長渕剛 桜島ライブに行こう!



自分のブロックで観ましたか? (桜島ライブ29)

2004年09月28日(火)

『自分のブロックで観ましたか?』−桜島ライブ(29)

                 text  桜島”オール”内藤





Thank you Tシャツは終演後限定の販売。
グッズリストでもデザインはシークレットでした。


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一部ニ部間・休憩時間 その2



ようやくトイレ休憩から帰ってくると、
友人はおとなしくシートに座っていました。

「はやかったね。」

「混んでるところは混んでるけど、大丈夫。
 行ってきたら?」

おそらく混雑がいやで、
開演中に行こうと思っていたであろう友人も、
僕の予想外に早い帰還に、
トイレに向かう意欲が沸いてきたようでした。
それでも25分はかかっているのですが。

友人がトイレに行っているあいだ、
僕はまたリュックからカロリーメイトやら、
グロンサン内服液やらを出してきては、
エネルギーの補給に余念がありませんでした。

狭いスペースで横になることもできないので、
体育座りで夜食を済ませると、
立ちあがり、
ぐるっと360度、会場を見渡してみました。

休んでばかりいてはもったいない。
こんな光景、もう一生見れないかもしれません。
あきれるほどの人、人、人。
視界の上半分は夜空。
そして、下半分は、はるか彼方まで、
すべて人で埋まっている。
何度でも、眺めまわして、
何度でも、味わいたい。

静まり返っている会場でした。
物音すらしないわけではないのですが、
7万5千人が、静かに、じっとしている雰囲気でした。

BGMくらい流してくれないかなあ・・・

と僕は考えていました。
雰囲気が、あまりにも暗く感じたからでした。
このまま、第二部に突入できる雰囲気には、
到底、思えませんでした。

それでなくても、
これからはつらい時間帯に入ってきます。
拓郎のオールナイトでも、
眠っている人続出、という時間帯。

遠距離バスで到着した人、
当日、空路で到着した人は、
きっとかなり早起きして会場に来ているはず。
車内で睡眠が取れた人はまだしも、
一睡もできなかったという人は、
そうとうつらかったのではないでしょうか。

しばらく辺りを眺めて満足したので、
また、シートの上にしゃがみ込んで、
じっと静寂の中に身を置きました。

ふと、シートのすきまから覗いている地面を見て、

(ああ、桜島に来ているんだなあ・・・)

と思いつつ、地面を叩いてみたりしました。

それから、曲間に取ったメモを見ては、
第一部のライブのことを思い出していました。
日記に書くことを想定して、追記したりして、
時間を過ごしていました。

一番、印象に残ったのは『勇気の花』。
一番、感動したのは『逆流』でした。

『逆流』は、剛のMCと歌が、バッチリはまっていて、
第一部のベストパフォーマンスだったなあ・・・
参っちゃったよ、ほんと感動しちゃったもんなあ・・・
などと思ったりしていました。

『LICENSE』の最後でややテンションが下がったものの、
『しあわせになろうよ』のゲスト登場で、
いい意味で、何もかもが掻き回された感じでした。
あれよあれよというまに終了したことによって、
それほど気にならない記憶になっていました。

そんなことを考えながら、
要は、ひとりで何もすることもなく、
僕はぐだぐだしていたのですが、突然、

後ろからカップルが僕の前に出てきました。

男性が、僕らの前にいた観客(トイレに行っていて不在)のシートに、
女性が、僕の友人の座っていたシートの上で立ち止まり、
腰を降ろしました。
どうも、そこで第二部を見ようとしているみたいでした。
見ると、僕らとは違った色のリストバンドでした。

「あの、ここ、友人の場所なんですが・・・」

と言うと、女性は、何も言わずに、
連れの男性の前の狭いスペースに移動していきました。

もやもやした気持ちで二人の背中を見ていると、
やがて、僕らの前にいた観客たちが、トイレから戻ってきました。
なにやら、その観客たちが、出現したカップルに囁くと、
カップルたちは、またその前に移動していきました。

席が悪くても、きちんと自分のブロックで観ている人たちを、
トイレから戻ってくるときに確かめてきただけに、
相当に腹立たしい思いがしましたが、
なにしろ、そういう人たちがそこあそこに点在しており、
振り向けば、通路に何十人と座っているのだから、
そこらじゅう、ルール違反者だらけ。
ただただ自分の場所だけは、自分で守らねば・・・
と思うので精一杯でした。

そうこうしていると、友人が戻ってきました。
僕のときよりも、さらに5分ほど早く戻ってきたように思われ、
混雑が緩和しているように思いました。
きっと、トイレに行きたかった人たちがみんな、
ブロックに戻ってきているのでしょう。

時刻は1時15分でした。
友人と、第一部のライブのことをいろいろと話しました。

ここまでの曲数が少ないから、
第2部は弾き語りでテンポよく曲をこなしていくのではないか

ZEPPでやっていた曲で、まだ演奏されていない曲、
『碑』『待ち合わせの交差点』『愛してるのに』
『Hold Your Last Chance』『Good-Bye青春』
『裸足のまんまで』『−100°の冷たい街』
などが演奏されるのではないか

既に『勇次』が演奏されたことから『Captain・・・』があるのではないか

などなどなど。

「第二部はどんな歌が聴きたい?」

そう友人に尋ねると、友人は、

「懐かしい歌が聴きたい」

と、懐かしい歌を知りもしないくせに言うものだから、
僕は少し吹き出してしまいました。

「懐かしい歌って、例えば?」

「『Myself』とか、『Go Straight』とか」

「そのへんは新しい感じがするけどなあ・・・」

そんなとりとめのない話を延々としていました。
そういう時間も、なんだか楽しかった。

僕は、第一部が燃焼系だったので、
第二部はしっとりと、バラードをたくさんやって欲しい、
と思っていました。
『俺たちのキャスティングミス』のような、
ムード抜群のバラードの名曲をたくさんやって、
寝たい人は寝かせてあげて、聴きたい人は聴く、
そういうのがいいんじゃないかと思っていました。

それにしても、長い休憩でした。
もう1時間が過ぎていました。
開始時間が遅れたこともあって、
この長い休憩は、ちょっと気になりました。

30〜40分くらいならいいけど、
1時間を越えると、逆に剛にとっては負担となると思いました。
剛も観客も、完全に冷え切って、
また、ゼロからライブを盛り上げて行かなければならないからです。
すでに桜島は、クールダウンを通り越して、
仮眠状態に陥っているように感じました。

やがて、アナウンスが流れ、
まもなくライブが開始されることが告げられました。

それを聞いて、
ポツポツと、ツヨシコールが局地的に叫ばれていました。

70分〜75分くらいの長い休憩が、
終わろうとしていました。


続く


<次回予告>
剛、フラリと暗闇の中、あらわる!
唐突に始まった、第二部!
みどころ満載の第二部の口火を切ったのは、あの社会派ソング。

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