長渕剛 桜島ライブに行こう!



寂しいからこそ、ひとりなんですか? (桜島ライブ34)

2004年10月05日(火)

『寂しいからこそ、ひとりなんですか?』−桜島ライブ(34)

                 text  桜島”オール”内藤





スポーツ報知の23日の紙面はとても扱いが大きい。
スポーツ紙ではナンバーワンではないかと思います。
タイムテーブルまであって、大変高く評価したいと思います。


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M-21 春待気流(はるまちきりゅう)
  −アルバム『From T.N.』(1983)−



文字通りの興奮の渦となった『STANCE』。
休む間もなく、ドラムは大忙し。
まだまだ、飛ばす気なのでしょう。
剛の集中力に一点のくもりもない。

やがて主旋律の音が加わったというのに、
これ・・・この桜島ライブで、
このときだけだと思うのですが、
僕はいったい何の曲だか、まったくわかりませんでした。

剛のアルバム全部、
すべて聴き込んで桜島にやってきたというのに、
いったいどうしたことだ・・・
そんなはずはないのに・・・

この僕の葛藤は、次の瞬間、
サクソフォーンの音色を聞いた瞬間、
一気に吹き飛びました。

え!! まさか、まさか!

この、剛にしては異様に明るい曲調は!
この、懐かしい、コード進行は!

驚愕の選曲、『春待気流』(はるまちきりゅう)!!!

これ、ほんとのほんとの、
マジ本気で驚きました。
どうだ、びっくりしただろ?とばかりに、
ハハハ!と剛は、
勝ち誇ったような笑い声をあげていました。

古い曲をよく聴いていない観客には、
さすがにこれは、まったく耳に馴染みがないでしょう。
オリジナルアルバムには収録されていないだけに、
剛のアルバムをかなり揃えている人でも、
新曲か?と思ったかもしれません。
(ベストアルバム系には何回か収録)

僕と同様、サクソフォーンの音でわかった人が、
驚愕の歓声を上げる!
そして、剛の歌い出しの部分でわかった人が、
また、驚愕の歓声を上げる!
そんな、時間差攻撃のように、
桜島の観客たちを驚かせた、『春待気流』!

これ、もう、一生、生では聴けない!

そんな確信が一気に沸きあがり、
もう、もう・・・もう、大変な真夜中だ。


寂しいからこそ ひとりなんですか
ひとりだからこそ 寂しいんですか
みんな みんな 胸を抱えては
新しい夜明けを待っているんだ



いやあ・・・たまりません。
70年代フォークの匂い。
剛のルーツ、吉田拓郎を彷彿とさせるこのメロディ。
くわしくない人には申し訳ないけれど、
コーラスが歌う、歌詞のリピートのニュアンスなんて、
もう、ほんと、拓郎っぽい!


今までいくつかの 恋をしてきたけれど
愛の言葉に しがみついただけだった 
だ・か・ら
時の流れの中で すきま風が吹こうと
逃げ道ばかりを 追いかけまわすのはやめて
きみひとりを 愛しつづけていきーたい



まさか、このサビのところで、
チャッ!チャ!チャ! チャッ!チャ!チャ!
の拍手をしながら、
剛と一緒に歌う日がくるなんて、
まったく、まったく、想像すらできなかったよ。

それも、CD音源を上回るような、
明るくて、元気なポップチューンに仕上がってる。
それでいて、どこか懐かしくて、
ジーンと染みるメロディ。
まさしく、70年代末期のあの感じ。
長髪で、きれいな声の、剛の感じ。
なにより、歌っている剛が嬉しそうなのが、最高だ!

「ツヨシーーーッ!」

「いいぞ、ツヨシーっ!」

「初めて聴いたぞーーっ!」


ひっきりなしに、声援が飛んでいました。
僕も、何度も何度も、剛の名前を叫びました。

剛の名前を呼びながら、曲の余韻にひたっていたら、
一瞬、拓郎のオールナイトにいるような、
そんな錯覚に襲われました。

行きたかった、行けなかった。
ファンになったときにはとっくの昔に終わっていた、
あの伝説のつま恋オールナイトライブ。

一瞬、ステージの剛の満面の笑顔が、
1975年つま恋のオールナイトライブの写真で見た、
拓郎の笑顔に重なりました。

ありがとう、剛。
ありがとう、こんないい気分。

ありがとう、
懐かしい人からの花束のような、この曲を。



続く



<次回予告>
剛のライブでいつも聴くことができた、王道ラブソング。
良かった・・・この桜島でも聴けたんだ・・・。
嫌な過去はみんな、真夜中の錦港湾に沈めてしまおう。

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