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JIROの独断的日記
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2003年10月10日(金) マニフェストと公約の違い マニフェストは明文化された「契約」公約は「本当に実行する気があるかどうか分からない口約束」

◆記事:
 国政選挙期間中のマニフェスト(政権公約)冊子配布を認める改正公職選挙法は10日午前の参院本会議で、全会一致で可決、成立した。11月1日に期限切れを迎えるテロ対策特別措置法を2年間延長する改正案は与党3党の賛成多数で可決、成立した。

 改正公選法は自民党、民主党など超党派「政権公約推進議員連盟」による議員立法。(1)衆参両院の選挙期間中、総務相に届け出た政策冊子を政党が選挙事務所や演説会会場、街頭演説などで配布することを認める(2)配布数は制限しない(3)戸別訪問による配布は認めない――との内容で、次期衆院選から適用される。

◆解説及び所感

 今回の衆議院選挙を前に民主党がマニフェストというイギリスで慣例化している制度を持ち込んだ。毎日のように耳にするが、以前からある「公約」とどこが違うのか、よく分からなかったので、調べた。

 新聞社のサイトで時事用語の説明をしているページなどを読んでみたが、どうも彼らもあまり良く分かっていないのではないかと思われた。また、私は月間200円でWebのimidasを使いたい放題というサービスを利用している。これは、新しい言葉は毎月どんどん追加していくという触れ込みだ。マニフェストという言葉が出てから、随分経っているのに未だに見出しとして載っていないのは、怠慢ではないか、と思った。

 それはともかく、マニフェストという言葉自体はイタリア語。制度として既にずっと前から採用しているのは英国。マニフェストを「政権公約」と訳してしまうと、「なんだ、結局『公約』をカタカナで云っただけではないか」と勘違いしてしまう。

 マニフェストは政党と有権者との間の「契約」である。英国では保守党と労働党の2大政党が交替で政権をとっているが、選挙前になると、それぞれが、「我が党が政権を担当したら、次のような政策を実施します。」と細かく小冊子に印刷して、有権者はそれをよく読んで、どちらに投票するかを決める。で、勝った方の政党は、毎年、マニフェストを実行する「債務」を負うわけである。まさに、契約の世界、西洋ならではの考え方である。

 これに対して、公約は、日本の今までの歴史を見れば分かるように、選挙のときにとりあえず当選するために、有権者受けするような政策をならべただけのもの、ということになろう。小泉首相が大事な公約を全て破った事は、私が10月2日の日記で書いたとおりである。

 日本では今まで、公約を印刷して配るという事が法律で認められていなかったのだが、今日、改正公職選挙法が可決して、それが可能になった、というわけである。YahooトピックスのY!ニュース - マニフェスト(政権公約)というところから、各政党のマニフェストへのリンクが貼ってある。

 小泉首相の公約について書いたときに改めて分かったが、公約は実に調べ難い。明文化されていない。あるいは、明文化されていてもどこを調べればよいのか、すぐにはわからない。

 マニフェストは上述のとおり、当初から明文化され、保存されることを前提としているので、有権者が国政を監視する意識を持ちやすい。これは、よいことだ。


2002年10月10日(木) ノーベル賞ダブル受賞が嬉しくてたまらない。

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