい国へ」の中身を読むまでもなく、帯に印刷されている安倍晋三氏の言葉である。

米下院外交委員会では、「次期首相はこのしきたりをやめなければならない」と言っている。

止めないと、立花隆氏の予想通り対米外交問題に発展するだろう。

安倍氏は日米同盟が如何に大切か、ということも自著で強調している。さて、どうする。

アメリカに睨まれたくなければ靖国参拝を止めることになるが、「闘う政治家」を標榜する安倍氏のイメージは大きく損なわれる。というか日本が滑稽に見える。

中国や韓国が、靖国参拝にいくら抗議しても「大きなお世話だ」と聴く耳を持たなかった国(日本)が、アメリカに「こらっ」と言われたら、コロリと態度を変える、

となると、かなり恥ずかしいのではないか。


◆どうすればよいか。

私は内閣総理大臣の靖国参拝には反対であるが、それは外国の抗議・要求を考慮するのとは別の観点、

即ち、「日本国憲法を遵守し、司法の判断に耳を傾けるべきだ」、という理由による。



それは、何度も書いている。

最新の稿は、2006年08月17日(木) 「全国紙、論説委員はバカばかり。」8月16日付の社説を読んで。 である。

そこに書いたことと、JIROの独断的日記ココログ版によせられた何件かの反対意見(コメント)に対する私の再反論を読んでいただくと分かる。

立花隆氏が何故憲法を持ち出さないのか不思議だが、他国の顔色を見て参拝をしない、と考えるから卑屈になるのである。

日本国憲法は国及びその機関の一切の宗教的活動を禁じており、小泉政権の5年間の間に、内閣総理大臣の靖国参拝は違憲である、

という司法の判断(判決ではない)福岡地裁と大阪高裁によって2度、出ている。

安倍君の立場から書きたくないが、敢えて今回だけ模範解答を示すならば、

「小泉前首相は、靖国参拝をめぐる司法の意見を無視していたが、

私は、憲法に定められた政教分離原則、公務員の憲法遵守義務、司法の違法審査権に基づく判断に従い、

靖国には参拝しない。諸外国の意見は拝聴するが、これはあくまでもわが国の法制度にのっとった判断である」

と言えば良いのである。

問題は、安倍晋三氏の思想は危険なほど好戦的で、「美しい国へ」を読むと分かるが、

60年前の戦争は必ずしも日本が悪かったのではない。A級戦犯も無効だ、と言いたがっている。

仮定上の話として、もし、私が彼に上述した方法を提案しても、安倍氏は云うとおりにしないだろう。

しかし、中国・韓国のみならず、米国からも「日本は危険だ」と見なされたらどういうことになるか。

立花隆氏の真似をするわけではないが、良く考えていただきたい。


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