長渕剛 桜島ライブに行こう!



いのちの歌に癒されましたか? (桜島ライブ32)

2004年10月02日(土)

『いのちの歌に癒されましたか?』−桜島ライブ(32)

                 text  桜島”オール”内藤





ライブを伝えるサンケイスポーツ。白黒なのが残念無念。
9時間ブッ通しは・・・ちょっとオーバーかな(^_^;)。


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M-19 ガンジス −アルバム『Captain of the Ship』(1993)−



「毎日しんき臭いこと考えることないけど、
 一年に一度くらいは、
 じっくり考えるのもいいよね。
 俺、バカだから・・・へへへ。」


『静かなるアフガン』を歌い終え、
剛はまるでひとりごとのように、そうつぶやいていました。
俺、バカだから、じっくり考えないとね、
ということでしょうか。
間違いなく天才の部類に入ると思うのですが、
剛は、ちょっと卑屈に謙遜しつつ、
へへへ、と笑ってギターを弾き始めました。

でも、こんなとてつもないイベントなんて、
このとき剛が言ったように、
バカじゃなきゃできないことかもしれません。

全国からこの南の島に、
その男に導かれて集まった7万5千人が、
憧れと尊敬のまなざしで、
その自称”バカ”の一挙手一投足を見つめていました。

まだ音を確かめる程度に爪弾かれたギターからは、
前日、桜島の空をながめながらリハーサルで聴いた、
あの曲の旋律の断片を読み取ることができました。

「次の歌は、インドを旅したときの歌。
 俺はインドに行って、生きるということを、
 痛切に感じたんだ。」


そうか、『JAPAN』、『静かなるアフガン』、
そして、この歌か・・・。
この曲順の構成には、
すごく自然に身を任せることができた気がします。

いのちの歌、『ガンジス』!

剛のアコギのアルペジオ。
耳をすませる観衆。
『静かなるアフガン』あたりから、
シートに腰を下ろして聴いている人が多い。
僕のように立っている人は、
それほどいませんでした。


4本の火柱が めらめらと
燃えさかり 煙が立ち昇る
俺は今 揺れる小舟の上 
ガンジス河を 下ってる



いのちの歌であり、癒しの歌に感じました。
僕は『ガンジス』を聴きながら、
ひときわ心地よい時間に身を置いていたと思います。

第一部はもう激流の中にいたようなイメージ。
第二部も、第一部のようなめくるめく感じではないものの、
なにかと精神的に刺激を受ける曲が続いていました。
そのせいだと思うのですが、
僕は気楽に聴けるラブソングや、
のんびりと聴けるフォークソングのようなレパートリーを、
このとき望んでいたのかもしれません。

『ガンジス』は、ちょうど、そんな曲でした。
のんびりと心地よく聴ける歌。
長いライブには、そういう歌があっていい。
前日、桜島の道端に腰掛けて、
雄大な自然と空をながめながら聴いた『ガンジス』。
そして、この日も、体の力を抜いて、
耳というよりは、体全体で聴いていた『ガンジス』。


旅をするのは 帰る家があるからだ
さすらいの旅ほど 淋しい ものはない
ふと虚しさに 突き落とされそうに なったけど
死んだら 灰になるだけさ と笑ってみた
死んだら 灰になるだけさ と笑ってみた



いつのまにか、剛のアコギだけだった『ガンジス』に、
バンドの音が幾重にも重なってきていました。
さりげなく、しかし確かな技術とプロ意識で、、
オールナイトに挑む剛をサポートし続けるバンドメンバー。

剛の歌声とギターを支えるように、
それぞれの楽器の音が『ガンジス』に溶けこんでいました。
そして、コーラス陣も、実にさりげなく、
サビのフレーズを繰り返す剛の声に寄り添っていました。

僕は、この『ガンジス』で、
剛と共にステージで闘う仲間たちの存在を強く感じました。
ここ最近のライブで、おなじみのメンバーです。
剛はもちろん、僕らも全幅の信頼を寄せる、
凄腕のミュージシャンたちです。


バーイ バーイ ガンジス
Woo Woo Woo Woo・・・


バーイ バーイ ガンジス
Woo Woo Woo Woo・・・



そして、『ガンジス』は、剛の歌声ではなく、
コーラスの歌声で幕を閉じました。

第二部は、静かに聴ける曲がいい。
聴きたい人は、静かに一緒に歌い、
眠りたい人は、静かに眠れればいい。
そんな僕の考えのとおりに、
静かな曲が続きました。

・・・が、
一寸先に何が待っているか、
まったく読めないのがこのライブ。

次の曲で、例によって、
一気にドンデン返し、食らいました・・・



続く



<次回予告>
午前1時だろうと、2時だろうと、
容赦なくハッスルタイムはやってくる。
アルバム『Hungry』から、劇薬のようなロックナンバーに、
第二部最初のメーター振りきり、炎熱の大熱狂!

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