長渕剛 桜島ライブに行こう!



10年前と変わらない日々ですか? (桜島ライブ30)

2004年09月29日(水)

『10年前と変わらない日々ですか?』−桜島ライブ(30)

                 text  桜島”オール”内藤





桜島のフェリー乗り場を降りてすぐのところにある、パチンコ・ロッキー。
たぶん・・・桜島唯一のパチンコ店?
僕はパチンコはやらないので入店を考えることすらありませんでしたが、
21日と22日はやっぱり千客万来だったのでしょうか?


★長渕剛 桜島ライブに行こう!バックナンバー ←クリック

=====================================================


M-17  JAPAN −アルバム『JAPAN』(1991)−



第二部が始まるムードが高まってきて、
たまらず僕は立ちあがりました。

第一部が始まる直前を100とすると、
ツヨシコールなどの歓声は、
30くらいだったでしょうか。

とてもじゃないけど、
剛を迎えられる状態とは言い難い。
それでも、
ステージに灯がともれば爆発するさ・・・
と思いながら、
まばらなツヨシコールに合わせて、
僕らは手を叩いていました。

まだほの暗いステージに、
バンドメンバーらしい人たちが出てきて、
Aブロックの前方のほうではワーッと歓声が上がるものの、
やっぱり会場全体はシーンとしたもの。
もっともっとツヨシコールのボリュームを上げないと、
剛、出て来れないじゃんか・・・
と思ってステージをよく見ると!

その暗いステージのセンターマイクに向かって、
ステージ袖からフラリとあらわれたのは、
黄色いTシャツに身を包んだ

TSUYOSHI NAGABUCHI

その人ではありませんか!!

僕が気付いたのとほぼ同時に、
ドーッと大歓声!!
(A・Bブロックだけのように感じましたが・・・)

たぶん、照明がついてないので、
スクリーンには剛の姿は映らないはず。
後方ブロックはまさか剛がすでにステージにいるなんて、
まったく気付かなかったのだと思います。

「ツヨシーィ、遅いよーーっ!」

という、声援が象徴するように、
いや〜、待ったよ、待った。
長い休憩だった。

おとなしく出てきたところをみると、
第二部は、じっくりとやるのかな・・・
と思うやいなや


Wow Wow Wow
ジャパーーーーン!!
Where are you going!



び、びっくりした。
いきなり始まった!

しかも、おとなしく始まる雰囲気を漂わせておいての、

オリジナル演奏版『JAPAN』

はじかれるように、
ジャパーーーン!の大合唱に加わりました。

限りなくCDのアレンジに近い『JAPAN』だっただけに、
1992年の東京ドームを思い出した人も多かったはず。
いや、第二部のオープニングということもあって、
同じくオープニングを『JAPAN』が飾った、
1993年のJAPANツアーの方が近いか。

いずれにしても、
このオリジナルバージョンの『JAPAN』は、
あれから10年、ステージでは演奏されていないはず。
(間違っていたらごめんなさい。)
とにかく、懐かしい、この感じ。
あの、ほこりが渦のように舞っていた、
東京ドームのセンターステージが懐かしいよ!

俺たち この先 どこへ
流れていくんだろう

Wow Wow Wow
ジャパーーーン!
Where are you going!

Wow Wow Wow
ジャパーーーン!
What are you doing!

貫き通す 意地の 壊れたこの国で


それにしても、
こんな沈んだ雰囲気で、
第二部が始められるのだろうか・・・
と危惧していたのがむなしいほどに、
一気に息を吹き返した観衆。

じっとエネルギーをためこんでいたのもあるでしょうが、
やっぱり、僕がひしひしと感じたのは、
剛、絶頂期のアルバム『JAPAN』のタイトル曲の、
根強い人気でした。

間奏のあいだも、ひっきりなしに、
興奮した観客の歓声が渦巻いていました。
第二部のオープニングにこれを持ってきたのは、
かなり大正解かもしれない。

特に、大部分の観客から見ると、
ほんとうに、いきなり、
バーンと目の前に『JAPAN』を
叩きつけられた感じだったと思います。
暗がりから突然出てきたような。

休憩時間が長かったので、
剛、大丈夫かな・・・と心配しましたが、
声も出ているし、まだまだ余力十分な感じ。

僕としては、意外な選曲が嬉しかった。
時事的な歌ということもあって、
時間が経つとその意味合いも薄れるし、
やらないんじゃないかなあ・・・
と思っていたのですが、
剛が生で歌っているのをじっくり聴いていると、
なんか・・・

ぜんぜん、世の中、
10年前と変わってないじゃないか!


と思いました。
まったく、歌詞内容に古さを感じないのです。

それだけ、世の中はあいも変わらず、
同じような問題を抱えているということの証し。
湾岸戦争がイラク戦争に変わっているだけのことで、
いまだに『JAPAN』の歌詞がビンビンにリアルに感じられる。
喜んでいいのか・・・
悲しんでいいのか・・・

このように、見事な立ちあがりを見せた第二部。
『JAPAN』は、ほとんどCDと同じくらいの演奏時間で、
気持ちよくスパッと歌われました。
そして、10年前の日本の行く末を案じたこの曲は、
もうひとつの剛の社会派メッセージソングの
呼び水となるのでした。

人気曲『JAPAN』。
叫びやすい曲『JAPAN』。
しかしその内容はけして軽くない。

日本よ、何をやってるんだ!との苛立ちは、
静かなる絶望感のあの歌へ、
そして、生命をテーマとしたあの歌へとたどり着く。

第二部、派手ではあるものの、

じっとりと、重く、
草木も眠る真夜中のキックオフです。




続く



<次回予告>
『JAPAN』の後に続くのは、やはりこの曲しかない。
一部から評価が高く、ラジオ曲からは嫌われた、
静かなる「アメリカへのNO」を、今こそ桜島から発信。

★次の日記 ←クリック

 < 過去  INDEX  未来 >


桜島 [MAIL]

My追加